パリッと香ばしい皮目と、ぎゅっと凝縮した魚の旨味。
焼き立ての干物の表面のような味わいを再現したいと、3年もの年月をかけて生み出された「百年ちくわ」。竹輪のためにつくった魚のすり身に上質なサバと煮干の出汁を加えることで、焼き目にお魚の天然アミノ酸の旨味がぎゅっと凝縮されています。
今回は、「百年ちくわ」をわさび酒粕漬けで簡単アレンジ。ちくわにわさび漬けをしっかり絡ませているので、口に入れた途端に香りと旨味がふわっと広がります。
鈴廣の「わさび漬け」はわさびの茎を粗めに刻んで灘吟醸の酒粕に漬けて作っており、シャキシャキ食感とお酒の香りがたまりません。本レシピでは少しだけしょうゆを加えることで、わさび漬けがちくわにからみやすくしています。
・百年ちくわ 2本
・わさび漬け 大さじ2
・かいわれ大根 適量
・醤油 小さじ1〜2
① 百年ちくわを10mmくらいの幅で輪切りにする
② そこにわさび漬け、醤油を加え、よく混ぜる
③ お皿に盛り付けカイワレ大根を添えたら、完成
「百年ちくわ」のぱりっとした厚めの皮を作るために、職人が丁寧に焼きの工程を見守ります。時間をかけて焼きすぎると固くなってしまうため、強めの火力でさっと焼き上げるのがポイントです。とはいえ、生地は強火にかけるとあっという間に焦げたり膨らんだりしてしまうので、わずかな生地の変化に合わせて、オーブンの蓋を開けたり閉めたりしながら細かな温度調節をしています。
ちくわの肉厚な弾力と香ばしい皮目を楽しんでいただきたいので、「ちくわのわさび漬け和え」をお口に運ぶときは、一切れとは言わず何切れもいっぺんにどうぞ。豪快に召し上がってください。
今回は箱根ビール「小田原エール」と合わせました。仕込み水の箱根富士丹沢山系の伏流水はビールのえぐみとなる鉄分を含まず、きれいな味わいに。「小田原エール」はカラメル麦芽を使うことで芳醇な香りと深い旨味があり、百年ちくわの香ばしさやわさび漬けの酒粕とぴったりです。
Photos by Hiyori Ikai, Recipe by Hirozumi Ogawa, Written by Kaeko Liff