魚肉たんぱく同盟コラムVol.35
菅原由勢が18歳から積み重ねた「食へのアプローチ」と加藤超也シェフとの出会い
2024.07.20
オランダ1部のAZアルクマールからプレミアリーグのサウサンプトンFCへの移籍が発表され、より一層の注目を集めている日本代表・菅原由勢選手。J1リーグでプレーしていた10代の頃から、「今」と「未来」の自分のために食へのアプローチを続けてきました。そんな菅原選手にとって「恩師」とも言えるのが、サッカー日本代表長友佑都専属シェフの加藤超也氏です。今回は、おふたりにアスリートが食へのアプローチを行うことの意義について語っていただきました。
菅原由勢選手プロフィール
2000年6月28日生まれ。5歳の時にサッカーを始め、名古屋グランパスの下部組織に入団。史上2位の記録(17歳7か月27日)でJ1リーグ開幕戦先発を果たす。翌年の2019年6月にオランダ1部のAZアルクマールへ移籍。初年度より主力として活躍し、オランダ国内のみならずヨーロッパリーグの舞台でも躍動。現在はサッカー日本代表で定位置を確保し、将来を嘱望される若きサイドバック。2024年7月、サウサンプトンFCへの移籍が発表され、世界トップレベルの舞台で更なる活躍が期待されている。2024年に「魚肉たんぱく同盟」のパートナーとして「鈴廣かまぼこ大使」に就任。
加藤超也氏プロフィール
1984年生まれ。2016年にサッカー日本代表長友佑都専属シェフに就任。「食べたもので体はつくられている」をポリシーに、欧州と日本を行き来しながらサポートに従事。2020年からは、「アスリート自炊力向上プログラム」として、東京五輪サッカー日本代表候補の菅原由勢選手のサポートを開始。また2020年10月よりポタージュブランド「THE POTAGE」の商品プロデュースを行い、その他企業の商品開発などにも携わっている。
ーーまずはお二人の出会いについて教えてください。
菅原由勢選手(以下、菅原):プロになった18歳の頃、「もうひとつ上のステップに進むために、何か変えたい」と考えていました。そんな時に長友佑都選手が食へのアプローチを変えたという話を聞き、専属シェフである加藤シェフに突然SNSでご連絡したのが最初のきっかけでした。
加藤超也氏(以下、加藤):あのメッセージは響きましたね。当時まだ10代でありながら、先のキャリアを考え、今の自分の時間をどう使うかや「食を変える」ことについて考えていることを知り驚きました。
菅原:オランダ移籍後はホストファミリーのもとで生活していました。キッチンを使える限られた時間を使い、加藤シェフからオンラインで料理のレクチャーを受けました。最初に教わったのはツナカレー。自分でスーパーで食材を買い、料理を作るのは初めてのことでした。時には、スーパーでもオンラインで繋ぎ、新鮮な野菜の選び方を教えていただいたりもしましたね。
加藤:とても楽しんで料理をしているのが印象的で、その分習得も早かったです。包丁捌きもみるみるうちに上達していきました。菅原選手とオンラインをつなぐたびにキッチンに鍋、包丁…とツールが増えていったのも嬉しくて。実際に身体のコンディションがいいというのも聞いていましたし。
菅原:料理を学ぶことが自分への投資になることはわかっていたので、毎回ワクワクしていました。当時、オランダ料理と日本料理の大きなギャップを感じて、このままだといつか怪我をするという危機感があったんです。
加藤:自分で料理の知識と技術を持っているということは、どんな環境でも自分のコンディションを保つ術を身につけているということなんです。移籍などで環境が大きく変わっても、自分の中に軸があれば誰に頼ることもなく身体づくりができます。
ーー10代の頃から食へのアプローチを続けてきた結果、どんなメリットがありましたか。
菅原:加藤さんから「食」を学び始めてからの6年間、一度も筋肉系の怪我をしていません。僕らサッカー選手はピッチに立ち続けて”なんぼ”だからこそ、ピッチ外が重要なんです。
加藤:トップアスリートとして様々な状況下で戦う菅原選手の「食が大切だと気づいた」というこの声を、一人でも多くの人に届けたいですね。
ーーアスリートにとって食事とはどんな存在だと思いますか?
加藤:「肉体をつくる」「精神を癒す」という二つの側面があり、これが掛け算されることで「自信」になると考えています。肉体というベースを作りながら、時に、どうしようもなく落ち込んだときや、メンタルコントロールできないときに、美味しいものを食べることで自分を癒すことができる。自分の好きな人とご飯を食べる、自分の好きなものを食べるということも、「癒し」として必要だと思っています。だからこそ、菅原選手には常に「70点でいい」と伝えていました。100点を目指すと、数回できないだけでパタっと食へのアプローチを継続できない傾向があるんです。それよりも長く続けることが大切です。
菅原:自炊していると、自分が思い描いていた料理ができないことはよくあります。そんな時に70点でいいと思えると、「できなかった」ではなく「伸び代がある」と捉えられるんです。
ーー現在の食生活について教えていただけますか?
菅原:結婚したので、オランダでは基本的に妻に料理を作ってもらっています。妻は加藤さんの本で食事について勉強してくれ、なんの文句も言えないほど支えてくれています。代表期間中はホテルでのビュッフェ形式の食事になるので、その選択肢の中で自分のコンディションや試合までの日数を考慮しながら最適解を見つけるようにしています。
加藤:隣の選手がパスタを食べて調子が良くても、自分に合うかはわかりません。早い段階で菅原選手にはアレルギー検査を受けてもらい、何を食べたら身体にとってネガティブに働くのかという「自分の体質」を知ってもらいました。ビュッフェ形式であっても、自分自身で選択できる知識が身につきますし、トップコンディションに持っていきたい時に持っていけるようになります。
ーー今年、菅原選手は鈴廣かまぼこ大使に就任されましたが、魚肉たんぱくの魅力についてはどうお考えですか?
菅原:僕が「魚、魚!」とうるさいので、妻が1日のうち1食には必ず魚料理を作ってくれます。意識して摂ろうとし続けた結果、今はもう無意識、習慣になっていますね。
加藤:オンライン上でもわかるくらい、肌の調子も良さそうだしね。筋肉系の怪我がないというのが、ひとつの正解だと思います。筋肉系の怪我は食事で防げる怪我です。魚は裏切らない、次世代にも啓蒙していくべき食材だと思っています。
菅原:オランダに来てから4年間で150試合出ているというと、チームメイトに「それってずっと試合に出てるってことじゃん!ジャパニーズクオリティ!」と言われました。それに対して僕は「良いご飯を食べてるからね」と返したんです。クラブハウスでごはんを食べる時に、「本当にこのメニューで良いのか」と疑問に思うこともあります。食文化の違いは理解しつつも、そんな時はチームマネージャーやシェフに直接伝えているので、「食にうるさいやつ」と思われているはずです。ジムのトレーニングが当たり前であるように、食のトレーニングも当たり前だという認識が広まればいいのですが…。
ーー海外生活ではなかなかアクセスしづらい部分があるとは思いますが、鈴廣かまぼこの商品についてどのようなイメージをお持ちですか?
菅原:鈴廣かまぼこさんには、代表活動中やオフ期間中に手厚いサポートをしていただいています。プロテインは粉っぽさや不味さなど、味の不安定さを感じることが多いんですが、鈴廣かまぼこに関して言えば、いつでも美味しいので僕はプロテインと思って食べていません(笑)。良質なタンパク源が手軽に食べられるというメリット以前に、味の良さが先行しています。
加藤:僕は「『食べなければいけない』ではなく、『食べたい』と思わせる料理を」をテーマにしてきました。このフィッシュプロテインバーにもその想いが込められているので、今の言葉は一番の褒め言葉ですね。
ーーサッカーをしている少年少女たちから菅原選手に質問が届いていますので、いくつかお答えいただけたら嬉しいです。まずは「タンパク質をとるタイミングはいつがいいですか」という質問から。
菅原:これは「トレーニング後すぐ」ですね。運動後30分間はタンパク質の吸収が高まりますが、僕は終わった瞬間すぐに摂るようにしています。1秒でも早く摂ることをお勧めします。
ーー「試合前は何を食べていますか」という質問もきています。
菅原:僕はサイドバックでよく走るので、それに必要な栄養をしっかり摂るようにしています。例えば試合前日の夜は鰻に加えてミネラルの多い海藻などを食べ、当日は麺類やごはんなど炭水化物を多めに摂取します。食べてから身体に吸収されるスピードも食物によって異なるので、それを意識していますね。オランダは面白くて、毎試合必ずパンケーキが用意されています。非常にパサっとしています(笑)。
ーーそれでは最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
菅原:いつも応援ありがとうございます。僕が鈴廣かまぼこ大使に就任し、驚かれた方も多いと思います。しかし実は6年前から食生活を意識して変えてきたこともあり、鈴廣さんとともに魚の持つ力を伝えるという素晴らしい機会をいただきました。僕のサッカーを支えているのは食生活です。食生活の改善は仕事や勉強、スポーツのパフォーマンスを向上するだけでなく、みなさんの人生を間違いなく豊かにするものだと思います。これからも応援よろしくお願いいたします。
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五勝出 拳一(ごかつで・けんいち)
広義のスポーツ領域でクリエイティブとプロモーション事業を展開する株式会社セイカダイの代表。複数のスポーツチームや競技団体および、スポーツ近接領域の企業の情報発信・ブランディングを支援している。2019年末にマイナビ出版より『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を出版。