鈴廣営業マン古谷が行く! 名店の「蕎麦前」をたずねて vol.1 蕎麦 石はら 世田谷本店

江戸から続く、おそば屋さんの粋なたのしみ方「蕎麦前(そばまえ)」。おそばが出てくる前に、日本酒とともにおつまみをいただく文化です。このシリーズでは、蕎麦前マイスターを目指す鈴廣営業マンの古谷(ふるや)が、各エリアのおそば屋さんを訪問。蕎麦前を究めるべく、名店の逸品を食べ歩いてレポートします。第1回は、地元のみなさんが足繁く通う「蕎麦 石はら 世田谷本店」(東京都世田谷区)をご紹介します。

<店舗紹介>「楽しく 明るく 元気よく」 をモットーに、地域密着

都内に4つの支店を持つ「蕎麦 石はら」。世田谷で創業して20年以上、地元の皆さんに愛され続けている名店の秘密に迫ります。

営業マン古谷 まず、お店の特徴について教えてください。

店長 菊池拓さん  当店のモットーは、「楽しく 明るく 元気よく」。そばは本来、とても身体にいいものです。お客さまには、当店でおいしいそばを食べて笑顔になって、そして健康になっていただきたいんです。目指しているのは、毎日食べても飽きないそば。お客さまの喜ぶ顔を想像しながら、日々厨房に立っています。

古谷 だからこそ、地元の方にも長く愛されているのですね。

菊池さん ここ世田谷は、代表・石原の地元です。地域に貢献したいという思いも大きく、どなたにも来ていただける店でありたいと考えています。お若い方、家族連れ、お年寄り、みなさんのニーズに応えられるよう、豊富なメニューを用意してお待ちしています。

<板わさとお酒>ふわりと香る純米酒を、鈴廣の板わさとたのしむ

古谷 蕎麦前と言えばまず「板わさ」ですが、鈴廣を選んでいる理由を教えてください。

菊池さん シンプルにおいしいということですね。いろいろなメーカーのかまぼこを食べましたが、鈴廣は食感がしっかりしていて、お客さまからも定評があります。そして、お酒の味を邪魔しないし、かといって負けることがない。鈴廣のかまぼこは、お酒にちょうどいいアテだと思います。

古谷 ありがとうございます。おすすめの日本酒はありますか?

菊池さん 当店オリジナルの「石はら 無濾過純米」ですね。福島・喜多方の酒蔵で醸造している、爽快で力強い味わいのお酒です。「燗酒コンテスト」で金賞を授与されたこともあるんですよ。冷やでも飲みやすく、蕎麦前にもぴったり。300ml瓶で提供するので、開けたての香りを楽しんでください。

古谷 おいしい!本当に華やかな香りですね。ほどよく甘さもあって、料理を引き立ててくれます。

<蕎麦前>風味豊かな「だしまき玉子」と旬を味わう「山菜天ぷら」

古谷 人気の「蕎麦前」のひとつは、だしまき玉子ですね。ダシのやさしい風味が際立っています。

菊池さん だしまき玉子には、おそばと同じダシを使っています。このダシに合う卵を選ぶのには苦労しました。いくつもの養鶏場から、だしまきに適した、白身に弾力がある卵を厳選。自信を持ってお客さまに提供しています。お土産として、テイクアウトされるお客さまも多いですね。

古谷 山菜天ぷらは、とてもサクサクした口当たりですね。

菊池さん 天ぷらの下粉(打ち粉)には、そば粉を使っています。そして、クセのない綿実油(めんじつゆ)で揚げることで、冷めてもクタッとしない天ぷらに仕上げているんです。素材は、市場で買いつけたり、山梨などの産地から新鮮なものを取り寄せています。春先なら、たらの芽、明日葉、うるい、こごみ、ふきのとうなど。素材の特徴が生きるように、丁寧に揚げています。

古谷 時間が経っても山菜の爽やかな香りが消えないのは、そうした工夫のおかげなんですね。ついついお酒も進んでしまいます。

<おそば>旨みと甘さがぎゅっと詰まった 鴨せいろで締める

古谷 締めのおそばは、鴨せいろをセレクトしていただきました。色白で香り豊かなおそばですね。

菊池さん 当店では、7種類の玄蕎麦を毎朝使う分だけ石臼で挽きます。一番粉を用い、栄養豊富な甘皮も適度に入れた十割そばで、そば本来の味をお楽しみいただいています。

古谷 つゆは、ゆずや山椒の香りが際立っていますね。鴨肉はふっくらしていて、旨みを感じます。脂身も甘みがあっておいしいです!

菊池さん つゆには、鴨せいろ用に取ったダシに、相性の良いゆず・山椒を加えています。鴨は、旨みが出やすい国産のもも肉を使用することで、味わいを引き立たせているんです。また、鴨の脂は不飽和脂肪酸を多く含み、さらっとしているのが特徴。脂身も含めて味わってほしいですね。

蕎麦前を気楽に楽しんで、おそば屋さんを満喫!

蕎麦前をじっくり味わいながら過ごすひととき―。料理はもちろん、ゆっくり流れる時間やお店ごとに違う空間なども、五感を使って贅沢に楽しめます。

蕎麦前は、ふだんは長居しないおそば屋さんでの時間をより豊かにしてくれる素敵な文化。いつでも、だれでも、手軽に体験できます。このインタビューを読んで少しでも興味をお持ちなら、ぜひお店に足をお運びください。

Photography ・Written BY Fumichika Sato

■今回いただいたメニュー
板わさ(750円)
石はら 無濾過純米(300ml 1,100円)
だしまき玉子(820円)
山菜天ぷら(980円)
鴨せいろ(1,530円)

■店舗情報
蕎麦 石はら 世田谷本店
東京都世田谷区世田谷1-11-16(東急世田谷線 松陰神社前駅下車 徒歩5分)
https://ishihara-soba.com/
TEL  03-3429-6227

板わさをたのしむin世田谷区 Vol.1

世田谷区で鈴廣かまぼこの板わさが楽しめるお店をご紹介いたします。
板わさをたのしむin世田谷区はこちらから

参加店舗一覧はこちら

この記事を書いた人

古谷 直輝

これまで1000件以上の蕎麦屋を巡る自称「蕎麦前マイスター」
蕎麦好きが高じて蕎麦屋を好きなだけ訪問できる営業職に就く。
新たな地域開拓のためかまぼこを片手に携えて各地の名店に足を運んでいます。

こちらの記事もおすすめ

Categories