2023.05.03
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高齢者の熱中症予防と対策! 効果的な栄養素や食事とは!?

この記事では、高齢者の熱中症予防と対策について詳しく解説します。
梅雨時から9月頃にかけては、熱中症が非常に多くなる時期です。特に高齢者は体の機能の衰えなどから、熱中症が重症化しやすいといえるでしょう。
また、熱中症予防に効果的な栄養素や食事面のポイントについてもお話しするので、高齢者を家族に持つ方や自身がシニア世代という方は、ぜひ参考にしてください。

高齢者が熱中症にかかりやすいのはなぜ?

高齢者はなぜ熱中症にかかりやすいのでしょうか?
理由として以下の4つがあります。

  • 体内の水分量が少ない
  • 体温調節機能が落ちている
  • 暑さやのどの渇きを感じにくい
  • 栄養不足になりやすい

1つひとつ確認していきましょう。

理由1.体内の水分量が少ない

高齢になると体内の水分量が少なくなるため、若い人と同じ量の汗をかいても脱水症状を起こしやすくなります。
また、高齢による腎臓機能の衰えや利尿作用のある薬の服用も、脱水の原因になるでしょう。
以上のように、高齢者は脱水症状に陥りやすいため熱中症にかかりやすいのです。

理由2.体温調節機能が落ちている

老化によって体温調節機能が落ちていることも、高齢者が熱中症にかかりやすい理由の1つです。
暑さで体温が上昇すると、通常は体温調節機能が働き、汗の量や皮膚血流量が増えて体を冷やします。
ところが老化が進むことで体の対応が遅れて、体温が上昇しやすくなるのです。
体温調節がうまく機能しないため、高齢者は熱中症にかかりやすいといえるでしょう。

理由3.暑さやのどの渇きを感じにくい

高齢になると暑さやのどの渇きを感じにくく、脱水を起こしやすくなります。私たちが暑さや寒さを感じるのは、皮膚内の「温度センサー」が機能しているからです。
しかし高齢になると温度センサーの働きが鈍くるため暑さを感じにくくなり、衣類の調整やエアコンをつけるタイミングが遅れる場合があります。
また、老化によってのどの渇きを感知する「口渇中枢」も鈍くなるため、さらに脱水を起こしやすくなるでしょう。
暑さやのどの渇きを感じにくくなることは、高齢者が熱中症にかかりやすい大きな原因となっています。

理由4.栄養不足になりやすい

栄養不足も、高齢者が熱中症にかかる要因の1つです。
夏は若い人でも食欲が落ちやすいですが、高齢者は老化によって摂取する食事量が減少する傾向にあり、暑くなるとさらに栄養が不足します。
栄養が不足すると体力が低下して代謝も落ちるため、熱中症にかかりやすくなるのです。
また、人の身体は筋肉内に水分を蓄えています。筋肉を構成するタンパク質の不足には特に気を付ける必要があるでしょう。

高齢者に熱中症が疑われるときの対策

ここまで、高齢者が熱中症にかかりやすい理由についてお話ししてきました。では、もし熱中症が疑われる症状が出た場合は、どのような対策が必要なのでしょうか?
必要な対策は以下の4つです。

  • 涼しい場所に移動させる
  • 衣類を緩めたり脱がせたりする
  • 濡れタオルなどで体温を下げる
  • 水分を補給する

では、順に見ていきましょう。

涼しい場所に移動させる

すぐに、できるだけ涼しい場所に移動させましょう。
外にいる場合は日陰や風通しの良い場所に、屋内ならエアコンの効いた部屋が最適です。

衣類を緩めたり脱がせたりする

シャツのボタンを緩める、ズボンやスカートのベルトやホックをはずす、上着を脱がせるなどして、こもった体温を外に逃がしてやります。

濡れタオルなどで体温を下げる

さらに濡れタオルで体を冷やしたり、うちわや扇風機を使ったりして、体温を下げます。
もし氷がある場合は、脇の下や足の付け根などの太い血管のある位置に当てて、体を冷やしましょう。

水分を補給する

意識がはっきりしている場合は、水分を飲ませます。水分は電解質が補えるスポーツドリンクや経口補水液が最適です。
ただし、意識がもうろうとしている場合は水分が気管に入る可能性があるので、無理に飲ませてはいけません。

高齢者の熱中症予防のポイント

高齢者の熱中症予防には、どのようなポイントがあるのでしょうか?
ポイントは以下の3つです。

  • こまめな水分補給
  • 部屋の温度・湿度管理
  • 栄養状態を適切に保つ

では、1つひとつ見ていきましょう。

ポイント1.こまめな水分補給

高齢者の熱中症予防には、こまめな水分補給が必要です。

高齢者は体内の水分量が低下しているため、脱水を起こしやすくなっています。さらにのどの渇きを感じにくく、水分をとるのが遅れがちです。
水分不足にならないように、こまめに水分補給を行いましょう。水分補給の時間を決めて、のどが渇く前に飲むことが大切です。

ポイント2.部屋の温度・湿度管理

部屋の温度や湿度を適切に保つことも、熱中症予防の大きなポイントです。
見やすい場所に温度計や湿度計を設置し、一定以上の温度や湿度になったらエアコンを作動するように決めておくのが良いですね。
高齢者は暑さや寒さを感じにくくなっているため、家族や周りの人がこまめにチェックすることも大切です。

ポイント3.栄養状態を適切に保つ

栄養状態を適切に保つことで体力の低下を防ぎ、熱中症にもかかりにくくなります。
栄養が不足すると免疫力が低下し、代謝も落ちてしまうからです。
特に食事量の少なくなりがちな高齢者には、タンパク質やビタミンなどの栄養素を十分にとることが、大きなポイントだといえるでしょう。
次の章では、熱中症予防に効果的な栄養素と食事について解説します。

高齢者の熱中症予防に効果的な栄養素と食事

高齢者の熱中症予防にはどのような栄養素が効果的なのでしょう?また、食事や献立にはどんな工夫をすれば良いのでしょうか。

ここでは以下についてお話しします。

  • 効果的な栄養素
  • 食事や献立の工夫

では、順に確認しましょう。

効果的な栄養素

熱中症の予防には、ナトリウムやカリウム、ビタミンC、ビタミンB1などをバランスよくとることが大切です。

ナトリウムやカリウムには汗によって奪われた電解質を補い、ビタミンCは体の免疫力を高める役割を持ちます。
また、ビタミンB1には糖質をエネルギーに変換して神経機能の働きを助ける役割があります。

そして、さらに重要なのは、タンパク質をしっかりとること。なぜなら、人の体で最も効率よく水分を蓄えられるのが、筋肉だからです。

しかし、加齢によって体内の筋肉は減少していくため、高齢者は水分不足から熱中症を起こしやすいといえます。

タンパク質は筋肉を作るための主成分となる栄養素です。私たちのカラダのほとんどはたんぱく質でできているといえます。私たちのカラダは水分が60~70%、たんぱく質が約20%、糖質・脂質・その他が約20%を占めているのです。

高齢者の熱中症を防ぐためには、カリウムやビタミンなどの栄養バランスの取れた食事を心がけると共に、水分の貯蔵庫である筋肉が減少しないように、タンパク質を十分にとる必要があります。

食事や献立の工夫

高齢者の熱中症を予防するには、食事や献立に以下のような工夫をしましょう。

  • たんぱく質を毎食とる
  • 季節の野菜や果物をとる
  • 献立に汁物を添える
  • 間食からも水分がとれるようにする


高齢になるとついあっさりとした食事で済ませがちです。筋肉の維持に必要な、肉・魚・卵などのたんぱく質を、毎食しっかりととるようにしましょう。

まとめ

この記事では、高齢者の熱中症予防と対策について詳しく解説しました。
高齢者は体内の水分量が少ない上に、暑さやのどの渇きに気付きにくいため熱中症になりやすく、適切な予防と対策が重要です。
中でも見落としやすいのが、栄養面での対策。
タンパク質が不足すると水分の貯蔵庫としての筋肉が減少するため、熱中症のリスクが高まります。
食欲の減退しやすい夏場は特にタンパク質の摂取が不足しないよう、十分気を付けましょう。

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