こんがり香ばしい皮目と、シコシコと弾力の強いすり身、そして噛みしめるたびに口いっぱいにあふれる濃厚な魚の旨み……。かまぼこは千年以上昔から魚肉を木の棒につけて火で炙り食べられていたといわれています。そんな当時の日本人のようにがぶりと魚の力強さを味わっていただきたいとつくられたのが「焼きぼこ」です。
お酒との相性も抜群。個包装になっているので、行楽のお伴にして外で豪快にかぶりついていただきたい一品です。
こんがり香ばしい皮目と、シコシコと弾力の強いすり身、そして噛みしめるたびに口いっぱいにあふれる濃厚な魚の旨み……。かまぼこは千年以上昔から魚肉を木の棒につけて火で炙り食べられていたといわれています。そんな当時の日本人のようにがぶりと魚の力強さを味わっていただきたいとつくられたのが「焼きぼこ」です。
お酒との相性も抜群。個包装になっているので、行楽のお伴にして外で豪快にかぶりついていただきたい一品です。
丸々と形づくられたすり身に2本の串を通し、こんがりと焼き目をつけた姿に野趣を感じる「焼きぼこ」。ちくわに似た雰囲気ですが、形状だけでなく、材料も製法も異なります。
「焼きぼこ」に使うすり身には、旨みや弾力の強い魚を数種類ブレンド。魚本来の味わいと食感を残すため、このすり身をわざと粗さを残して擂り上げるのがポイントです。粗さを残す短い擂り時間で理想の柔らかさに仕上げるためには、その日の魚の状態や気温などを加味しながら、魚種の配合や水や塩の加減を細かに調整しなくてはいけません。
さらにこのすり身に、隠し味としてブランデーを少々。鈴廣の「百年ちくわ」には、出汁をすり身に混ぜ込むことで、和の食材らしい上品な旨みを出していますが、「焼きぼこ」にはブランデーを混ぜ込むことで、ちくわとは趣の異なる、ワイルドで力強い美味しさを際立たせました。
こうしてできたすり身を、焼きの工程へ。
「焼きぼこ」は、蒸したり茹でたりせずに、焼き上げるだけで仕上げます。余分な水分が早く抜けることで旨味がぎゅっと凝縮し、香ばしく厚めに焼いた皮目が味わいを閉じ込めます。芯まで火を通しつつ、焦げることなくこんがり香ばしい厚めの焼き目をつけるために、その日のすり身の状態を見ながら0.1℃単位で調節します。
「焼きぼこ」とちくわの一番の違いは、その形。ぽってりと厚みのあるこの形は、シンプルに見えますが実は計算しつくされたもの。かぶりついた時に適度な弾力が感じられる厚みがありながらも、さらにじっくりと噛みしめたくなるような心地よさが必要です。薄くても分厚すぎてもいけません。ちょうどよい塩梅だからこそ、魚の旨みをじっくりと堪能できるのです。
穴の空いたちくわとはまた異なる「焼きぼこ」の独特な食感は、一度食べたらやみつきになる人も少なくありません。
「焼きぼこ」は、2本の串を持って豪快にかぶりつくのが正しい食べ方。
冷やして食べればぎゅっと詰まった魚の旨みを存分に味わえますし、フライパンやトースターで少し炙れば焼きたての美味しさ。香りが引き立ち、香ばしい皮目とぷっくりとしたすり身の食感の変化も楽しめます。個包装になっていて、一つひとつにずっしりボリュームがあるので、オフィスなどで配るおみやげとしても喜ばれそう。
古代の人々が焚火で焼いたかまぼこを楽しんだように、是非お外でも召し上がっていただきたいです。青空の下、そよぐ風を感じながら、口に広がる野趣あふれる古典的な美味しさをお楽しみください。
Photography by Hiyori Ikai, Written by Tomoyo Tsuchiya