2021.04.09
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ひとり暮らしの高齢者は要注意!食の若者化リスク

「高齢者の若者化が進んでいる!?」

良い意味で”若返る”のであればいいのですが、どうやらひとり暮らしをしていると食生活の貧しい若者と同じになってしまっているようなのです。

ひとり暮らし高齢者の食の特徴は、「孤食」「メニューの偏り」「不規則化」
20代ひとり暮らしの若者に近い食の"若者化"の傾向
ひとり暮らしの高齢者の大多数がひとりで夕食を食べていた(孤食)。
また、家族と同居している高齢者と比較すると「食事回数」は少なく、「毎日同じようなものを食べる」
割合が家族と同居者の2倍と、"食"に対する関心の低さがうかがえた。「毎日同じようなものを食べる」回答の割合は20代ひとり暮らしとほぼ同じ多さだった(メニューの偏り)。
「食事の時間」もやや不規則な傾向が見られた(不規則化)。
出典:株式会社日本能率協会総合研究所「60歳~79歳の男女に聞く「食生活と食意識に関する調査」 
 

どうして”ひとり暮らしの高齢者”なのか?

同じひとり暮らしでも若者の場合は職場などで食べることが多くなりますが、現役引退していることが多い高齢者は、当然ひとりで食べることが多くなります。

また自炊するにしてもひとりでは食べきれない場合は、数日かけて同じメニューを食べ続けることになり、スーパーで食材をまとめ買いするなどは難しくなります。 さらに協調が求められる共同生活ではないので、食事時間のリズムが崩れやすく不規則な食生活につながってしまいます。

そんな時「好きなものを好きなときに好きなだけ、しかも近くていつでも開いている」店があったら!

そう、「コンビニエンスストア」です。

コンビニは高齢者にとっても欠かせない生活インフラとなっています。

それを裏付けるかのように、「コンビニは若者の店」という昔のイメージとは異なり、現在は高齢者の店としてその存在意義が変化してきています。30年前、わずか9%だった50歳以上の利用者が現在46%にも跳ね上がっているのです。

↑ セブン-イレブンにおける来客年齢階層比
 

リスクは?

では若者と独居老人が抱える栄養的なリスクはなんでしょうか。

上記の報告によると、「夫婦のみ」「子供家族と同居」「ひとり暮らし」の高齢者と、「20代独身ひとり暮らし」の不足していると感じる栄養を比較してみると、驚くほど似ていることがわかります。

 

不足を感じる栄養素はいろいろありますが、総じて体づくりの為のものが多いことがわかります。

  • 鉄分=血液のヘモグロビンの材料
  • カルシウム=骨の材料
  • 食物繊維=腸内環境を整える
  • たんぱく質=筋肉、肌、髪などの材料

このうち最も重要で深刻なのが「たんぱく質不足」です

たんぱく質を栄養として作られる筋肉は、寝起きや歩くといった基本動作の源です。筋肉不足によって足が上がらなくなると転倒・骨折に繋がります。また体温を生み出す器官でもあるので低体温や冷え性などの要因にもなっています。

またカルシウムともに骨を作る際にも欠かせないので、まさに体を支える栄養素なのです。

もしたんぱく質が不足すれば、病気を治すどころか健康を維持するにも難しくしてしまっているかもしれません。

シーン別 簡単なたんぱく質の摂り方いろいろ

朝食におすすめのタンパク質豊富な献立

忙しい朝は、冷蔵庫から出してそのまま食べられるものがオススメです。どんなに忙しくても、「パンとコーヒーだけ」「ごはんをふりかけで」など単品食にならないよう心がけてください。余裕のある日曜日などにおかずをまとめて作っておくとよいでしょう。

ごはん食=かまぼこ(魚肉)、ちくわ(魚肉)、みそ汁(大豆)、納豆(大豆)、豆腐(大豆)、干物(魚肉)、小魚の佃煮(魚肉)、煮豆(大豆)、など

パン食=チーズ(乳)、ハム(畜肉)、ウインナー(畜肉)、ベーコン(畜肉)、スパム(畜肉)、牛乳(乳)、目玉焼き(卵)、卵焼き(卵)、など 

こうしてみると、和食のたんぱく質は魚と豆が多く、洋食は肉と乳が多いですね。

昼食におすすめの献立

コンビニ利用

ごはんとおかずがついたお弁当タイプを。サンドイッチはハムや卵などタンパク質入りを。プラス一品としては、ゆで卵やサラダチキンは手軽で高たんぱくなのでオススメです。

自宅で

らーめんなどもスープと麺にもタンパク質は入りますが、スープには塩分が多く含まれるので、飲み干さずに。そのぶんちくわや魚肉ソーセージなどをトッピングしましょう。
ジェルドリンクや野菜ジュースなどは「栄養満点で健康そう」と思いがちですが、エネルギー源となる糖質をとることはできますが、意外とタンパク質は少ないものです。栄養バランスを考えて選ぶようにするとよいと思います。

 

夕食におすすめの献立

お肉やお魚を食べやすくする工夫をするといいでしょう。肉団子にはおからや豆腐を混ぜることでほろほろと軟らかく仕上がります。

またお魚の切り身を軽く揚げて、野菜たっぷりのあんかけにすると、とろみがついてとても食べやすくなります。

若い頃好きだったカツやステーキも、薄切り肉を薄く切ったさつま芋と交互に重ね合わせてカツレツ風に揚げると、歯切れのよい食感にすることができます。芋の代わりに白菜やエリンギなど他の食材を使ってもバリエーションが生まれておもしろいですよ。

宅配弁当を利用する

自炊がなかなか難しいという方は、宅配弁当のサービスを利用されてもよいでしょう。最近では高齢者メニューとして、さまざまな疾病に対応していたり、歯茎でつぶせるやわらかいメニューなどが次々と開発されています。ご自身の状態に合わせて選んでください。

サプリメントも上手に活用

「サプリメント」と聞くと、滋養強壮や疲労回復などのイメージがありますが、日々の食事の栄養を補助する目的の商品も多くあります。ご自身で選ぶのが不安であれば、かかりつけの薬局などで相談してみるのもよいでしょう。「飲んで治す」のではなく、「病気にならない丈夫な体をつくる」気持ちで使うのがポイントです。

最近では、たんぱく質の消化吸収を良くしたペプチド・アミノ酸のサプリメントが数多くでていますので、少食の方や肉魚が苦手な方などは積極的に取り入れてみるのもよいでしょう。

ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。

タンパク質はよく選びましょう

商品の裏表示をみて、含まれるタンパク質が多ければ良いと言うことではありません。特に食材によって吸収効率が異なるうえに、歳を追うごとにタンパク質をたべることが億劫になるので、より質の高いタンパク質を選んで摂ることが、とても重要なのです。

くわしくは「シニアのタンパク不足解消!良質なたんぱく質の選び方~その1~」を参照ください。

運動習慣も忘れずに

筋肉を増やすには、タンパク質を摂るだけではなく適度な「運動」が欠かせません。高齢者の場合、膝や関節に故障を抱えることも多いため、オススメのトレーニングはいすからの立ち上がり運動や、プールでの水中ウォーキングなど、足腰の大きな筋肉を使う運動を毎日続けることをおすすめします。

いかがでしたか?もし貴方がひとり暮らしをしているのであれば、早速今日から食事内容を見直してみてください。また故郷のご両親がひとり暮らしという方も、現状がどのように生活しているのか悩んでいないか、お話ししてみてはいかがでしょうか。

窓に映ったご自身の歩き方が以前より年老いて見えたり、すぐ腰掛け休憩しているようでしたら要注意ですよ!

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