鈴廣のかまぼこを主軸に、地元小田原の食材を活かした和食を30年以上に渡り作り続けてきた「千世倭樓」澤瀬文男料理長は、かまぼこ料理のスペシャリスト。かまぼこの魅力を上手に引き出し、普段の食卓でも楽しめるような寿司の簡単アレンジレシピを、澤瀬料理長に伺いました。
鈴廣のかまぼこを主軸に、地元小田原の食材を活かした和食を30年以上に渡り作り続けてきた「千世倭樓」澤瀬文男料理長は、かまぼこ料理のスペシャリスト。かまぼこの魅力を上手に引き出し、普段の食卓でも楽しめるような寿司の簡単アレンジレシピを、澤瀬料理長に伺いました。
料理人の目から見たかまぼこは、とても自由な素材です。すでに完成された食品でありながら、料理の素材としても使いやすい。まず、しっかりした弾力があるので、柔軟。薄く切ったり、細かく刻んだり、折ったり巻いたりねじったりと形を変えられます。また、蒸してある食材なのでそのままはもちろん、焼いたり揚げたりと活用の幅があります。
しかも、かまぼこ自体の味は淡白ですから、様々な食材との相性が抜群です。季節の地野菜と酸味をきかせてさっぱりと和えたり、ご飯に混ぜて味の幅を広げたり、ハーブやスパイスなど洋の食材と合わせてパンチを出したりと、和洋を問わず料理のアレンジは無限です。栄養面では、魚のタンパク質が摂れるため、バランスの良い献立が作りやすい。30年以上の長い付き合いになる食材ですが、実に優秀な、世界に誇れる食材だと感じています。
ピンクのかまぼこが華やかな酢飯を表側に出した、逆巻きの寿司。具は卵の黄色や蟹の身(かにかまでも)の赤を含め3種以上加えると、断面が華やかになります。
今回使用した商品:「特上蒲鉾」紅
「特上蒲鉾」は、生グチを石臼で摺りあげてすり身を作っているため、魚の風味豊かでしなやかな食感が特徴。お寿司に使うと、かまぼこの美味しさをしっかりと味わえる一品になります。
作り方
かまぼこのピンクの部分を切り出して細かく刻み、酢飯10に対し1割ほどを加えて混ぜ、ラップをしいた巻き簾に広げる。海苔をのせ、具に卵焼き、蟹の身、桜でんぶ、しいたけ、干瓢、三つ葉をのせ、逆巻きにする。
サーモンの赤とかまぼこの白を重ねて、おめでたい紅白の雰囲気を出した寿司。かまぼこは薄く切って、酢飯を包みやすくします。
今回使用した商品:「特上蒲鉾」白
作り方
酢飯を小さい四角に整え、長方形に切ったサーモンでくるみ、それより少し幅を狭く薄切りした白いかまぼこで重ねて包む。茹でた三つ葉できりりと結ぶ。
かまぼこに切り込みを入れ、ご飯を挟む簡単アレンジ。甘辛い味つけのご飯もかまぼこと相性良しです。
今回使用した商品:「特上蒲鉾」紅
作り方
甘辛く煮た干瓢やしいたけを酢飯と混ぜ合わせる。かまぼこを厚さ2センチ、形は四半円になるように切る。内側に切り込みをいれ、酢飯を挟み込む。ピンクのかまぼこを使えば、紅白のコントラストで華やかさが出る。
くるりとまいたズッキーニの緑といくらの赤がきいた、おもてなしにも映えるアレンジ。かまぼこはぜひ紅白で添えましょう。
今回使用した商品:「特上蒲鉾」紅・白
作り方
軽く茹でたズッキーニをごく薄く縦に切り、一口サイズに形を整えた酢飯にぐるりと巻く。わさびを載せていくらを盛り付け、花びらの形に型抜きした紅白のかまぼこを上にあしらう。
酢飯にオリーブオイルを加えた洋風手まり寿司。土台に紅白のかまぼこを交互に使うことで、さり気なく華やかさが出ます。
今回使用した商品:「特上蒲鉾」紅・白
作り方
酢飯にわさび、白炒りごま、オリーブオイルを加える。酢飯の半分にはマグロを細かく刻んで加え、残り半分は平目の昆布〆を載せ、手まり形にする。ピンクのかまぼこには平目、白のかまぼこにはマグロをのせ、イタリアンパセリをあしらう。
text by Saori Bada / photographs by Hiyori Ikai
この記事を書いた人
馬田草織
編集者・ポルトガル料理研究家。料理雑誌などで編集者・ライターとして活躍するかたわら、自宅でポルトガル料理教室を主宰。Web「cakes」にてお酒に合うポルトガル料理を紹介する「ポルトガル食堂」を連載中。
近著『ムイトボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)など著書多数。
http://badasaori.blogspot.com/