柔らかな飲み口と、リンゴなどのフルーツを思わせる華やかな味と香り、そして美しい琥珀色が五感を楽しませてくれる「こゆるぎブラウン」。名水「箱根百年水」を使って鈴廣がつくる「箱根ビール」ブランドのなかでも、根強い人気を誇る秋季限定のビールです。
秋の夜長のリラックスタイムに静かに寄り添う味わい深い一杯を、ぜひお楽しみください。
にごりの生み出すコクと香り
「こゆるぎブラウン」はビールのスタイルでいうと、ブラウンポーターに属します。ブラウンポーターはその名のとおり、色合いは赤みを帯びた茶色で、コクがありながらも飲みやすく仕上げられているのが特徴です 。
特に「こゆるぎブラウン」は、同じ「箱根ビール」ブランドの「小田原エール」と似ているともいわれますが、「こゆるぎブラウン」には「小田原エール」にはないにごりが存在します。これはビールに残された酵母によるもので、「こゆるぎブラウン」のしっかりとしたコクを生み出してくれます。さらに「小田原エール」 がカラメル麦芽によって香ばしさを際立たせているのに対して、「こゆるぎブラウン」は発酵由来の華やかな香りや味わいが魅力です。
しっかりとしたコクを引き立てる、芳醇な香りは、ビール通から普段あまりビールを飲まない方まで、どなたにも喜んでいただけるはずです。
特注酵母を短期間で発酵し香りを引き出す
「こゆるぎブラウン」の美味しさの最大のポイントは発酵工程。それゆえ、酵母にはこのビールだけのために特注した香り豊かなものを使っています。さらに高温で比較的短期間で発酵させる“上面発酵”を採用することで、フルーティでフレッシュな香りを最大限に引き出します。
リンゴやイチゴなどの果物が発酵したときのような芳醇な香りは、この材料と工程でしか出せない特別な香り。この香りを邪魔しないよう、「こゆるぎブラウン」はホップをあえて抑えめにし、苦味も控えめに仕上げています。
もうひとつ、美味しいビールづくりに欠かせないのが、美味しい水です。鈴廣のかまぼこづくりにも使われる、箱根・富士・丹沢連山に育まれた上質な名水「箱根百年水」で仕込まれたビールは、とてもまろやかでクリアな味わい。酵母から生まれる香りをきりっと際立たせます。
発酵由来の味わいは発酵食品と相性抜群
シードルにも似た華やかで芳醇な香りが魅力の「こゆるぎブラウン」は、香りをもっとも感じやすい10℃くらいが、飲むのに最適な温度です。一般的な冷蔵庫は6℃程度なので、冷蔵庫から出して10分ほど待ってから召し上がってみてください。
少し意外かもしれませんが、「こゆるぎブラウン」は発酵由来の味わいが強いことから、醤油や味噌など和の発酵食品と相性抜群。煮物や豚汁もよく合いますし、発酵食品であるわさび漬けを使った板わさと一緒に召し上がっても、至福のマリアージュが楽しめます。
また、存在感のある味わいは食後酒にも最適で、ナッツやドライフルーツと合わせて楽しむ方も多いようです。
秋にぴったりな奥深い味と香りが魅力の「こゆるぎブラウン」。美しい月空を見上げながら旬の味覚ととともに、ぜひじっくりと味わってみてください。
Photography by Hiyori Ikai, Written by Tomoyo Tsuchiya