実はあのことわざも、魚が関係していました

ぷちかま記者:

こんにちは!ぷちかま記者です。かまぼこ界のスクープを追って、かまぼコラム、 始まりました。早くもこのコラム、5回目をむかえました。おめでたいですね!

かまぼこカリブ:

おめでたい!といえば「タイ」です。日本では古くから、マダイは特別な魚で、 「おめでたい」なんで言われるように、魚の中でも縁起物えんぎものの代表です。タイは身体の赤色から、紅白こうはくのイメージで縁起物えんぎものの意味があるようです。日本語には、魚にまつわるいろいろな言葉があり ます。

記者:

ありがたい!もありますね。かまぼこにも紅白こうはくは使われますが、これもおめでたい意味があります。

カリブ:

他にも身近な魚が日本語にんでいます。例えば、タラ

記者:

かまぼこの原料にもなります。

カリブ:

めったやたら」はタラから来ていると言われています。「たらふく食べる」もですね。 タラという魚は、おなかがパンパンになるまで獲物えものを食べることから、このような言い回しができたそうです。

記者:

タラをおなかいっぱい食べるわけじゃないんですね。他にも、かまぼこに使われる魚では何かないかな……あ、グチは!?

カリブ:

かまぼこに使われるシログチはニベ科の魚ですが「にべもない」という表現は、このニベから来ていますニベのぶくろねばり気が強いことから、昔は接着剤せっちゃくざいとして使われたほどでした。そこから転じて「にべ」は人間同士の親密しんみつさを表すようになり、無愛想なことを「にべもない」と言うようになったそうです。

記者:

かまぼこには「にべがある」んですね。ちなみに、かまぼこ用語ってあるのかしら?

かまぼこ職人:

職人たちの間では「あし」ってよく使いますね。

記者:

かまぼこに……足……?

職人:

うどんなどの麺類めんるいの歯ごたえを「こし」と言いますが、かまぼこでは、弾力だんりょくの事を「あし」と言います。あとは「すわり」も大事ですね。

記者:

さらにすわるんですか……。

職人:

すわり」は、かまぼこのぷりぷりした弾力だんりょくを引き出すための工程です。

記者:

とどのつまり、本当にかまぼこは弾力だんりょくが大事というのがわかりますね。

カリブ:

あ、「とどのつまり」も魚から来ています。

記者:

え、あの海獣かいじゅうのトドではないのですか!?

カリブ:

トドは、ボラのことです。出世魚ですが、トドは一番成長した段階だんかい、つまりこれ以上は大きくならない点から、最終的にという意味になりました。

記者:

調べてみると、ボラは地域ちいきによって全然び名が違うんですね。

カリブ:

ちなみに「いなせ」もボラから来ています。江戸時代の美意識の一つで、男気があり粋という意味です。「いなせな男」などと使われますね。

記者:

ボラはかっこよい?

カリブ:

いなせは漢字にすると「鯔背いなせ」になるのですが、これは、ボラの前のび名であるイナの背中の意味です。魚河岸うおがしで働いていた、活気のある若い男性のかみ型が、イナの背中に似ていることから、こうばれ始めたと言われています。少し曲がったまげか、り上げたあとを示すのかは、諸説しょせつあるそうです。

記者:

なんと、かみ型のことだったんですか!

カリブ:

それから急上昇きゅうじょうしょうを意味する「うなぎのぼり」はご想像の通り、ウナギが由来です。

記者:

あれ、そういえばウナギって何かを登るんですか?

カリブ:

実は、ウナギはたきすら登れます。ニョロニョロとした身体ですが、少しでも足場があると登れてしまうんです。不思議ですよね。

記者:

知らなかったです!日本人にとって、本当に魚って身近な存在そんざいなのだなと改めて感じました。まだまださがしてみたいと思います。今日はかまぼこカリブさん、かまぼこ職人さん、ありがとうございました!