超特選蒲鉾古今にはもうひとつ、あでやかな「鹿の子」があります。表面の白を透かして見える紅と緑が美しい細工かまぼこです。
今回は華やかな超特選蒲鉾「鹿の子」のご紹介をいたします。
超特選蒲鉾古今にはもうひとつ、あでやかな「鹿の子」があります。表面の白を透かして見える紅と緑が美しい細工かまぼこです。
今回は華やかな超特選蒲鉾「鹿の子」のご紹介をいたします。
「鹿の子」とは、子鹿の白い斑点の「鹿の子柄」を思わせるところからこの名がつきました。もともとは絞り染めで、布を白い粒状に起伏させて染め出したものが「鹿の子染め」と呼ばれています。それを模様(柄)としてデザインしたのがあでやかな「鹿の子模様」といい豪奢な晴れ着を飾る鹿の子絞りなどで使われています。
鈴廣が蒲鉾の製造を始めた頃、蒲鉾のつるんとした表面に文字、絵、模様等を施した細工蒲鉾をご注文に応じてつくっておりました。その中でも、最も職人の修練を必要とし、また華やかで美しいもののひとつが、今の鹿の子でした。
当時は、出刃包丁1本で細工をしており、その後、鉄扇を経て、現在では、よりよい品質を求め専用のヘラで細工を施しています。時代とともに「鹿の子」も少しずつ変わってきていますが、職人の心粋が込められた華やかさを伝えたいという想いは変わりません。
超特選蒲鉾「鹿の子」は、板付けによりまず蒲鉾型に形を整え、紅と緑のすり身を塗り分け、その上に白いすり身を上掛けし、最後に彫りの作業で模様をつけますこの精巧な柄は練達の職人よって、ひとつひとつつくられます。
超特選蒲鉾古今「鹿の子」は高級な蒲鉾のみに使用される「オキギス」や小田原蒲鉾の特徴の「グチ」の大切な命をいただいてつくるため、細工の失敗により、すり身を無駄にすることが許されないという想いでつくります。それだけに「鹿の子」づくりはひとつひとつの作業が真剣勝負であり、また蒲鉾職人のあこがれでもあります。
彫りベラで刻み出す三角模様は十二個で一列、紅緑各二列ずつの全部で四列。慣れた手でも、一本彫り上げるのに五分はかかります。鋭いヘラ先で彫った上掛けのつのがだれないように蒸し上げるのに、江戸の昔以来の技が生きています。
職人曰く、
「彫るコツは、自分の勘でかまぼこの模様の中心線を決めること。中心が少しでもずれるときれいに模様が出ません。下地の紅と緑の色にまどわされてはいけない。下地の紅と緑の塗りの境界は、手づくりなため、いつでも定規を引いたような直線になっているというわけではありません。この境界をガイドに彫っていくと鹿の子模様が曲がってしまうことがあります」。
「左右の中心から彫りだすので最初は特に集中して彫らないといけません。始めは、何度も失敗しました。彫る感覚は独特で例えようがないです。けれど、あえて例えるなら「堅いプリン」。それに、粘りと弾力が加わるのです。「彫り」については、これが限界と思わず、もっともっと上手に、速くなりたいです」。
超特選蒲鉾「鹿の子」の板付けは、4つの工程に別れ、工程をおうごとに難しくなります。
工程1) 板にすり身をのせる「引き起こし」
工程2) かまぼこの形に整える「中掛け」
工程3) 紅と緑に塗り分ける「色掛け」
工程4) 下の色が透ける厚さで白いすり身を掛ける「霞掛け」
職人曰く
「紅と緑にぬりわける『色掛け』は蒸す前の柔らかいすり身を、まっすぐにぬりわけるのが腕の見せどころ。また『霞掛け』では均一なぬりが仕上がりの肝。厚すぎると下の紅と緑の色が見えず、薄すぎると鹿の子柄の彫りの角が美しく立ち上がりません。『霞掛け』まで完璧に出来るようになるには20年はかかります」。
日本の伝統柄、鹿の子は古来より祝いのしるし。日本の受け継がれし伝統の技と日本の伝統柄から生み出された逸品、超特選蒲鉾「鹿の子」。
超特選蒲鉾「鹿の子」は、それ1本でも、お祝いの膳を華やかにいたします。
召し上がる方へ想いが伝わりますように。お正月のお祝いに、特別な日のお祝いに是非どうぞ。