シニア世代になると、若いときと比べ、身体の自由が効きづらくなってしまいます。身体が思うように動かなくなり、ついお出かけが面倒になってしまい、家の中で篭りがちになる方も多いでしょう。歳を重ねるほど、筋肉量が減ってしまい、寝たきりの介護へと近づいてしまいます。これは、ロコモやフレイルが進行していることになります。ロコモ・フレイルの予防には、筋肉量維持のため、運動が大事です。ここでは、ロコモとフレイルについて説明し、予防するためのウォーキングと栄養について説明します。運動が大事ですが、運動により筋肉を壊さないためにも栄養の摂り方も大切になります。
ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略称です。骨や筋肉、関節などの運動器の障害により、移動するための機能が低下します。要介護状態や寝たきりの危険がある状態です。
フレイルとは、高齢期の身体機能低下だけでなく、精神面でのストレス耐性の低下や社会との繋がりが希薄になり心身の活力が低下した状態です。フレイルが進行することで、要介護状態や健康寿命の低下に陥りやすくなります。フレイルは、「衰弱」や「虚弱」と表すこともあり、健康と要介護の間の状態で、精神面や社会的な面も含まれます。
日本は、65歳以上の人口が全人口に対して20%を超えている「超高齢社会」です。
1947〜1949年の第1次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」が、75歳以上の後期高齢者となり、ますます要介護認定者数が増加すると予想されます。
要介護認定者が増加すると、ロコモやフレイルも増加します。ロコモやフレイルを予防するためには、身体機能維持や、精神面の安定、社会活動の参加が重要です。身体機能維持、精神面の安定、社会活動の参加はロコモやフレイル予防だけでなく、医療費や介護費用などの社会保障費用の増大を抑制できるでしょう。
シニア世代のロコモやフレイル予防の一つに、身体機能維持が重要です。その中でも、特にウォーキングがシニアにとっても、一番手軽に運動しやすい方法です。なぜ、ウォーキングが重要なのかを解説していきます。身体機能の維持・向上の他にも、メンタルヘルスへの効果や、社会参加との関連性に繋がる効果をもたらします。
ウォーキングが重要なのは、身体機能の維持・向上です。ウォーキングは日常生活に取り入れやすく、他の運動より腰や膝への負担が小さく、高齢者に取り入れやすい運動です。ウォーキングを行うことで、全身の血流の流れも促進されます。血液循環がよくなり、きん肉が刺激されると、肩こりや冷え性、また認知症の予防にも効果的です。
ウォーキングが、ストレス解消やリラックス効果などのメンタルヘルス効果に役に立ちます。ウォーキングで外出する際、自然な風景が気分転換や新鮮な空気が、リラックス効果を促します。ウォーキングを継続することで、身体機能向上だけでなく、認知症予防や精神面安定に役立つでしょう。
ウォーキングを行うことで、外での人とのコミュニケーションが増えることがあります。コミュニケーションが増えると、脳の機能が働き、認知機能低下を抑えられます。ウォーキング仲間ができると楽しくなり、うつや閉じこもりも克服でき、ロコモやフレイル予防に貢献できるでしょう。
シニアがいざウォーキングを始めると、若いときとは同じように動けず怪我につながり、注意が必要です。ここでは、シニアがウォーキングを始めるためのステップを順番に説明していきます。
ロコモやフレイル予防のための、ウォーキングの目安距離と時間は、1日あたり20分程度で、65〜74歳までは1日7,000歩以上、75歳以上は1日5,000歩を自宅周辺で歩ける距離です。毎日続け、夕方の涼しいときにウォーキングすることがベストです。
理想は、スポーツショップで売られているウォーキング用のシャツやパンツ、シューズが望ましいですが、使い慣れているものを着用しましょう。長時間になってしまうと日光が疲れの原因になりますので、帽子や長袖の上着を持っているとベストです。
水分補給も小まめに行うことも大切です。水分補給用の水分と汗ふき用タオルも持っていきましょう。緊急用に携帯電話や小ぶりの小銭いれも必要です。持ち物はコンパクトにし、ウエストポーチや小ぶりなリュックに入るようにし、なるべく身軽にしていきましょう。
シニア特有のウォーキングにはリスクと注意点があります。シニアは若い人と比べて、身体機能が低下しています。
まず、ウォーキング前に、準備運動を行うことが大切です。けがや心疾患のリスクを防ぐために準備運動を行います。身体を大きく動かし、関節を動かします。肩や二の腕、ふくらはぎ、太もものストレッチをしていきましょう。身体全体が温まり、筋肉が柔軟になり、関節が動かしやすくなります。
シニアは若い人より、水分に渇きを感じにくくなっています。水分が足りないと脱水を引き起こし、特に夏は熱中症のリスクもあるのです。ウォーキングをする際は水分を持っていきましょう。
初めてウォーキングをする際、やる気に満ち溢れて時間をオーバーしてしまったり、距離を歩きがちです。ウォーキングは毎日続けることが大切なので、翌日体調に響かないよう、決まった時間と歩数で行いましょう。持病があり、服薬されている人には、体調に影響することがありますので、事前に医師に相談することをおすすめします。
ロコモやフレイル予防には、筋力低下防止のためにもウォーキングが大切であることを説明しました。その筋肉を維持するには、食事もポイントになります。特にシニア世代の食事は大切です。ここでは、ウォーキング後の栄養補給と、魚肉たんぱく質の効果、サプリメントでの取り入れ方について説明します。
ウォーキングで消費されたエネルギーを補うために炭水化物(糖質・食物繊維)とたんぱく質の補給が重要です。運動すると、筋肉や肝臓にある糖質(グリコーゲン)がエネルギーに変換されます。運動中、エネルギー源として糖質(グリコーゲン)が切れてしまうと、筋肉中のアミノ酸(BCAA)が使われ始めます。
次にBCAAが不足すると、筋肉を分解してBCAAを作り出し、エネルギーの供給を維持しようとし、私たちは疲労感を感じることになります。
炭水化物を摂取してグリコーゲンを補充し、たんぱく質を摂取して筋肉を維持していくことが大切です。
体力の消耗を抑え、スタミナ切れを防ぐためにも、運動前のアミノ酸補給は欠かせないといえるでしょう。
たんぱく質は体内でアミノ酸に分解されます。食事でしか取れないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、特に筋肉合成の働きをする必須アミノ酸がロイシンになります。鶏肉や牛肉、赤身の魚、卵、乳製品などにロイシンは多く含まれています。
様々なたんぱく質食材がありますが、それぞれに特長があることを覚えておきましょう。
一般的に動物性たんぱく質は植物性たんぱく質よりもアミノ酸バランスに優れていますが、中でも魚肉たんぱく質は畜肉などよりも低脂肪・高たんぱくな食材です。ダイエットも兼ねてウォーキングを行っている方にもオススメのたんぱく質食材です。
ロコモやフレイル予防のため、筋肉を維持するには、たんぱく質の補給が欠かせません。本来食事が摂ることが理想ですが、サプリメントならば手軽にたんぱく質補給できます。
食事からしか摂れない必須アミノ酸の摂取が大切です。
魚肉ペプチド「サカナのちから」はアミノ酸バランスに優れたサプリメントです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
健康の基礎は、適度な運動と食事による栄養補給。
今回は、ロコモやフレイル予防のためのウォーキングについて説明しました。ロコモやフレイル予防のウォーキングは、身体機能維持や、精神的な効果、社会参加の向上に繋げられます。無理なく楽しんでウォーキングを行うことが大切です。