魚肉たんぱく同盟コラムVol.39

苦しい時間を生かせたからこそ、今がある―。欧州に渡った町野修斗の食生活と現在地。

2024.12.27

現在、ブンデスリーガのホルシュタイン・キールに所属する町野修斗選手。履正社高校からプロの世界へ飛び込むと、湘南ベルマーレでの活躍が評価され渡欧。2024-2025シーズンは開幕戦からゴールを決めるなど、活躍を見せています。今日に至るまでのプロ生活を振り返りながら、食生活の心掛けについても伺います。

町野修斗選手プロフィール
1999年生まれ、三重県伊賀市出身。父親が地元チームの監督、そこで兄もプレーする環境のなかでサッカーを始め、早くから頭角を現す。高校は履正社高校に進学し、2年次には全日本高校選抜に選出。活躍が認められて横浜F・マリノスに入団する。2019年にギラヴァンツ北九州への期限付き移籍が決まると、同年にチーム得点王の活躍を見せた。2021年からは湘南ベルマーレでプレーし、2022年にはJ1リーグの得点ランキングで2位を獲得。2023年4月ガンバ大阪戦で見せた前半のみで4得点の記録は、Jリーグ史上初の偉業となった。7月からは欧州に舞台を移し、ブンデスリーガのホルシュタイン・キールでプレーを続ける。

――最初に町野選手がサッカーを始めたきっかけについて教えてください。
サッカーを始めたのは幼稚園の時です。父が小学校のチームで監督をしていて、3つ上の兄もそこでサッカーをしていました。私も幼稚園の頃から小学校の練習に混ぜてもらって、1年生の時にはユニフォームをもらって試合に出ていました。2,3年生になる頃には6年生の試合にも出してもらっていましたね。

――プロサッカー選手になることを意識したのはいつ頃からでしょうか?
常になれると思って生きてきたので、いつからというのはありません。その中で本格的に意識したタイミングとすれば、高校2年生で全日本高校選抜に選ばれたとき。2年生で選ばれている選手のほとんどがプロになっていたので、「これは来たな」と思いました。

――言葉通り、高校卒業後には横浜F・マリノスに入団されましたね。
高校選抜でゴールを決めたのが日産スタジアムだったのもあって、クラブの方が目を留めてくださいました。他のクラブや大学からも話がありましたが、高卒でプロになるというのは決めていたので、最終的にも横浜F・マリノスへの入団を決めた形です。

――実際にプロの世界に入ってみた印象はどうだったのでしょうか?
正直、自分ではやれると思ってプロの世界に飛び込みましたが、実際には挫折を味わう結果となりました。ただただ練習を見ることしかできない時間が流れていって、当時はきつかったです。
ただ、そこからギラヴァンツ北九州への期限付き移籍の機会をいただいて、1点取ったところから少しずつ活躍できるようになりました。その年にJ2昇格を決められたこともそうですし、自身としても北九州への完全移籍を決めて、北九州のために戦う時間を過ごすことができました。

――湘南ベルマーレに移籍してからも、目覚ましい活躍を見せていましたね。
移籍した1年目は、どちらかと言うと決定機を外してチームに迷惑をかけてしまいました。ただ、その悔しさをバネに翌年13得点を記録できたのが大きかったです。苦しい時間もありながら、次の年に生かすことができたという手応えが得られました。

――現在は欧州に活躍の舞台を移す町野選手の、食生活について教えてください。
朝晩は妻が用意をしてくれて、昼はチームの用意してくれた食事をいただいています。チームの食事は、前日にアンケートが来て、そこに書かれたメニューから選択するか、バイキング形式かのどちらかですね。毎週だいたい同じ選択肢なんですけれど、好きなメニューもあります。
妻のつくる食事は、栄養面を考えてくれたものばかりですし、米が大好きなので、それは常に取り入れてもらっています。調味料も、渡欧するときに日本から大量に持ち込みました。

――プロになって食事への意識は何か変わりましたか?
ギラヴァンツ北九州時代にどんな食事が自分の身体に合うかの検査をさせてもらいました。その時に小麦が合わないことや、じゃがいもも摂りすぎると良くないということがわかって、そこから食べるものを意識するようになったかもしれません。

――ドイツに来てからの変化はありますか?
日本と比較して、グルテンフリーやビーガンの考えが進んでいるように感じます。

――タンパク質の摂取についてはいかがですか?
ドイツでは、魚というとサーモンしか見ない印象で、ほとんどが肉からの摂取です。あとはチームから筋力トレーニングが課されるので、その時にはプロテインも飲んでいます。

――鈴廣の商品については、どのような印象がありますか?
日本にいるときは特によく食べていました。湘南ベルマーレ時代は練習後の冷蔵庫に「フィッシュプロテインバー」が入っていたので、特に身近でしたね。あとはサッカー選手繋がりで、長友佑都選手がアンバサダーを務めていた印象があります。羨ましかったですね(笑)

――町野選手の活躍もたくさんの方が待っています。目標として見据えていることはありますか?
まずは1試合でも多く試合に出て、1点でも多く得点を積み重ねたいです。あとはA代表についても手の届くところにあると思っているので、一日でも代表に早く復帰して、代表の主力になれるよう努力していきたいですね。次のワールドカップで自分のゴールでベスト8の壁を破り、優勝に導くことが2026年までの目標です!

――最後に応援してくださっている方々へメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。試合はもちろん、ニュースやハイライト映像でゴールシーンや活躍しているところをたくさん見てもらえるよう頑張りますので、これからも町野修斗をよろしくお願いいたします!

河合萌花
フリーライター。教育系出版社、大手広告代理店を経て現職。インタビューライティングを主とする他、看護師資格やサッカー指導者ライセンスを生かしたスポーツ・ヘルスケア領域の執筆も多い。