色々なことを我慢しながら、勉強に集中しなければならない受験生は、問題集の難問だけでなく、不安やプレッシャー、ストレスとも闘っています。
そんな受験生にとって、「食事をすること」はホッと一息つける気分転換の時間でもあります。
この記事では、主に食の観点から受験生のわが子を応援する方法を紹介していきます。
受験の正念場は、冷え込みが厳しい真冬の時期。
風邪などをひかないよう毎日の食事でお子様の体調を支え、合格の日を迎えたいですね。
多くの受験生は、真冬の時期に受験勉強の総仕上げと試験本番を迎えることになります。
この時期は気温と湿度が下がり、受験生が勉強している室内は乾燥した状態になりやすいです。
乾燥した環境では、鼻や喉の粘膜が敏感になり免疫力が落ちるため、風邪やインフルエンザ、ノロウイルス、新型コロナウイルスといったウイルスの生存率が高まり、感染症リスクが高いため要注意です。
風邪などの病気にかかってしまうと、学習スケジュールが遅れたり、長引けば心理的な焦りも生まれたりと、受験生自身のプレッシャーになる可能性もあります。
また試験当日に病気になってしまうと、これまでの努力が全く報われなくなるかもしれません。
受験直線に病気になってしまったならば、勉強よりも早期回復を優先すべきですが、それ以前に受験生とその家族は病気にならないよう予防の意識を持った方がよいでしょう。
基本的な感染症対策はマスク着用、帰宅後は手洗い・うがいを行い、体内へのウイルス侵入を予防することが挙げられます。
乾燥対策には、適度な水分補給も大事なポイントです。机にはカフェインレスの飲み物(水やハーブティーなど)をこまめに摂るとよいです。
鼻や喉が乾燥しないように受験生の勉強部屋には加湿器を置いておくのもおすすめです。
室内と外の気温差が大きくなると、自律神経が乱れやすく、ダルさや疲れやすさの原因になるので要注意です。
夜遅くまで学習したいのは理解できますが、不規則な生活リズムや睡眠不足は免疫力低下につながるため、できるだけ受験生も朝型の規則正しい生活を心がけたいです。
また、夜型だと試験時間に集中力が続かなくなるともいわれています。 試験中に眠気がやって来ることがないよう、少なくとも受験の2週間前からは、朝型生活に変えることをオススメします。
受験生を持つ親にとって、応援する気持ちも込めて、毎日の食事で体調管理をサポートしてあげたいものです。
子の息抜きの為にも、好きな料理を用意してあげたいところですが、栄養面も意識してあげましょう。
風邪を予防して免疫力を高めるために、鍋やスープなど体を芯から温めてくれる献立がおすすめです。具材には、体を温めるニラやネギ、生姜、ニンニクといった食材を使い、たんぱく質、ビタミンA、C、E、B6を積極的に取り入れると良いでしょう。
受験生の体調管理と脳の活性化、集中力アップに役立つおすすめの栄養素をご紹介しましょう。
ビタミンA・C・E・B群は疲労回復や脳の働きを活発化するのに大事な栄養素です。
ビタミンA
ビタミンC
ビタミンE
ビタミンB群(ビタミンB1、B6、葉酸(B9)、B12)
青魚に多く含まれるDHAは、脳細胞の働きを活発にして、記憶力を高める働きがあります。
DHAは体内で作り出す事ができませんので、サバ、アジ、イワシ、マグロ、サンマなどの魚類から摂取しなればなりません。
受験生は頭の働きをよくして学習効率を上げるためにも、魚類を日々の食事に取り入れると効果的です。
小鯵やイワシの唐揚げに酢、レモン、カボスをかけるとサッパリして食べやすく、魚の骨からカルシウムも同時に摂取できます。
私たちの体はほとんどがたんぱく質で構成されていることはご存知でしょうか。
筋肉や胃腸などの臓器、皮膚といった組織から酵素やホルモン、血液まで、そのほとんどを作る上でたんぱく質が必要です。水分以外は、たんぱく質でできていると言っても過言ではありません。そのため、私たちの健康維持には、「良質なたんぱく質」が不可欠です。
良質なたんぱく質とは、必須アミノ酸(体内で作り出すことのできない9種のアミノ酸)がバランス良く含まれたたんぱく質を指します。
たんぱく質は生きるためのエネルギーです。体内ではタンパク質を材料にして、新しい臓器や髪や筋肉に作り変えられています。
脳内で情報を処理するには、たんぱく質を材料にして創られる神経伝達物質が働く仕組みです。
たんぱく質が不足すると、神経伝達物質の一つであるセロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンが十分に作られず、集中力の低下、判断力の低下に繋がるので要注意です。
特に受験生は脳を活発化させて記憶力を高めるためにも、良質なたんぱく質を積極的に摂ると良いでしょう。
たんぱく質の中でも、魚肉のたんぱく質は、低脂肪・高たんぱくなので注目したいです。
魚肉はアミノ酸バランスに優れ、畜肉や卵よりも低脂肪なので、できるだけ毎日の食事に加えたいです。
一般的に、たんぱく質を構成するアミノ酸バランスは植物系より動物系たんぱくの方が優れていますが、動物系たんぱくの中でも肉や卵、乳製品は脂肪分が多いのがカロリーを気にされる方には心配なこと。
その点、魚のたんぱく質は、低カロリーで高たんぱく。
魚肉たんぱく質を手軽に摂る方法としては、サプリメントという手段もあります。
「サカナのちから」はたんぱく質を酵素分解し、吸収力を高めた魚肉ペプチドのサプリメントです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解されて、アミノ酸が数個つながっている状態のこと。アミノ酸をまとめて効率良く体に取り込むことができます。
忙しい受験生も、水で飲むだけでたんぱく質補給ができます。
ここからは、受験生に温まる手料理を!お手軽レシピをご紹介しましょう。
豚肉に含まれるたんぱく質とビタミンB1は炭水化物を脳のエネルギーに変える働きがあります。
ビタミンA・C・Eが豊富なかぼちゃを組み合わせて免疫力アップ、風邪対策に嬉しい一品です。
▽材料(4人分)
▽作り方
豚肉をひと口大に切ります。大根、にんじんは薄い輪切りにカット。フライパンにサラダ油を熱し、大根を入れて炒めて、両面に焼き色がついたら、皿に取り出します。
フライパンを熱して豚肉を入れて炒めます。豚肉に火が通ったら、一旦火を止めます。
フライパンに大根とにんじん、和風だし、薄口醤油、砂糖、水を加えて混ぜ合わせます。
火にかけて煮立ったら弱火にします。フタをして強火で10分煮て斜めに切った絹さやを載せれば完成です。
栄養情報 (1人分)
・エネルギー 262 kcal
・たんぱく質 8.3 g
・野菜摂取量 85 g
イワシはカルシウムとDHAが豊富に含まれており、受験生の集中力アップと脳の活性化に役立ちます。
▽材料(2人分)
▽作り方
イワシは頭を落として内蔵を取り出します。頭の方から尾の方に向けて骨を取り除きます。
イワシにしょうが汁をふりかけ、塩・こしょうで下味を付けます。
小麦粉・卵・水・パン粉の順に衣をつけます。油で揚げます。
レタスと、トマト・レモンを添えて盛り付けます。
お好みでソースとマヨネーズをつけます。
栄養情報 (1人分)
・エネルギー 255kcal
・たんぱく質 18.3g
・野菜摂取量 900 g
受験勉強の休憩時間に夜食やおやつを用意している家庭もあるでしょう。
先にも述べたように、楽しみが限られている受験生にとっては、食べることが気分転換になります。
注意したいのは、受験生は運動不足になりがちな為、脂肪分が多い食べ物や胃や腸に負担がかかる食べ物は避けた方がよいということです。
インスタント食品やスナック菓子が好物の受験生も多いかと思いますが、頻度や量にはくれぐれも注意しましょう。
また、食べるのに時間がかかってしまうような夜食は、学習時間を削ってしまい、勉強に戻る気持ちが萎えてしますこともあるので注意した方がよいでしょう。
最後に、受験生の夜食やおやつに良さそうな物を紹介します。
バナナ、缶詰ミカンにヨーグルトをかけるだけです。
フルーツは子のストレス解消の為にも、子が好きな物を選んであげましょう。
フルーツのビタミン群、特にビタミンCは多くのフルーツに含まれており、免疫力を高めてくれます。
ヨーグルトは無糖を選ぶのがよいでしょう。
コンビニでも見かけることが多くなったプロテインバーは、空腹を満たしつつ手軽にたんぱく質を補給できる便利な食品です。
プロテインと聞くと、「トレーニングに励む人が摂っている物?」、というイメージを持つ方もおられるでしょうが、プロテインバーは片手で手を汚さずに食べられる物が多いので、勉強しながら何かを口に入れたい受験生にもオススメできます。チョコレート風味であったり、ナッツやドライフルーツが入っている物であったり、多種販売されています。
一つ注意したいのは、カロリーが200kcal以上の商品も多く、体重の増加に繋がることがあります。
鈴廣かまぼこ開発の「フィッシュプロテインバー」は高たんぱくでありながら低脂肪なので、運動選手以外の幅広い方、ダイエット中の方にも愛用いただいています。
重くなら過ぎずに、手軽に温かい物を食べさせたい時に便利なのが残り物のそうめんです。
カマボコと卵でたんぱく質も摂れます。
▽作り方
お湯でそうめんを茹で、流水でもみ洗い。
だし汁/お味噌汁を沸かし、茹でたそうめんを入れて煮る。
沸騰した状態で溶き卵を回し入れて、火を止める。
カマボコとネギをのせて完成。
受験は本人次第、とはいうものの、受験生がいるご家庭は少しでも本人の負担を減らしてあげたい心境でしょう。
受験当日にできる限りの準備と体調を整え、本番の試験に全力を発揮できるとよいですね。
今の頑張りが春に実を結ぶことを信じて、わが子の頑張りを見守りましょう。