鈴廣の板かまぼこの美味しさをお伝えするシリーズ、
【そうだったのか?! 『鈴廣の板かまぼこ』】
第10回目のテーマは“かまぼこ職人”です。
前回の【そうだったのか?! 『鈴廣の板かまぼこ』 vol.9】では、かまぼこづくりの工程を詳しくご紹介しました。要所で職人の経験が物をいう“見極め”が必要だということがお解りいただけたことと思います。
今回は、その熟練した技術を持つ“かまぼこ職人”についてお話しします。
鈴廣の板かまぼこの美味しさをお伝えするシリーズ、
【そうだったのか?! 『鈴廣の板かまぼこ』】
第10回目のテーマは“かまぼこ職人”です。
前回の【そうだったのか?! 『鈴廣の板かまぼこ』 vol.9】では、かまぼこづくりの工程を詳しくご紹介しました。要所で職人の経験が物をいう“見極め”が必要だということがお解りいただけたことと思います。
今回は、その熟練した技術を持つ“かまぼこ職人”についてお話しします。
機械のみでは出せない、熟練の技を要するかまぼこづくりだけに、その技の認証には国家資格が必要です。その資格名は
『水産練り製品製造技能士』 一級と二級があります。
また試験は「生魚コース」と「冷凍すりみコース」の2コースからの選択制となっていて、必要に合わせて選ぶことができます。
資格取得の最短コースは、水産高校等を卒業し、二級の受験資格を得て二級試験に合格後、2年の実務経験を経て一級に臨みます。試験は2年に1度行われ、現在、一級合格者は全国で246名。ちなみに小田原鈴廣には8名の一級技能士がおります。
「生魚の状態を知らずして伝統の維持や継承はない」と考える鈴廣では、「生魚コース」での資格を取得しています。
「機械のワンタッチの状況に慣れてしまうのは危険」と言い切るのは、鈴廣の一級技能士の富永雅夫。「今日はおかしいなと思っても、ワンタッチだと対応できなくなってくる。機械を導入しても、自らの手で魚をおろし、素材の状態を見極める基礎からはじめないと、かまぼこの伝統が根底から揺らいでしまいます」ときっぱり。国家資格は、魚の基礎知識や職人の技を、次世代へ橋渡しする重要な役割を担っているのです。
鈴廣では、社内で職人を育てるために、機械を使ってかまぼこをつくるコースと、細工かまぼこづくりのような、技能を身につけるための職人コースを設けて、2コースの両立を図っています。それは、昔のように“技を体で覚える”だけでなく、かまぼこづくりを魚肉タンパク質の非常に高度な加工技術ととらえ、科学的データに基づき立証していくことが必須と考えているからです。
機械生産の立場にいても、手づくりの技や科学的な分析をきちんと習熟していれば、本当に研ぎ澄まされたよいものづくりができる、と確信しています。
今、世の中はとてつもないスピードで変化し続けています。
時代は変わっても上質なかまぼこは、上質な“素材”と“職人技”によって受け継がれてきました。素材の選別だけでなく職人の育成もまた、時代とともに新しい体制を整えながら受け継がれているんですね。
次にかまぼこを召し上がる時には、
ぜひそれを生み出した職人のことを思い出してくださいね。
次回の【そうだったのか?! 『鈴廣の板かまぼこ』】もお楽しみに!