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日本の香り、柚子。
お椀物にちょこっと浮かべた柚子の香りをかぐだけで冬の心と体の緊張がすっとほぐれていきます。
12月22日は冬至です。日本では冬至に柚子湯にはいると「風邪をひかずに冬を越せる」といわれていますが、確かに柚子の香りに包まれたお風呂にはエネルギーを感じますね。
今日ご紹介するのは、かまぼこレシピや飾り切りを400品以上クックパッド等に紹介する“かまぼこママさん”の「かまぼこの柚子とオリーブオイルの和え物」です。 黄金色の柚子の器に入った一品は、冬至のみならず、お正月の一品にも映えそうです。
かまぼこママさんにとって、柚子の香りは亡きお母さまの香りでもあるそうです。今でも毎年、故郷の佐賀県から柚子を取り寄せて、お母さまの想い出の味を作るんだとか。
「母が秋は青柚子で、冬は黄柚子で、柚子胡椒をつくっていました。母のいる台所に柚子の香りがふんわりとたちこめて。まるで、柚子の霧がかかったようでした。今はもう母は生きてはいないけれど、柚子の料理を作るたびに、母に会えた気がするの。柚子の香りってパワフルよね」
故郷の農家さんから柚子の実りの知らせを聞くと、今年は柚子をどう料理しようかと色々と考えるかまぼこママさん。
「かまぼこに柚子胡椒をつけて召し上がる方は増えてきましたよね。でも、今回はおろし柚子とオリーブオイルだけ。柚子とかまぼこの素材のよさを一番楽しめるアレンジです」
オリーブオイルをいれることで、ゆずとかまぼこが上手にからみあって、かまぼこのプリッとして滑らかな弾力をより感じていただきやすくなります。
■今回使った商品
謹上蒲鉾(白)
■材料
柚子 1個
謹上かまぼこ 15mm角に切ったもの
オリーブオイル 適量 *苦味や香りが強すぎないもので新鮮なものがおすすめ
■作り方
①かまぼこを15㎜角に切る。
②柚子の上の部分を切り、中をくり抜く。底の部分の皮をおろし金ですりおろす。
(底の部分をおろすことで、柚子が器としても、すわりやすくなります)
③おろした柚子とかまぼことオリーブオイルを和える。
④食べる直前に、お好みで柚子の果汁をかけて召し上がっていただいても。
(果汁の酸でかまぼこの弾力が変わってしまうため、食べる直前にかけるのをおすすめします。)
柚子の香り、お好きな方も多いと思います。
私は仕事の帰り道、農家の方の直売所で小田原産の柚子を見つけました。
大きさは色々で、少しごつごつした元気のよい柚子たち。
夕飯にかまぼこママさんの「かまぼこの柚子とオリーブオイルの和えもの」を作って、お風呂には贅沢に5つ柚子を入れて、体を整えたいと思います。
佐賀県有田町にある有田焼の窯元の家に生まれ、美しい器に囲まれて育つ。
子供へのかまぼこ弁当を作り始めたのがきっかけで、かまぼこの飾り切りやレシピを考案。
現在はかまぼこアート、レセプションパーティ等でかまぼこピンチョスや前菜のテーブルコーディネートなども行う。江戸懐石近茶流師範、草月流いけばな師範、日本画家太田慧香氏に師事。
クックパッド:https://cookpad.com/kitchen/2784459
Instagram:https://www.instagram.com/kamabokomama/
photographs by Hiyori Ikai/ written by Kaeko Liff