【板わさをたのしむin中央区】日本橋旦那衆の「板わさ」談義

現在、中央区の全59店舗の飲食店様のご協力のもと、令和2年10月1日~11月30日まで「板わさたのしむ in 中央区」キャンペーンを開催しています。キャンペーン期間中は、鈴廣かまぼこを使用した「板わさメニュー」を期間限定でお召し上がり頂くことができます。

三四四会は昭和34年4月に日本橋料理飲食業組合の青年部として発足し、昨年60周年を迎えました。
発足以来、日本橋の味を守りながら街の活性化にも取り組み、日本料理、寿司、鰻、蕎麦など、東京・日本橋に店を構える名店がズラリと名を連ねます。創業から100年を超える店も多く、店主たちは代々、日本橋の食文化を間近で見てきた生粋の江戸っ子たちです。
日本橋という街でつながり、日本橋が好きで、この文化を守りたいという気持ちでつながり、
昭和34年4月に始まったこの“つながり”が、世代を超えて受け継がれ、今日も大切な食文化を守っています。

今回は「うなぎ割烹 大江戸」の湧井浩之氏、日本蕎麦「室町砂場」の村松毅氏、日本料理「日本橋ゆかり」の野永喜三夫氏、寿司「蛇の市本店」の寶井英晴氏の4人の店主たちが集結。

江戸の蕎麦屋で出されたのが始まりといわれる「板わさ」について、自らの記憶も振り返りながら語って頂きました。これまで500件以上の蕎麦屋を巡る自称「蕎麦前マイスター」鈴廣社員の古谷が「板わさ」の魅力について、お届けします。

三四四会の若旦那衆が語る 江戸っ子の日常にある“板わさ”とは?

村松毅(以下村松):写真右上
板わさっていうのは“蕎麦前”といって、蕎麦を待つ間にわさびを添えた板かまぼこをつまみに酒をたしなむっていう文化からきています。
日本料理屋や寿司屋が生の魚を使うのに対して、蕎麦屋っていうのは乾いた鰹しかない。お刺身に代わるものとして板わさがあるんです。

湧井浩之(以下湧井):写真左下
確かに板わさと聞くと蕎麦屋のイメージですね。僕が初めて板わさというものをきちんと知ったのは、それこそ砂場さんじゃなかったかな。

野永喜三夫(以下野永):写真左上
蕎麦屋に行ってちょっと待ってる間に肴がほしいなというときに、「ちょっと板わさ頂戴」って。
つまみになるし、すぐに出るじゃないですか。とりあえず枝豆、というのと一緒の感覚ですね。

寶井英晴(以下寶井):写真右下
まさにそう。お蕎麦屋さんだと、板わさに焼き鳥、それから卵焼きというのが我々の定番ですね。
また寿司屋ではちらし寿司にもかまぼこが入っていますね。先っぽが尖った形のかまぼこを2枚重ねて。
お店によって違いはあるものの、うちでは紅白ではなく白だけ。

板わさのおいしい厚さは「12mm」

野永
でもシンプルだからこそ、お店のレベルがそれで分かってしまう。かまぼこはもちろん、かまぼこに添えるわさびやわさび漬けでも差が出ます。だから練りわさびではなく本わさびを使う。そして重要なのが、この絶妙な厚み。

寶井
かまぼこは弾力が持ち味だから、うちでも美味しく召し上がっていただくために12~13ミリくらいの程よい厚みで切ってお出ししています。

野永
刺身ひとつにしても、マグロの赤身は厚く、トロは筋があるから薄めに切るっていうように意味がある。
分かっててどの厚さにするかで差が出るので、かまぼこをプリッと美味しく食べるベストな厚みをお客様にも伝えていきたいですね。

シンプルなものこそ最後に残る

湧井
子どもの頃はかまぼこがすごく好きで食べるということはなかったんだけど、だんだん大人になってきて、板わさで一杯とかできるようになった自分が嬉しいと思ったりしますね。シンプルなものこそ最後に残る、というのが改めて大事なんだなと。

村松
うち(蕎麦屋)に来るお客さんを見ていると、食事でもお酒でも、余分なものが削ぎ落とされた慎ましやかな世界をストイックに楽しんでおられるような印象を受けますね。

野永
蕎麦屋に来る人って、昼間から冷酒とかぬる燗とか頼んで、しみじみ飲んでますもんね。蕎麦屋で昼間から熱燗飲んでるご老人とか、いかにも渋くて格好良い。洒落た人って大概、つまみは板わさとかあさりのしぐれ煮とか。

寶井
焼き海苔でお酒飲んでる人もいますもんね(笑)結局、行き着くところは本物の美味しさなんですよ。

長年研ぎ澄まされた、鈴廣の「板かまぼこ」

村松
それでいうと、鈴廣のかまぼこは長年研ぎ澄まされていくなかで、大事なところだけ残ってできたものなんだなと改めて感じます。私の店でも鈴廣のかまぼこを板わさで提供していますが、本来、僕らは手を加えないといけない商売なのに、もうかまぼこ自体が完成されている。歯触りとか旨みとか、そのままで最高の状態なんです。

野永
いろんなかまぼこを食べ比べてみると こんなに違うのか! とびっくりしました。
香りも違うし、口に入れた瞬間の歯ざわりが違う。

湧井
いい魚を使って作っているんだよ、とアピールして行きたいところではありますね。

野永
一度この違いを知ってしまったらもうメニューから落とせない。
本当にいいものを使いたい、そういったプライドのようなものもありますね。

一見シンプルだけど、そこに秘められた本物の美味しさ

湧井 
最終的にそのままが一番美味い!というところに落ち着いてしまうから、うちも板わさでお客様にお出ししています。鰻は焼くのに30分くらいかかるので、板わさをおかわりする人もいるくらいです。

野永
やっぱり外食だからこそ良いものを食べたいっていう人は多いですね。うちはかき揚げにしているけど、小さく切るなということを伝えています。小さすぎると本当の価値がわからなくなってしまう。
つまり板わさは一見シンプルだけど、そこに秘められた本物の美味しさをっていうのを我々が引出し、
それをお客様にぜひ感じてほしいです。

【11月30日まで期間限定】中央区の59店舗でおいしい「板わさ」が食べられる!

令和2年10月1日~11月30日まで「板わさたのしむ in 中央区」を開催中。
全59店舗の飲食店にて、鈴廣かまぼこを使用した「板わさメニュー」をご提供しています。

【板わさをたのしむin中央区 地図】

「板わさ」を楽しむ中央区の参加店舗を見る

この記事を書いた人

古谷 直輝

これまで1000件以上の蕎麦屋を巡る自称「蕎麦前マイスター」
蕎麦好きが高じて蕎麦屋を好きなだけ訪問できる営業職に就く。
新たな地域開拓のためかまぼこを片手に携えて各地の名店に足を運んでいます。

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