板わさを酒の肴に一杯。伝統の板わさから新感覚の板わさまで。 店主が腕を振るった「鈴廣のかまぼこを使ったお料理」をお楽しみくださいませ。
※コロナ禍により営業時間が変更になっている場合がございます。
板わさを酒の肴に一杯。伝統の板わさから新感覚の板わさまで。 店主が腕を振るった「鈴廣のかまぼこを使ったお料理」をお楽しみくださいませ。
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一流旅館かと見間違うほどの立派な店構え。「更科」と書かれた看板と、迫力のある大きな提灯。風格ある佇まいに、思わず戸を引く手に力が入る。明治2年から創業150年以上になるこの店は、江戸時代に大名家へ献上する蕎麦をつくっていたという、名門中の名門である。店内に足を踏み入れると、趣のあるインテリアがずらりと並び、どこか懐かしさをおぼえるノスタルジックな雰囲気が漂っている。若旦那のおすすめは、『冷やししょうが天ぷらそば』(税込1,200円)。サクッと衣を噛むと、中からしょうがの辛みと旨みが滲み出る。天ぷらをかじった後に、更科の特徴でもある白い蕎麦を、つゆを通して一気にズズッと頬張る。歯ごたえのある蕎麦を噛む度、蕎麦の実本来の甘みとともに、しょうが独特の香りが、口のなかを駆け巡る。三角に切りそろえて載せられたお揚げがまだ絶品で、程よい甘さがしょうがの辛みと良く合う。一度食べたら、また必ず食べたくなり、癖になってしまうような、神田錦町更科の名物だ。
神田錦町 更科
住所 :東京都千代田区神田錦町3-14F
営業時間:平日11:00~14:30/17:00~20:15(LO19:45)
土曜11:00~14:30(LO14:00)
※蕎麦売り切れの場合は早仕舞いの可能性有り。 定休日 :日曜・祝日
高層ビルに囲まれた裏路地に、突如開けた場所が現れる。東京のど真ん中とは思えない敷地に昂然と佇む店構えは、まるでタイムスリップしたかのようだ。江戸末期の流れをくみ、創業140年もの歴史がある格式高い老舗である。手入れされた植木に囲まれた小路を通り、店の中へ入ると、女将の美しい掛け声が響く。これは”帳場の通し言葉”や”符丁”と言われるもの。この通し言葉は、本来、調理場に注文を伝えるためのものだが、三代目の女将が、効率化のためのレジと一本化させた。それがお客様にも聴こえるようになり、今やこの店の名物となった。若旦那のおすすめは『天ぷらそば』(税込1,925円)。天ぷらには、江戸の食には欠かせない「芝海老」を使っている。芝海老は今では高級品となったが、江戸の味を再現するために食材にもこだわっている。ここでしか味わうことのできない、唯一無二のかき揚げだ。こだわり抜かれた風味豊かな蕎麦を、つゆに通して気持ちよく一気に啜る。目で、耳で、鼻で、そして舌で味わう極上のひと時を、神田でお過ごしいただきたい。 ※帳場・・・勘定をする、現代のレジのこと。 ※符丁・・・売買の場などで使われる、同業者内のみに通用する独特な言葉のこと。
亀鶴庵
住所 :東京都神田淡路町2-10F
営業時間:平日11:30~20:30(LO20:00)
土曜16:30~22:00(LO)
定休日 :水曜日
淡路町駅から靖国通りを岩本町方面に向かって歩くと、出汁のいい香りが漂ってくる。無機質なコンクリートに囲まれた風景の中で一際目をひく、黒い瓦が印象的な2階建ての風情ある建物。香りに誘われ店内に入ると、トントンと蕎麦を切る、小気味良い音が響き渡る。職人さんが蕎麦を打つ”打つ場”がガラス張りになっている。高い技術を要する蕎麦打ちを、お客様に堂々と見せると言うのは、自信がなくては出来ない芸当である。創業の明治17年から、職人の技を途絶えることなく引き継いでいるのは、老舗という肩書きに奢ることなく、日々尽力を怠らない賜物だ。そんな店の人気メニューは、シンプルだからこそ、素材の良さが最大限に生かされ、蕎麦の質の高さが分かる一品、『ごまそば』(税込935円)である。盛りそばと同じつゆをベースに、白ごまを練りこんでおり、蕎麦をつけて啜ると、蕎麦とごまの香り高さが口いっぱいに広がる。障子越しの暖かな陽が煌めく店内で、江戸の味を現代まで守りつづけて来た職人の腕と、代々の店主の熱い情熱に思いを馳せていただく蕎麦は筆舌に尽くしがい味だ。
神田まつや
住所 :東京都千代田区神田須田町1-13F
営業時間:平日11:00~20:30(LO20:00)
土祝11:00~19:30(LO19:00)
定休日 :日曜
神田駅西口からすぐ、提灯と三角屋根が特徴的な”西口商店街”と書かれたアーチが目に入る。スーツを着た人々と、買い物中の地域住民が多く行き交う商店街の一角にある、「神田丸屋」。神田一と謳われる”西口商店街”の活気を担う、人情味溢れる昔ながらの店だ。店内は行灯を彷彿とさせるような暖かい灯りに包まれており、その光が、黒塗りの板の迫力あるお品書きを照らし出し、さらに風情を増している。おすすめは、”焼き餅”を、うどんの上に載せた『力うどん』(税込780円)。餅は、地元老舗和菓子屋さんに特別にお願いし、仕入れているものを、注文が入ってから網で焼く。こんがりと焦げ目がつき、口に入れた瞬間、香ばしさが広がる。外側はサクッとした軽い食感、中はとても伸びが良く、焼き餅の常識を覆すほど、溶けるように柔らかい。店内で打つ自家製のうどんも、絶妙な歯応えで、ツルッと気持ちよく啜ることができる。一見量感のあるメニューに見えるが、女性でもぺろりと食べてしまう。餅も、うどんも妥協しない、どちらも一級品の贅沢な一品だ。
神田丸屋
住所 :東京都千代田区内神田2-9-10
営業時間:平日11:00~15:00/17:00~21:00
定休日 :土曜・日曜・祝日
暖簾をくぐってすぐ右手に、蕎麦粉を挽くための”製粉機”がどっしりと構え、訪れるお客様を迎え入れる。屋号の「浅野」は、開店当時の大家が赤穂浪士で有名な赤穂浅野屋出入りの大工であったことが由来。創業明治5年からの歴史があり、入口の製粉機もこの店の歴史を見届けてきた”証人”なのであろうか。おすすめの『鴨南ばん』(税込1,500円)は、肉を噛むと鴨独特の旨みがジュワーっと溢れだし、サバと宗田鰹をブレンドした出汁と合わさり、とてもコクのある味わいに。また他の店の鴨南ばんではあまり見ることのない、「鶏つくね」がまた格別に美味しい。鶏挽肉のみではなく、鴨との合挽でつくる自家製だそうだ。旨みが凝縮されたつゆは、思わず飲み干してしまう一杯だ。11月中旬から3月いっぱいまで楽しむことができる。「時代に合わせ。新しいことに挑戦していく意欲も、もちろん重要だが、変わらずに貫くということも大切だ」と語る旦那。移り行く時代の中でも、現在の四代目まで、ひたむきに伝統の味を守り続けている。
浅野屋本店
住所 :東京都千代田区内神田2-7-9 浅野屋ビル1F
営業時間:平日11:00~14:30/17:00~21:00
土曜16:30~22:00(LO)
定休日 :土曜・日曜・祝日