鈴廣の代表作を詰め合わせたのが「ちどり」です。板かまぼこの「謹上蒲鉾(紅白)」と「伊達巻」は私どもの顔。日本全国おいしいかまぼこや伊達巻がたくさんありますが、鈴廣らしさをお分かりいただける品と存じます。
原かまぼこの代表的な材料はグチと呼ばれる白身魚です。しなやかな弾力と白くつややかな肉色、豊かな味と香りを兼ね備えた、かまぼこづくりにこれ以上ないほど最適な魚です。
「謹上蒲鉾」のプリッとしなやかな歯ごたえと弾力は、鈴廣かまぼこの特徴をよく表現している一本です。謹上蒲鉾の主な原料はグチ類の中でも弾力がしなやかな旬のものを使います。ここに季節に応じてタラ、イサキ、タイ類をブレンド。でんぷん粉を使用せず、お魚本来の弾力や旨味を引きだしています。
謹上蒲鉾の食感を味わうには12㎜に分厚く切って、まずはそのまま。オリーブオイルをかけると弾力を感じやすくなるのでおすすめです。
鈴廣の「伊達巻」もまた、一般的な伊達巻とは違う印象を受けるかと思います。
特筆すべきは、驚くほどの魚のしっかりとした旨みが感じられることです。濃厚な卵のコクにも負けないよう、旨みの強いグチ類を選りすぐり、ブレンドしています。
体に染みわたる奥深い甘さを出すために、砂糖だけでなく、麹が生み出す上品な甘みが特徴の本みりんをたっぷり使用。また、卵には有名玉子焼専門店でも使われるブランド卵「都路のたまご」を採用しています。マリーゴールドを含む上質な餌を食べて育った鶏の黄身の濃い卵を使用することで、濃厚な味わいと鮮やかな黄色を際立たせました。
鈴廣のかまぼこづくりの真ん中に「魚のいのちをいただき、人のいのちにうつしかえる」という考え方がございます。
化学的に合成された添加物を使わずに、魚から弾力と旨味を引き出していく。素材のよさを隠さぬように、魚醤やみりんなどの天然の発酵調味料で味付けをする。
魚と向き合ってきた鈴廣の味、是非「ちどり」でご確認ください。
Written by Kaeko Liff