つまずきやすくなった、歩くのが遅くなったなど、足腰の衰えを感じる機会が年々増えていませんか?加齢によって足腰の筋肉は減少しますが、トレーニングをすれば何歳からでも筋力アップは可能です。この記事では、足腰を鍛える方法5つと効果的に行うポイントを紹介します。
足腰を鍛えることは、さまざまな面から将来の健康づくりにつながります。ここでは、足腰を鍛える4つのメリットを紹介します。
筋肉量が減ると、歩幅が小さくなったり歩くときに足が上がりにくくなったりするため、小さな段差でもつまずいて転倒しやすくなります。転倒による骨折は、要介護状態を引き起こす原因のひとつです。健康長寿を目指すためには、足腰の筋肉を鍛え転倒を予防することが大切です。
筋肉量は、加齢によって低下することが知られています。特に脚の筋肉は、体幹部や腕に比べて衰え始めるのが早く、20代をピークに減少していきます。また、衰える速度も速いのが特徴です。
しかし、トレーニングを行うことで筋肉が肥大し、筋肉を動かす神経も活性化されることで筋力の維持や向上が見込めます。90歳前後の高齢者でも、筋トレによって筋肉量が増加し、筋力が向上することが知られています。
「もう遅い」とあきらめずに今日から足腰を鍛えるトレーニングを始め、将来の骨折や寝たきりの予防を目指しましょう。
筋肉が増えると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効果が高まり、糖尿病の予防や改善に効果的です。また、筋トレによって血圧や血液中のコレステロール、中性脂肪が下がる効果も認められており、高血圧や脂質異常症の予防・改善にも役立ちます。
これらの病気は動脈硬化の原因となり、進行すると心筋梗塞や狭心症、脳卒中を引き起こします。足腰を鍛えるトレーニングを行い筋肉量を増やすことで、将来の病気の発症予防が期待できるので実践してみましょう。
ただし、血圧や血糖値が著しく高い場合や脳や心臓に病気がある場合は、運動が身体の負担になってしまうことがあります。主治医に相談し、運動が可能かを確認してから行いましょう。
運動によって骨に縦方向の物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強度が高まるといわれています。骨を強くし骨粗鬆症を予防することで、骨折のリスクの低下が期待できます。
足を踏み出す・かかとをつくなどの動きで、脚の骨に縦方向の負荷をかけましょう。また筋トレによって筋肉を動かすと、腱を介して骨に直接刺激を与えることもできます。
足腰を鍛えるトレーニングで、筋肉に加えて骨も強くし、骨粗鬆症や骨折を予防しましょう。
筋トレを実践できていることや、筋肉がついて思うように動けていることは、自信につながります。嬉しい身体の変化が「やればできる」という自己効力感につながり、精神的な健康を保つのに役立ちます。
高齢者が足腰を鍛える場合は、過度な負荷で関節を傷めたりバランスを崩して転倒したりしないよう、適度に行うことが大切です。ここでは、高齢者におすすめのトレーニング方法を5つ紹介します。いずれも自宅で簡単にできるため、習慣化して足腰を鍛えましょう。
スクワットは足腰全体の筋肉を鍛えるのにおすすめの方法です。ただし、通常のスクワットは膝への負担が大きいため注意しましょう。負荷を軽減するには、椅子を使って行うのがおすすめです。
椅子に座った状態で足を肩幅に開き、正面を見たまま椅子からゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと腰を下ろす動作を繰り返します。股関節の曲げ伸ばしを意識して行いましょう。
下半身全体の筋肉を鍛えられます。瞬発力やバランス感覚も強化できるため、転倒予防に効果的なトレーニングです。
立った状態から片脚を前に出し、体重をかけながら踏み込んで、太ももが水平になるまで腰を深く下ろします。脚を元に戻し、反対の脚も同様に行います。足腰がグラグラして安定しない方は、壁や手すりにつかまり安全にトレーニングしましょう。
腰回りの筋肉を鍛えるのに適した運動です。特に鍛えられる筋肉は、背骨と骨盤、太ももの骨をつないでいる「大腰筋」です。大腰筋は足を引き上げるときに使われるため、鍛えることで転倒の予防につながります。
まずは両足を軽く開いてまっすぐ立ちましょう。片脚の太ももを床と平行になるまでゆっくりと上げ、ゆっくりと元に戻します。10回繰り返したら、反対の脚も同様に行いましょう。ふらつきに注意し、壁や椅子などに手をつき支えながら行うのがおすすめです。
ふくらはぎやお尻の筋肉を鍛える運動です。脚を肩幅に開いて立ち、かかとを上げて5秒キープしてから下ろします。ふらつきが心配な場合は、椅子の背などに手をついて行いましょう。
背中や太ももの裏、お尻を鍛えるのに効果的なトレーニング方法です。仰向けに寝て、両膝を曲げて足の裏を床につけ、ゆっくりとお尻を上げます。腰を反らさないようにして10秒キープし、お尻をゆっくりと下ろします。
足腰を鍛える運動をより効果的に行い、筋肉をつけるためにはどのように取り組んだらよいのでしょうか?ここからは、運動のポイントを4つ解説します。
高齢者は、週2回の筋トレで筋肉量の増加が期待できるとされています。目安として1回30分、週2回の実施を目指しましょう。
これまで運動習慣がない人は、始めは30分続けるのがきつく感じるかもしれません。その場合は、無理をせず短い時間から始めて習慣化し、徐々に時間を伸ばしていきましょう。
運動中に動かしている部位を意識すると、トレーニング効果が高まることが知られています。特に筋トレでは、動作中に動かしている部位の筋肉に力を入れ続けることが、筋肉を増やすための強い刺激になります。
筋トレの種類ごとに鍛えられる部位は異なるので、鍛えたい部位を常に意識し力を入れながら動かしましょう。
ゆっくりとした動作で筋トレを行うと、自重での軽い負荷でも大きな筋力増強効果が得られます。5秒かけて動かし5秒かけて戻すなど、ゆっくり動くよう意識してみましょう。
また、曲げた部位を元に戻し切らないまま次の動作に移ると、より大きな効果が期待できます。
高齢者が筋肉をつけるためには、筋トレに加えて有酸素運動も行うと効果的です。血糖値を下げるホルモンであるインスリンは筋肉合成にも関わっていますが、加齢によって体内で効き目が下がるため、筋肉がつきにくくなります。有酸素運動はこの効き目を改善するのに役立ちます。
歩くだけでも立派な有酸素運動になるため、日常生活の中でウォーキングを取り入れてみましょう。外出時はなるべく歩く、買い物は少し遠くのお店を選ぶなどの工夫もおすすめです。
さらに負荷を上げたい場合は、早歩きと普通の歩行を3分おきに交互に行う「インターバル速歩」がおすすめです。インターバル速歩は、筋力や持久力アップに効果的といわれています。体力に合わせて無理なく実践してみましょう。
足腰を鍛える運動は、方法を間違えるとかえって健康を害する可能性があります。ここでは押さえておきたい注意点を3つ紹介します。
いきなり筋トレを行うと、筋肉や関節を傷める可能性があります。あらかじめストレッチで筋肉の柔軟性を高め、関節が動く範囲を大きくしておきましょう。また、運動後にもストレッチを行うと筋肉がほぐれ、体をリラックスした状態に戻すのに役立ちます。
下半身のストレッチとして、以下の運動がおすすめです。腰痛や股関節痛、膝関節痛の予防にもなる運動です。
ストレッチは伸ばす筋肉を意識して行いましょう。反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばし、10~20秒間動きを止めてから元に戻します。
負荷をかけるときについ息を止めてしまいがちですが、これでは血圧が上がってしまう恐れがあります。筋トレ中には息は止めないよう注意しましょう。
息を吐きながら負荷をかけ、吸いながら元に戻します。ストレッチでも同様に、伸ばすときに息を吐き、戻すときに吸いましょう。
筋肉量を増やすためには、食事の見直しも大切です。特に、筋肉の原料となるタンパク質を十分にとる必要があります。タンパク質が不足すると、筋トレによって筋肉が分解されてしまうため逆効果です。
主なタンパク質源となる食品は、魚介類や肉類、卵、大豆製品です。これらを毎食手のひらサイズ1つ分とりましょう。
また、ご飯やパン、麺類にもタンパク質が含まれています。これらの食品には糖質が多く含まれるため、筋トレなどの運動を行う際のエネルギー源としても大切です。こちらは毎食握りこぶし1個分を目安にとりましょう。
食が細くなり、食事からタンパク質をとり切れない場合は、サプリメントで補う方法もあります。1日の食事内容や筋トレのメニューを振り返りながら、必要に応じて取り入れてみましょう。
「サカナのちからS forシニア」は、魚由来の良質なタンパク質を手軽に補えるサプリメントです。アクティブに活動する高齢者の毎日をサポートします。
足腰を鍛えることは、歩行機能を改善し転倒リスクを軽減するだけでなく、生活習慣病や骨粗鬆症などの病気の予防にもつながります。下半身の筋トレを習慣にし、週2回の実施を目指しましょう。
鍛えたい部位に力を入れてゆっくりと動かすことで、小さい負荷でも筋肉を増やすのに役立ちます。前後のストレッチや日常でのウォーキング、食事の改善も合わせて行い、足腰を効率的に鍛えて活動的に毎日を過ごしましょう。