魚肉たんぱく同盟コラムVol.14

結果からの逆算 海外的発想でついに見つけたかまぼこの機能性

2021.12.09

なでしこジャパン不動のサイドバックとして、世界と戦ってきた鮫島彩。2011年にはワールドカップ優勝という偉業を果たすも、その後は世界から研究され、世界と戦い続けることの難しさを実感したという。そんな彼女が、今後も日本女子サッカー界の第一線で戦い続けるために着目したのは、食をはじめとする日常生活からのコンディション作り、そして最適な食材として選んだのは、やはりかまぼこだった。

鮫島彩選手プロフィール

栃木県宇都宮市出身。2006年に宮城・常盤木学園高から東京電力女子サッカー部マリーゼに入団。東日本大震災の影響でチームが活動を自粛したことにより、海外挑戦を果たす。帰国後はINAC神戸レオネッサなどを経て、今年1月から新チーム・大宮アルディージャVENTUSに加入し奮闘中。2008年にデビューしたなでしこジャパンでは、不動の左サイドバックとして11年ワールドカップドイツ大会初優勝や12年ロンドン五輪の銀メダル獲得、15年ワールドカップカナダ大会準優勝に貢献。国際Aマッチ通算114試合5得点。

――鮫島さんがサッカーを始めたきっかけは?

地元(栃木県宇都宮市)に、女の子だけのサッカーチームがあって、知人に声をかけてもらい、小学1年生の時に参加したのがきっかけです。最初は鬼ごっこなど、体を動かすメニューからスタートしたんですが、それが楽しくて。

――上のレベルを目指そうと考えたのはいつ頃からですか?

小学高学年の頃だったと思います。わたしが一年生のとき、六年生には安藤梢選手が在籍していました。わたしが高学年になった頃に、安藤選手は高校生ながらも日本代表に選ばれていたので、「頑張れば、ああいうところでプレーできるのかな」と、良い意味で勘違いしていたんです。身近に憧れの選手がいたので、目標が作りやすかったんだと思います。

――その後、高校生、社会人と活躍し、日本代表に上り詰めました。その後、海外挑戦を果たすなど、これまで様々なキャリアを積んできていますが、ご自身のキャリアで最も思い出深い出来事は何でしょうか?

2011年ワールドカップドイツ大会優勝、2012年ロンドン五輪銀メダル、2015年ワールドカップカナダ大会準優勝の3つが、一番大きな結果だと思います。いろんな出来事があり、どれも比べることはできないんですけど、日本代表での活動は自分にとって、やはり大きなものですね。

――2011年には、海外に挑戦されていますが、その背景を教えていただけますか?

東日本大震災により、当時わたしが所属していたチームが活動休止になってしまいました。その時に、どうにかしてサッカーを続けられるようにと、周りの方が動いてくださって、練習生という形でアメリカに行くことになりました。だから、「海外に挑戦しよう!」という強い意志があったわけではなく、むしろ、それ以外に選択肢がなく、とにかく行かせてもらった、という経緯があります。

――海外ではどのような経験をしましたか?

アメリカではすごくいい刺激をもらっていましたが、リーグが消滅してしまい、フランスのチームに移籍することになりました。フランスでは、文化の違いや言葉の壁があって、慣れるまでに時間がかかったという記憶があります。苦しかったんですけど、大きな括りでは、自分の人生観を変える貴重な経験になりました。

――フランスではどんな経験をしたのでしょうか?

日本では、自主練をすることが良しとされていたり、痛みを押してでも練習に参加することが美しいこととされていたりしますよね。でもフランスでは、その週の練習にほとんど参加していなくても、試合で起用され、しっかり結果を残す選手の姿を何度も見ました。これを機に、「自主練をこれだけやったからいいんだ」と自己満足して終わっていた自分を見直すことができ、結果に対する考え方を大きく変えることができました。かといって、練習で手を抜くとかサボるということではなくて、結果から逆算して、何が必要で何が必要ないのかを、よりシンプルに考えられるようになったという感じです。

――日本ではプロセスを、フランスでは結果を大事にする国民性があるということですね?

逆に日本人は、プロセスで手を抜かない分、どんな状況でもコンスタントに力を出せるという良さがあるんだなと気づけたのも大きかったです。いずれにせよ、わたしのサッカー人生にとって、海外での経験は、とても貴重なものでした。

――結果からの逆算という点で、スポーツと食は、密接な関係にあると思いますが、鮫島さんが考える、女子サッカー選手に求められる食事、栄養とはどういったものでしょうか?

サッカーは、接触のあるスポーツなので、細かな動きがあったり、ハイパワーを出す動きがあったりしますし、90分間走り続けるスタミナも必要です。とても激しく筋肉が損傷するスポーツなので、栄養もバランスが大切になってくると思います。ですので、わたしは栄養士さんと相談しながら、エネルギー源とタンパク質の摂取の量とタイミングには特に気を使っています。

――鮫島さんは、腸内環境も大切にされていますよね?

はい、腸内環境は栄養を摂取する上での大前提ですね。わたしは、発酵食品を毎日3種類以上摂るようにしています。せっかく体に良いもの、体に必要なものを摂取しても、腸が吸収してくれなければ、その栄養は意味のないものになってしまいますよね。

――試合前、試合当日、試合後で、食事の量やタイミングも気を使っているかと思います。どのように食事をコントロールしているかを教えてください。

試合前はエネルギー源となるお米をいつもよりなるべく多めに摂るようにしています。また、少量でエネルギーを摂りたいときには、お餅を食べるようにしています。

わたしの場合、燃費が悪いのか、試合後にロッカー入って、シャワーに向かうまでに低血糖のような状態になって、ちょっとクラっめまいがするので、エネルギーの摂取量は特に気にしています。栄養士さんにも「お米の量を増やして」と言われていて、今後どのようにしていくのかは、大きな課題です。

――タンパク質に関してはどんな摂取の仕方をしていますか?

お肉の脂身がすごく苦手なので、タンパク質を摂るときは、脂の少ないものにしています。最近はお魚が以前にも増して多くなりました。魚の油は体にも良いので、積極的に摂るようにしています。

――以前と比べて、食習慣は変わってきていますか?

若い頃は、栄養の知識が全くなかったので、出されたものを食べたり、コンビニで食べたいものを買ったりと、食に対して無意識でした。でも、ワールドカップで優勝して以降は、世界から分析され、パフォーマンスを上げないと戦っていけないと感じるようになりました。そのためにも努力してプレーの質を上げることはもちろんですが、食事や睡眠にも目を向けるようになりました。コンディション作りへの意識を大きく変えたことの効果は大きかったと感じています。

――魚肉たんぱく同盟のことは、いつどんな形で知りましたか?

実は、10代の頃に、所属チームで「サカナのちから」を飲んでいたんです。でも、当時は若かったせいか、元気がありすぎて、その効果を実感できていませんでした。ただ、当時から、母がサカナのちからを飲んで、「これすごいね」とよく言っていたんです。わたしは、基本的にサプリはほとんど飲まないんですが、最近、試しに「サカナのちから」を飲んでみて驚きました。朝起きたとき、スッキリして、「これが母が言っていたことか!」って(笑)。

――「サカナのちから」がきっかけで魚肉たんぱく同盟を知った方というのは、これまでの取材では初めてのケースです(笑)。

当時のチームメイトには、いまこそ「サカナのちからを飲んでみて!」って教えてあげたいです(笑)。

――かまぼこやプロテインバーはもう食べましたか?

はい、食べました。まず最初に表示を見て驚いたのが、すごく脂質もカロリーも少ないけど、タンパク源が多いことでした。しかも余分な添加物が入っていないんですよね。「こんなにアスリートに良い食べ物があったんだ!」という驚きがありました。特にかまぼこは、料理もしやすいので重宝していて、他の選手にもおすすめしたいなと心の底から思いました。

それから、プロテインバーも、すごく美味しかったです。正直お酒が進んじゃうなって思いました(笑)

――実は意外とその意見が多いようなんです。

ですよね!でもそれじゃいけないので、アスリートらしい答えを…(笑)。

練習後の栄養摂取にすごくいいなと思いました。夏場の練習後など、すぐに何かを食べないといけないとき、わたしは牛乳と甘酒を混ぜて飲んでいるんですけど、プロテインバーなら、なかなか食事を受け入れられないときにも、すんなり食べられそうです。

――かまぼこはどんな風にして食べていますか?

そのままわさび醤油で食べるのが好きなんですが、そのほかにも、チャーハンに入れたり、酢の物に入れたりします。料理が映えるので、特に自炊をしている女子アスリートの強い味方にもなりますね。最近は、かまぼこレシピを調べるのがとても楽しいです。

――かまぼこへの愛を感じますね。

わたしは、はんぺんや伊達巻は好きで食べる機会が多かったんですが、これまでは、意識してかまぼこを食べる機会はなかったので、「見つけた!」って感じです。

――鮫島さんは、高校時代、そして社会人と仙台で過ごしていますよね? 仙台には、練り製品に親しんでいる方が多いのでしょうか?

笹かまが有名ですよね。わたしも笹かまやはんぺんをよく食べていました。練り物は昔から大好きで、料理でもよく使うんですけど、今回、魚肉たんぱく同盟をきっかけに、かまぼこの機能性をしっかり理解でき、すごくいいきっかけをいただいたなと思っています。

――今年は、WEリーグもスタートするなど、さらなる日本女子サッカー界の発展が期待されています。現在所属する大宮アルディージャVENTUS、そしてWEリーグをどのように盛り上げていきたいですか?

大宮アルディージャVENTUSは新しいチームなので、一から全てを作り上げていく難しさを感じつつも、大きな充実感があります。一方で、プロとしては、結果を残していかないといけないので、甘えることなくしっかりチームの土台を作って、今後につなげていきたいという思いでやっています。

――WEリーグは、コロナ禍ということもあり、当初の1試合当たりの観客動員目標に対し、少し伸び悩んでいます。今後、鮫島さんが、チームやリーグに対して、成し遂げていきたいことはありますか?

大宮アルディージャVENTUSの認知度を上げることが最優先です。いまは「大宮って女子チームがあったの?」というくらいの認知状況だと思うので、まずは認知度を上げて、より一層、地域貢献活動や普及活動に影響力も持てるようになれればと思っています。

また、これまで先輩たちが、日本の女子サッカーを盛り上げるという強い想いを持って、リーグや代表で戦う姿を近くで見てきました。サポーターの方たちも、日本の女子サッカー界が低迷している時でも、盛り上げようとサポートし続けてくださっています。そのような方々の想いを自分なりに感じ、その想いを未来につないでいきたいですね。

書き手:瀬川泰祐(スポーツライター・エディター)

株式会社カタル代表取締役。HEROs公式スポーツライター。Yahoo!ニュース個人オーサー。ファルカオフットボールクラブ久喜アドバイザー。ライブエンターテイメント業界やWEB業界で数多くのシステムプロジェクトに参画し、サービスをローンチする傍ら、2016年よりスポーツ分野を中心に執筆活動を開始。リアルなビジネス経験と、執筆・編集経験をあわせ持つ強みを活かし、2020年4月にスポーツ・健康・医療に関するコンテンツ制作・コンテンツマーケティングを行う株式会社カタルを創業。取材テーマは「Beyond Sports」。社会との接点からスポーツの価値を探る。
公式サイト http://segawa.kataru.jp