若い頃に感じなかった不調を感じやすくなるのは「老化」の徴候かもしれません。特に「物忘れが酷くなった」「集中力が続かない」といったことが増えると、脳の老化を感じる人がいるかもしれません。
この記事では脳の老化原因や老化を防ぐ生活習慣、脳の老化予防策について、最新の脳科学研究を踏まえ、まとめました。脳の老化原因を知ることは予防にもつながるため、老化を感じている人は、ぜひご一読ください。
年齢を重ねると、身体と同じように脳も老化します。
身体を使わないと、以前のような動きができない、肌が荒れてきた、太ってきたというような状態が続き、老化の徴候を感じるかもしれません。
脳も身体と同じように、使わないと老化が進み、物忘れが多くなるなど日常生活で支障を生じる可能性があります。身体の健康寿命だけを考えるのではなく、脳の健康寿命を伸ばすことも考えなければなりません。
身体と脳年齢は比例します。身体機能と脳機能は高い相関性があることは以前から指摘されていましたが、神戸大学の研究で「身体機能が向上すると、認知機能も高められる」ことが解明されました。
つまり、高齢になっても活動的な人は脳の老化が少なく、身体を動かす機会が減った人は脳の老化が促進することになります。運動量の減少は認知機能の低下につながるのです。
それでは、脳の老化はなぜ起こるのでしょうか。次に脳の老化原因を見てみましょう。
脳の主な老化原因は、「栄養不足・運動不足・睡眠不足・過度なストレス」の4つです。
栄養不足は脳の老化原因の1つです。外食や加工食品の摂取を中心とした食事、飲酒量の増加や不規則な食事時間などの食生活の乱れが続くと、動脈硬化が進み、脳血管性認知症の可能性が高まります。
長年の食生活の乱れによる栄養不足が脳の老化を促進するため、改善する必要があります。
脳の老化原因の2つ目は運動不足です。栄養不足とともに運動不足が重なると、さまざまな疾病を引き起こします。運動不足で脳委縮が加速することによる認知機能の低下や、高血圧症や糖尿病といった疾病による運動の制限でも脳は老化します。
運動不足は身体機能の衰えだけでなく、脳機能の低下にもつながるのです。
脳の老化原因の3つ目は睡眠不足です。ワシントン大学では、睡眠時間が短いと、睡眠中の脳の老廃物排出機能が低下し、認知症のリスクが高まるとの研究報告があります。さらに睡眠不足が一晩あるだけでも脳細胞の老化が進むとの研究結果の報告もあります。
睡眠不足が続くと細胞レベルでダメージを受け、回復にも時間がかかり、結果的に脳の老化を進めることになります。
過度なストレスも脳を老化させます。生活する上で適度なストレスは生きるために必要ですが、身体の闘争反応や逃走反応という過度なストレスが慢性的になると血流が減り、脳にダメージを与えます。
過度なストレスが続くと脳に害を及ぼし、脳の老化を促進し、認知機能の低下につながるのです。
脳の老化原因からみると、脳の老化と生活習慣には深い関わりがあることが分かります。また、脳は刺激を受けると新たな神経細胞同士のつながりが強くなり、成長し続けます。ここでは、脳の老化防止とともに脳の力を維持向上に有効なもの6つを紹介します。
脳を若く保つための6つの生活習慣です。
バランスの良い「食事」を摂ることが1つ目の老化予防策です。バランスの良い食事とは、タンパク質や糖質、脂質の三大栄養素に加え、ビタミンやミネラル、植物繊維の食材を摂取するということです。
バランスの良い食事例としては次のとおり。
主食・・・ごはん、パン、麺類
主菜・・・肉、魚、卵
副菜・・・豆類、煮物、サラダ、果物、乳製品
注意したい点は、食べ過ぎです。加齢によって運動量や筋肉量が減ると身体の代謝も落ちるため、必要なカロリー以上食べると肥満につながります。肥満の人は脳の老化リスクが高まるため、食事量には気をつけましょう。
バランス良い食事は大切ですが、サプリメントを補助食品として日々の食事に活用するのも有効です。
三大栄養素の1つであるタンパク質を効果的に摂取したい、少食で栄養が足りているのか不安といった人には吸収効率のよいペプチドのサプリメントを積極的に活用していきましょう。
ペプチドとは、タンパク質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のタンパク質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
鈴廣かまぼこ開発の「サカナのちから S forシニア」は、小粒で飲みやすく手軽にタンパク質補給を行えるサプリメントです。
白身魚のすり身を酵素分解した「魚肉ペプチド」で効率良くアミノ酸を取り込むことができます。
「定期的な運動」も脳の老化予防には効果的です。特に認知症予防の研究でも明らかになっているため、運動を定期的に行えば脳を活性化できます。運動は大きく分けて、有酸素運動と無酸素運動があるため、環境や体力に合ったものから始めることをおすすめします。
有酸素運動は酸素をエネルギーとして利用する運動です。具体的な運動としては次のとおりです。
ただし、身体に負担が大きいハードな運動は避け、初めは時間や距離を設定し、少しずつ始めることがポイントです。
無酸素運動は短時間で行う運動です。具体的な運動としては次のとおりです。
有酸素運動同様、身体に無理のない範囲で継続して行うことが大切です。運動の内容や頻度、強度など負担の少ない設定から始めることがポイントです。
十分な「睡眠」は、脳老化予防策として大切です。睡眠は脳の中の老廃物を排出するため、特に認知症予防効果が期待できます。ただし、次のような行為は避ける必要があります。
起床、就寝サイクルの乱れや就寝前の行動は、睡眠の質を低下させる原因になるため、気をつけておきたいポイントです。
「腸活」も脳の老化予防として有効な対策です。腸活とは、健康のために「腸内環境」を整えることです。
腸の働きを良くする乳酸菌やビフィズス菌をヨーグルトや納豆などの発酵食品から、善玉菌のエサとなる食物繊維を野菜、穀類、海藻などから摂るように心がけましょう。腸内環境を整えることで、食べ物の消化吸収を促進し、体内の毒素を排出するサイクルが保てます。
腸の働きが悪くなると、栄養の吸収が悪くなり、体内に老廃物が溜まるため、免疫力が低下します。腸活は免疫力のアップにもつながることを知っておきましょう。
脳の老化予防策の一つとして、ストレスを解消し、過度なストレスを溜め込まないことも挙げられます。ストレスが溜まると、全身の血流が悪くなり、脳の神経細胞に十分な栄養素や酸素が届かなくなるため、うつ病や高血圧の原因にもつながります。過度なストレスは、意欲を低下させ脳の老化を早めるため、定期的にストレスを発散させましょう。
ストレスを発散させるには、次の対応が効果的です。
健康を維持するために適度なストレスは必要ですが、過度にストレスを溜め込むと脳や身体の老化を早めます。定期的にストレスを発散し、脳老化を予防しましょう。
脳の老化予防策として、意外と気がつかないのが「社会とつながり」です。人は社会とつながりを保つことで、脳が活性化されるといわれます。特に一人暮らしの人には効果が期待できます。脳を刺激することは老化の防止につながるので、積極的に社会とのつながりを持つよう心がけましょう。
社会とのつながりを持つ具体的な例としては、次のとおりです。
人と会話する、興味のある映画を見る、演奏会を聞くといった参加型のコミュニケーション方法は脳の老化予防策としても効果的です。
脳の老化は、加齢だから仕方ないと諦める必要はありません。しかし、生活習慣を見直さないと身体も脳も衰えます。身体が衰えると寝たきりの可能性が高まり、脳が衰えると認知症を発症する可能性が高まります。
脳の老化原因を知り、影響を受ける生活習慣を見直し、予防策を実践すれば、改善または維持できるのです。「食事・運動・睡眠・腸活・ストレス解消・社会とのつながり」の6つを基本に脳の老化を予防していきましょう。