震災を機に改めて取り組みはじめたエネルギー問題。必要に迫られた節電で気がついた賢いエネルギーの使い方、そしてさらなる発展へと続きます。
震災を機に改めて取り組みはじめたエネルギー問題。必要に迫られた節電で気がついた賢いエネルギーの使い方、そしてさらなる発展へと続きます。
未来へ繋げる エネルギーのお話 其の一に続いて、エネルギーを生み出すこと、“創エネ”で、まず動き出したのが太陽光発電。風祭店や同じ敷地にある食事処「千世倭樓」の事務棟、魚肉たんぱく研究所などの屋根に太陽光パネルを設置し、これまで月最大501kwhを発電しました。
また、地産地消のバイキングレストラン「えれんなごっそ」では、地中熱利用換気システムの使用を開始しました。通年温度が一定の地中5メートルにパイプを巡らすことで夏は冷たく、冬は暖かい空気を得ることができます。
こうすることで、エアコンの負荷がぐんと下がり、年間消費電力は前年比で15パーセント削減しました。
団体のお客様がお昼を召し上がる施設を持つ風祭店には、井戸水を利用した太陽熱利用給湯システムを導入。専用の太陽熱パネル30枚と2220リットルの蓄熱タンクを据え、店で使われるすべての給湯をまかなっています。日射しの強い真夏には水温が70度にもなり、従来のガス利用と比較して、前年比で年間20.5パーセントのコスト削減が見込まれています。
この国には石油や天然ガスはありませんが、利用可能ないろいろなエネルギーの元がたくさんあるようです。
さらに鈴廣のエネルギーに関する取り組みは続きます。そのひとつが2016年度中の完成を目指して建設中の新社屋です。
設計段階から「賢いエネルギーの使い方とは何か」という思想を取り入れました。建物の断熱性に配慮し、壁を断熱構造にし、窓は二重ガラスにします。三階建ての屋上に太陽光パネルを置いて発電・蓄電し、非常時に備えます。
照明は全てLED仕様に切り替え、極力開口部を大きくとることで外光を最大限に利用します。空調や給湯も豊富な地下水を利用します。
この結果、エネルギー削減率54パーセントを達成することができ、経済産業省が提案する「ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)」の承認を受けることができました。省エネ機器などに掛かる費用が最大で三分の二補助されるのです。
また地域では、エネルギーの地産地消を目指して、地元の企業と一緒に「ほうとくエネルギー(株)」を立ち上げました。まずは第一期の事業として公共施設の屋根を借りての太陽光発電と小田原の山間部でメガソーラーでの発電を始めました。
このように、鈴廣の再生可能エネルギーの活用は環境面や文化面を通じて地元全体へ広がり始めています。その根底にあるのは、未来へとつながる地元の活性化です。
小田原という土地が育んできた歴史や文化、生活の中から新しいものを育てていくことが独自の発展を確立すると信じています。
150年間続けてきた蒲鉾づくりと共に、再生可能エネルギー事業にこれからも積極的に取り組んでいきます。