還暦は人生の節目であり、ここから「第2の人生」が始まるとも言えます。身近に還暦を迎える人がいて、日頃お世話になっている感謝の気持ちを伝えたいと思っても、「なにを贈ってよいかわからない」「贈り物のマナーがわからない」という方も多いと思います。
この記事では、夫の両親、兄弟姉妹、または上司や恩師など、還暦を迎える方への贈り物を選ぶ際の注意点から、楽しい還暦の祝い方までを詳しく解説しています。素敵な贈り物を選び、喜んでもらえる還暦のお祝いをしてあげましょう。
還暦は人生の節目であり、ここから「第2の人生」が始まるとも言えます。身近に還暦を迎える人がいて、日頃お世話になっている感謝の気持ちを伝えたいと思っても、「なにを贈ってよいかわからない」「贈り物のマナーがわからない」という方も多いと思います。
この記事では、夫の両親、兄弟姉妹、または上司や恩師など、還暦を迎える方への贈り物を選ぶ際の注意点から、楽しい還暦の祝い方までを詳しく解説しています。素敵な贈り物を選び、喜んでもらえる還暦のお祝いをしてあげましょう。
「還暦祝い」とは、現在では、満60歳のお誕生日に行なうお祝いを示しています。
本来還暦は、暦が一巡して最初に還ってくることを意味しています。干支(えと)は十干十二支(じっかんじゅうにし)ともいわれ、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」からなる十干(じっかん)と、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」からなる十二支(じゅうにし)が組み合わされ、60種類あります。
例えば、甲子の年に生まれた人は、乙丑・丙寅・・・などと干支が一巡し、60歳になった時に生まれた年の暦(甲子)を再度迎えます。昔は、60歳は大変な長生きであったため、数えで60歳を迎えた正月にその長寿を喜び「還暦祝い」を行っていました。現在では、先述したように、お誕生日にお祝いをする人がほとんどです。
「還暦祝い」の日には、赤いちゃんちゃんこなど赤い物を身につけるいう慣わしがあります。「赤」は古くから縁起のよい色とされ、身につける事で厄除けの効果があるとされています。日本では昔から厄除けのため、赤ちゃんにも赤い産着(うぶぎ)を着せる慣習があります。60歳で干支が一巡し、赤ちゃんに還るという意味も含め、還暦祝いで赤い物を身につけるようです。
還暦祝いの贈り物は、対象者(父母・兄弟姉妹・上司・恩師)によって贈り物の相場が変わってきます。
両親(義両親)への贈り物の相場は1万~5万円程度で、平均すると3万円が目安となります。兄弟で予算を出し合う場合や贈り物のほかに食事会を行うケースもあるため、幅のある予算となっています。
兄弟姉妹に対しては、1万円以内が相場です。兄弟姉妹は、喜びの気持ちを伝える程度になることが多いです。本人が希望する物を贈ったり、一緒に食事をしたりする場合が多いです。
上司・恩師へのお祝いの相場は5千〜2万円で、平均すると1万円が目安となります。あまり高額な贈り物をすると、かえって気を遣わせてしまうこともあるため注意が必要です。大きな恩があり、どうしても高価な贈り物をしたい場合や、同僚と一緒または会社や部署として贈り物ををする場合は、3万円くらいが相場となります。
還暦祝いの相場を対象者別に表にまとめましたので参考にしてみてください。
対象者 |
相場 |
おすすめしたい贈り物 |
父母 |
1〜5万円 |
旅行や食事会、赤を取り入れた身につけるものなど |
兄弟姉妹 |
1万円以内 |
趣味関連の贈り物や本人の希望するものなど |
上司・恩師 |
5千〜2万円 |
興味関心にあわせたものや食事、お花など |
喜んでもらえる贈り物はなんでしょうか?ここでは、「母」「父」「兄弟姉妹」「上司・恩師」別に選び方を紹介します。
■母への贈り物
母(義母)への贈り物は、日常的に利用できるものが喜ばれます。活動的な方なら、旅行を贈るのもよいでしょう。
選ぶポイント
赤いちゃんちゃんこを贈ることはなくなりましたが、赤を取り入れたファッション関連のアイテムは人気です。赤にこだわる必要はなく、母(義母)の趣味や趣向にあわせて選ぶことをおすすめします。
おすすめの贈り物
アクセサリーやバッグ、ストールなど好みに合わせたファッションアイテムは日常的に使え、喜ばれることが多いです。家族で楽しめる食べ物やお酒、またご本人の趣味に関連する品物なども喜ばれます。趣味や嗜好が分からない場合は、赤い薔薇などの花束で還暦祝いの気持ちを伝えるのもよいでしょう。
■父ヘの贈り物
父(義父)への贈り物は、趣味に関連するものや普段使いできるものが喜ばれます。旅行などもよいでしょう。
選ぶポイント
現代では、60歳といえばまだまだ現役で働いている方もいます。還暦で老け込むような時代ではないため、老人扱いするような贈り物を嫌がる人もいます。年齢を気にせず、お祝いの気持ちをこめた、父(義父)の好みのものを贈ることをおすすめします。
おすすめの贈り物
釣りや登山などのアウトドアやゴルフなど、趣味に関連するグッズなどが最適です。特に趣味がない場合は、カジュアルな洋服や財布などの小物が喜ばれます。旅行券や高級食品、酒類などもおすすめです。
■兄弟姉妹ヘの贈り物
兄弟の場合は、順に還暦を迎えることから、お祝いのやり取りは少額におさえようといった傾向があり、食事のみの場合が多いです。何かを贈るのであれば、やはり趣味のものか日常使うものなどがよいでしょう、素直におめでとうの気持ちを伝えることが大事です。
選ぶポイント
退職祝いや家族からの贈り物など、時期的に同じような贈り物が重なってしまう場合もあります。事前に本人に何が欲しいか聞けるのであれば、希望するものを贈ってあげるのがよいでしょう。還暦だからといって高価な贈り物や大げさなお祝いをすると、逆に気を遣わせてしまうかもしれません。あまりかしこまることなく、普段の関係にあわせて贈り物を選びましょう。
おすすめの贈り物
趣味に関連する贈り物をするか、又は、一緒にお祝いの食事をするなどで、おめでとうの気持ちを伝えましょう。値が張る品物よりも、気持ちを伝えることが大事です。
■上司・恩師への贈り物
会社の上司や、学生時代にお世話になった恩師への贈り物は、値がはるものではなく、記念になるものがよいでしょう。上司・恩師の還暦祝いはイベント的な要素が多く含まれるので、心に残るお祝い会などを企画してあげれば喜んでもらえるでしょう。
選ぶポイント
同じ部署の人・同窓生などで費用を出し合って祝えるなら、お祝いの会を開いて花束・寄せ書きなどを贈ると、とても喜んでもらえることでしょう。個人で贈る場合は、あまり高価な品物だと、上司・恩師に気を遣わせてしまうかもしれないので気をつけましょう。上司・恩師の還暦祝いは、家族への還暦祝いとは異なり、退職されるなど人生の区切りとなることもあります。失礼のないようにしっかりと配慮することが大切です。
おすすめの贈り物
記念品として残せるような品物を贈りましょう。上司・恩師の生まれた60年前のお酒、名入れグッズ(趣味のもの・嗜好品など)と合わせて、寄せ書き・花束を添えてあげると非常に喜ばれます。
還暦祝いの贈り物をする際に注意するべきポイントを4つ紹介します。
■贈らない方がよい物がある
還暦祝いに贈らない方がよい物があります。相手に不快な思いをさせる可能性のある物は避けましょう。以下に贈らない方がよい物をいくつかあげて説明します。
老いを感じさせる物
老いを感じさせる物を贈るのはやめましょう。最近では「還暦」という言葉が、そもそも「老い」を感じさせる風潮があります。「還暦祝い」という言葉に拒否反応を示す人も少なくありません。還暦だからといって、年寄り向けの贈り物をするのは控えましょう。
赤をイメージさせる贈り物も、人によっては不快に感じる場合があります。赤い花束からは「愛情・まごころ」が感じられるのでよいですが、「赤い帽子・ちゃんちゃんこ」などはその人となりを考慮して選ぶ方が無難です。
死・苦を連想させる物
死・苦を連想させるものを贈るのはやめましょう。若く元気に見えても、死・苦などの言葉には過敏になっている人も少なくありません。
死・苦を連想させるので「4」「9」などの数字も避けましょう。「櫛(くし)」「椿の花」なども絶対に贈らないようにしましょう。「櫛(くし)」には「苦」「死」両方の音が入っており、「椿の花」は首から落ちるため昔から不吉な花とされています。
時計・鞄・靴下・お茶など
時計・鞄・靴下・お茶などは避けましょう。時計・鞄には、「仕事・働く・勤勉」といったイメージがあり、「まだまだ働け」と言われていると受け取られる恐れがあります。旅行バッグ・リュックなどなら、「今後の人生を楽しんで」といったメッセージにもなり喜ばれるでしょう。
靴下は「足で踏みつけている」イメージがあるので避けた方がよいです。お茶も、お葬式の香典返しでよく使われるので、やめておきましょう。
■できるだけ手渡しをしましょう
還暦祝いの贈物は、できるだけ本人に手渡ししましょう。遠方に住んでいる方に贈る場合には、手渡しすることは難しいので宅配でも大丈夫です。しかし、会える距離に住んでいる場合、誕生日当日か、直前の土日などを利用して手渡せば、喜ぶ顔を見ることができて贈る側も幸せな気分になれます。
■遠方の場合は、誕生日までに届けましょう
遠方に住んでいる方に還暦祝いの贈り物をする際は、宅配で贈ることも可能ですが、誕生日までに届くようにしましょう。また、配送を依頼したら終わりというのもよくありません。誕生日当日や届くタイミングで、電話をかけお祝いの言葉を伝えてあげるなどの配慮は必要です。
■メッセージを添えましょう
還暦祝いの贈り物には必ずメッセージを添えましょう。一言でもよいのでメッセージを添えてあげると、もらった側は大変嬉しいものです。特に、手渡しではなく、宅配にした場合には、必ずメッセージを添えましょう。
還暦祝いの贈り物を渡す際の演出として、楽しい祝い方を紹介します。家族そろってできる素敵なお祝いを企画してあげましょう。
■家族旅行をしてお祝いする場合
主に、ご両親に向けての企画となりますが、家族で旅行をして、みんなでお祝いをしてあげましょう。ご両親が還暦を迎える頃には、孫・子など家族もふえていることが多いです。ご両親だけに旅行を贈るのもよいですが、家族全員での旅行を企画し、その場でお祝いをしてあげます。全員が集まる機会が少ない場合にはとても喜ばれます。
家族全員での旅行となると結構費用はかさみますので、さらに贈り物をする際は、低価格で小さめの物でかまいません。きっとよい思い出になることでしょう。
■食事会を開催してお祝いする場合
ご両親・兄弟姉妹のためのお祝いの場合は、ご両親の自宅、またはレストランなどで食事会を企画するとよいでしょう。上司・恩師の場合もレストランでのお食事会はおすすめです。食事の相場は5千~1万円くらいで、食事会を開いた際の贈り物は、その相場から食事代を差し引いた額となります。花束や消耗品など、やはりかさばらないものがよいでしょう。
還暦祝いの由来から、還暦祝いの贈り物の相場・選び方・注意点、お祝いの方法などを紹介してきました。還暦祝いの贈り物を選ぶことは楽しいですが、喜んで欲しいという気持ちが強ければ強いほど難しいものでもあります。
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