お正月にかかせない紅白のかまぼこ。
新年への願いを込めた一本を、かまぼこ職人たちが精魂込めて作っております。
紅白かまぼこにはどのような願いが込められているのか、本コラムでは紅白かまぼことおせち料理の関係について、ご紹介いたします。
お正月にかかせない紅白のかまぼこ。
新年への願いを込めた一本を、かまぼこ職人たちが精魂込めて作っております。
紅白かまぼこにはどのような願いが込められているのか、本コラムでは紅白かまぼことおせち料理の関係について、ご紹介いたします。
かまぼこの断面が、新しい門出にふさわしい「日の出」の形をしているからなのです。
「日の出に形が似ている蒲鉾を頂く」
→
「初日の出をいただく」
→
「なんとめでたいことでしょう。」
かまぼこを初日の出に見立てていたのです。そんな発想をする日本人っておしゃれですね。
そもそもおせち料理は、1年の実りをもたらしてくださる年神様(としがみさま)へのお供え物。
そのため、日本で収穫することのできる山の幸や海の幸を、お重につめるのです。
かまぼこは、5〜6匹もの魚から作られる海の恵み。
海に囲まれた日本人が、海の幸をたくさん使ってできた蒲鉾をお節につめて、昨年の感謝と今年の実りを祈願しているのです。
かまぼこは日本の祝いの席の定番料理でした。
海の幸を存分につかったかまぼこ。
上流階級の高級料理として、1000年近く前の平安時代から、日本の祝いの席で食されてきました。
1115年に初めて文献に登場し、その後も、足利義氏、豊臣秀頼などに愛されてきました。そして、一般にも拡がり、結婚式やお正月などの祝いのときに出される“晴れ”の食材として浸透していったのです。
そんな祝いの席にぴったりな食材ですが、鈴廣にはお正月のためだけに作るかまぼこがあります。
一握りの職人だけが作ることを許された、限定300本の超特選蒲鉾『一(はじめ)』という商品があります。今年も大変ありがたいことに完売いたしました。感謝感謝。かまぼこづくりの国家資格を得た職人たちが、1本の『一』を通常のかまぼこの30倍以上の時間をかけて作り上げます。
50年近くかまぼこづくりを続けてきた職人も『一』を作る日は緊張した面持ちで工房に入ってきます。朝起きたら、水行(冷水をかぶること)をして心身を清めてから、工房に向かうという職人も・・・。
職人はこう言います。
「『一』の仕上がりに納得がいかなければ、一年を終えた気になれません。魚をひらいたときに良い魚とみえても、蒸したかまぼこを冷却してみるまで出来はわかりません。魚の持ち味を引き出せるか、それが我々にかかっております」
『一』 づくりは毎年年末にしております。よろしければ箱根にお越しになる際にでも、
職人の工房にいらしてください。職人を応援していただければ幸いです。
いかがでしたか。
長年日本人にめでたい時の料理として食べられてきた、かまぼこ。
海の幸への感謝と、新しい一年への願いが込められていたんですね。
お正月をもっと楽しくできるアイデアをご紹介しています。
是非、お楽しみに!