コーヒーのような深い色味ととろりと濃厚な飲み心地が特徴の、冬季限定ビール「風祭スタウト」。
カカオを思わせるちょっぴりビターで芳醇な味わいは、鈴廣のビールブランド「箱根ビール」の中でも異彩を放つ存在です。
アルコールが強めなので、飲めば体がぽっと温まるよう。寒い冬の夜に暖炉やストーブにあたりながら、ゆっくりと味わっていただきたいビールです。
濃厚でありながらくどすぎない鈴廣流のスタウトづくり
スタウトは、いわゆる「黒ビール」の一種で、真っ黒な見た目と、香ばしいナッツやチョコレートのような香りが印象的。英語で「スタウト=強い、どっしりとした」という名前が表すとおり、アルコール度数が高く粘度を感じる舌触りも特徴です。
そんなスタウトの魅力を活かしながらも、どこまでも”かまぼこに合うビール”を求めてつくられたのが「風祭スタウト」です 。芳醇な苦味がありながらも雑味はなく、濃厚な苦みと香ばしさが口の中でふわりと広がります。
チョコレート麦芽とホップの配合、砂糖の量で理想の味を追求
「風祭スタウト」の香ばしさの秘密は、厳選されたチョコレート麦芽。優しい香ばしさが魅力の「小田原エール」に使われるカラメル麦芽より、さらにローストされたチョコレート麦芽を使用することで、しっかりと香ばしさを際立たせました。
これに加え、「箱根ビール」でつくられる各種ビールは、通常2-3種類のホップを使い、それらの配合を目指す味わいに合わせて変えていますが、「風祭スタウト」は麦芽のビターな味わいを活かすため苦味の強いホップはあえて控えめにしています。こうすることで、ホップ由来の青々しい苦味というよりは、焙煎された麦芽のほろ苦さがしっかりと感じられる、スタウトらしい味わいに仕上げました。
また、ホップを入れるタイミングで砂糖を加えるのもスタウトならではの製法です。酵母の餌となる砂糖をたっぷりと加えることで、発酵を促しアルコール度を上げて、すっきりとした味わいはそのままにどっしりとした飲み応えを生み出します。「風祭スタウト」では、この砂糖をやや控えめにし、低めの温度で時間をかけてじっくり発酵させることで、7.5度という高いアルコール度をキープしながらも、クセのないすっきりとした味わいに。まさに”かまぼこに合うスタウト”のできあがりです。
加えた砂糖はすべて発酵に使われるため、砂糖の甘みは残りませんが、麦芽の自然な甘みと香ばしさのおかげで、チョコレートのように濃厚な風味を感じるから不思議です。
コーヒーのような味わいはスイーツとも相性抜群
おつまみとしてぜひ一緒に召し上がっていただきたいのが、「あげかま」や「金目鯛のあげたい」のような揚げかまぼこ。ビールと揚げかまぼこのそれぞれの香ばしさがお互いを引き立て合う至福のマリアージュは、晩酌を一層豊かなものにしてくれるはずです。また、「伊達巻」や「海のすふれ」と合わせて、おやつ感覚で楽しむ方もいらっしゃるそう。さらに通な召し上がり方としては、グラスに注いだ「風祭スタウト」の上にバニラアイスを浮かべるフロートスタイル。甘くてほろ苦い、大人のための魅惑のドリンクです。
特徴的な味わいなので、ビールの概念にとらわれず、ブランデーやコーヒーのポジションで召し上がっていただいてもしっくりきそう。冬のリラックスタイムに、ぜひお楽しみください。
Photography by Hiyori Ikai, Written by Tomoyo Tsuchiya