寒い冬だからこそ、高齢者が気をつけるべき健康管理と食事対策があります。この記事では、高齢者が注意すべき冬の健康管理と食事対策について、紹介します。
高齢者が気をつける冬の健康リスクは8つあり、それぞれの原因と対策も説明します。
低体温症とは、身体の温度が低下し、身体が正常に機能しなくなる状態です。長時間の寒い環境下にいることで、体温が低下し発症します。
高齢者は、体温調節機能が低下し、若年者と比べて筋肉量が減っているため、熱を生み出す力も低下しています。身体の深部温度が35℃以下に低下すると、意識障害やけいれんを落とし、最悪の場合、呼吸停止や心停止が起こって死亡リスクが高くなるのです。
部屋の中を暖かくし、暖かい服を着て身体を冷やさないようにしましょう。適度な運動と栄養バランスの取れた食事も重要です。
水分不足を感じにくくなっている高齢者であるからこそ、かくれ脱水を引き起こしてしまいます。特に低温環境下では暖房の使用が多くなり、室内が乾燥しやすい状態です。皮膚や呼吸から放出する水分が増え、脱水のリスクが高くなります。
脱水が続くと、心臓や脳の血管が詰まってしまい、心疾患や脳血管疾患などの重大な病気へとつながりかねません。
こまめな水分補給を意識しましょう。食事だけでなく、起床時や外出時、入浴前後、就寝前に水分を摂り忘れないことです。
室内に加湿器を置いたり、洗濯物を干したり、湿度を60%前後に保つようにしましょう。肌の乾燥を防ぎ、皮膚から水分が放出されないよう、入浴後は保湿してスキンケア対策も大切です。
低温環境下から高温環境下へ移動することで、身体が急激な気温差に耐えられず、ヒートショックが起こります。血圧が激しく変動し、心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などの重大な病気を引き起こし、最悪な場合死に至る可能性が高くなります。
暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動し、熱い湯船に浸かる流れが、ヒートショックが起こるケースです。高齢者は寒暖差を感じにくくなっています。浴室やトイレの人目につかない場所で倒れてしまい、発見が遅れ危険です。
脱衣所やトイレにも暖房器具を設置し、できるだけ温度差をなくすようにしましょう。日頃からこまめな水分摂取を意識すること、湯船の温度を高くしすぎないこと、長湯しないことも対策方法になります。
冬に気をつけたい感染症が、インフルエンザです。寒くなって空気が乾燥する冬の季節に、感染症のウイルスが空気感染や飛沫感染し、蔓延しやすくなります。特に高齢者は免疫力が低下しているので、重症化しやすく命を落とすことがあるので、注意しなければいけません。38℃以上の発熱や頭痛、咳、喉の痛み、肺炎を引き起こします。
人混みを避け、外出時はマスクを着用しましょう。帰宅時は手についた菌を落とすために、手洗いをすることも大切です。インフルエンザワクチンも予防対策になります。
寒い冬は、暖房器具が欠かせません。カイロやこたつ、湯たんぽ、電気毛布など、長時間同じ場所にあて続けることによって、じっくりと皮膚の奥までやけどを起こしてしまいます。特に高齢者は皮膚の感覚が弱く、皮膚が薄くなっているため気づきにくく、低温やけどに気づいたときには重症になっていることがあります。
長時間同じ場所にカイロや湯たんぽをあてないようにしましょう。電気毛布やホットカーペットも高温になりすぎないように注意が必要です。定期的に、皮膚に赤みや痛みがないか確認しましょう。
冬は空気が乾燥しているため、皮膚も乾燥しやすくなります。皮膚が乾燥するとバリア機能が失われ、痒みや床ずれの原因になります。特に高齢者は加齢とともに皮膚の水分が失われ、保湿力が低下するので、乾燥しやすい状態です。
日頃から全身の皮膚状態を確認し、保湿ケアを入念に行いましょう。
高齢者はおもちを食べると窒息するリスクが高くなり、最悪な場合緊急搬送され、死亡に至ることもあります。高齢者は噛む力と飲み込む力が衰え、唾液分泌量が少なくなっているため、窒息するリスクが高いのです。冬のお正月になると、おもちを食べる人が多くなり、おもちによる窒息に注意しなければいけません。
おもちを食べる前に、お茶や汁物を含み、喉を潤しておきましょう。おもちは小さく切り、よく噛んで唾液と混ぜ合わせて食べることです。
冬季うつは、日照時間が短くなったり、寒さで外出を控えてしまったりすることで、日光にあたる時間が少なくなり、セロトニンの分泌が減り、気分が落ち込んでしまいます。セロトニンは幸せに関わる神経伝達物質であり、日光にあたることで分泌されるホルモンです。冬季うつは、季節性情動障害と呼ばれるうつの一種であり、冬にかけて発症し、春になるとうつ症状が落ち着いてくるのが特徴です。
セロトニンの分泌を促すよう、日光を浴び、軽く運動をすることです。散歩やおでかけしてみるといいでしょう。セロトニンは食べ物からしか摂取できない必須アミノ酸です。肉や魚、大豆などの蛋白質を積極的に摂ることです。
高齢者が寒い冬に負けないための、おすすめな健康的な食事を紹介します。
免疫力を高めるためには、腸内環境が重要です。腸内環境は、規則正しい食事をとることが大切です。
腸内環境を整え、免疫力向上に役立つ食品は次の通りです。
タンパク質が不足していると、免疫力が低下し、感染症に発症するリスクが高くなります。タンパク質は免疫細胞の材料となり、日頃からタンパク質を摂取しておくと、免疫力の向上に期待できます。
特に高齢者は食が細くなり、タンパク質が不足しがちです。タンパク質が多い食品は、肉や魚、卵、大豆、乳製品となります。
冬の感染症を予防し、免疫力を維持するには、タンパク質の摂取が大切です。ここでは、タンパク質の重要性を深く説明します。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日のたんぱく質の、必要摂取量は次の表のとおりです。
タンパク質は、肉や魚、卵、大豆、乳製品に多く含まれていると言われていますが、特におすすめしたいのが魚肉タンパクです。魚肉タンパクは最も効率よく摂取と吸収ができます。
肉類と乳製品はタンパク質が多く含まれていますが、カロリーや脂肪も多く含まれています。必要なタンパク質を摂取しようとすると、余計なカロリーと脂肪も摂取する必要があり、カロリーオーバーやコレステロールも心配です。
魚肉たんぱくは、高タンパク、低カロリー、低脂肪になっています。脂肪が蓄積されにくく、タンパク質を効率的に摂取できます。
高齢者は、咀嚼や嚥下、消化機能の問題があるため、魚を必要量摂取することが難しい場合があります。ここで、タンパク質を吸収しやすくしたペプチドのサプリメントをおすすめします。
ペプチドとは、タンパク質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドは、既に分解された状態なので30~40分で吸収されていきます。
肉や魚のタンパク質から分解されアミノ酸を取るとき、消化吸収されるまで3〜4時間かかってしまいます。しかし、ペプチドはすでにアミノ酸に分解された状態で取れるため、30〜40分ほどで吸収可能です。
鈴廣かまぼこの「サカナのちから S for シニア」は、魚の白身を酵素分解してつくった魚肉ペプチドのサプリメントです。摂取後30~40分ほどで体に吸収されるので、身体に必要不可欠なタンパク質を素早く効率的に補給できます。
高齢者が注意すべき冬の健康管理と食事対策を、説明しました。
冬に高齢者が注意すべき健康リスクは次の通りです。
健康リスクに対して、次の生活習慣を意識しましょう。
免疫力を維持し健康に過ごすために、タンパク質の摂取を心がけましょう。難しい場合には、サプリメントの活用をおすすめします。