人気スマホゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」は、全国各地にあるランドマークを訪れることで、特別なクエストを受注することができ、クリアすることで「おみやげ」と呼ばれるゲーム内でアイテムを手に入れることができます。
元々、小田原城を訪れると手に入る「小田原のかまぼこ」がゲームアプリ内で存在していましたが、それを見たお客様が、X(旧:Twitter)上で「小田原のおみやげに本物のかまぼこがあったらいいのにね・・・」というつぶやきをなさっているのを見つけました。そして、鈴廣かまぼこから、株式会社スクウェア・エニックス社へ「リアルおみやげプロジェクト」として、「スライムかまぼこ」を一緒につくれませんか?というご相談をさせていただいたことが、きっかけで、「スライムかまぼこ」が誕生するに至りました。
実際に開発がはじまると、製造現場の職人たちは、「スライム」の左右対称のいわば黄金比の形をつくる壁にぶつかりました。
特に、目や口の部分は、少しでもズレたり大きくなってしまうと、忠実なかたちでなくなってしまうため、失敗を繰り返しながら、何度も試作品をつくりました。
現代の機械化されたライン生産においても、かまぼこの最終的な出来を決めるのは「人」です。
国家資格を持つ職人(水産練り製品製造技能士)が、かまぼこ専用包丁を使い最終的な「スライムかまぼこ」の成型をしました。
かまぼこのかたちを成型するには、つくりたいかたちを元に口金と呼ばれる「金型」を準備します。
口金は一旦つくれば、それでおしまいという訳ではなく、その日のすり身状態に合わせた温度管理や成形の速度で、できあがるかまぼこの形が変わってくるため、その変化に注意しながら、口金をその都度調整し、理想なかたちを追い求めていきます。現在、「鈴廣かまぼこ」には、かまぼこづくりの国家資格である「水産練り製品製造技能士1級」が16人がおりますが、伝統的な製法から受け継がれた職人の技と経験により、この「スライムかまぼこ」のかたちが完成したのです。