冬時期には毎年インフルエンザが流行したり、ウイルス感染は私達の身近なところにあります。
そんなウイルス感染を予防する最善策は、「免疫力を高めること」です。
同じ環境の中でも免疫力の低い人はウイルス感染しやすく、免疫力の高い人は感染リスクは低くなります。
では、どうすれば免疫力を高めることができるのでしょうか?
実は、免疫力を高めるには「良質なタンパク質」を摂取することがとても大切。
この記事では、その理由ををご紹介します。
そもそも「免疫力」とは、体に病原菌やウイルスが侵入しないように、自己防衛する機能のことです。
免疫力はウイルスを撃退するだけでなく、体内で発生したガン細胞などを除去する働きもあります。
免疫力には個人差があり、免疫力が低い人は感染症やがんなどの病気を発症するリスクが高まります。
加齢によって免疫力は低下しやすく、高齢者は若年層よりも感染症の感染リスクが上がるので要注意。
私達が健康に行きていくためには日頃から免疫力を高めることが大切です。
一般的なウイルス対策には、手洗い・うがい・マスクをすることが挙げられます。
しかし、根本的に免疫力アップするには、ウイルスと戦う免疫細胞を増やすことです。
免疫細胞には、マクロファージやNK細胞、T細胞やB細胞などがありますが、いずれも白血球に含まれる細胞です。
免疫細胞は、体のいたるところで病原体と闘い、病原体を食べたり、殺菌したり、抗体を作ったりしてくれます。
この免疫細胞の主成分が「タンパク質」。日頃からタンパク質を多く摂取すると、免疫細胞が増えて免疫力がアップするというわけです。
タンパク質が不足していると、免疫力が下がり、感染症のリスクが高まるので注意しましょう。
特に高齢者は免疫力が下がりやすいので、意識的にタンパク質を取るように心がけてください。
ただ、免疫力を上げるには一つの栄養素だけ摂取するのは効率的ではありません。
免疫細胞を守るビタミンA・B・C・E、亜鉛、セレンなどのミネラル類は免疫を活性化させますし、食物繊維、乳酸菌・酪酸菌、ポリフェノール類なども免疫細胞が増えやすい環境を整えてくれます。
副食はタンパク質を中心に、サラダや煮物で必要なミネラルを摂るなど、バランスの良い食事を心がけましょう。
免疫細胞、抗体が作られる場所は、人体で最も大規模な免疫器官と言われている腸管です。そしてその腸管を動かす唯一のエネルギー源がアミノ酸なのです。
免疫機構の中心であり、栄養吸収の中心でもある小腸は、その活動のためのエネルギーを吸収した栄養分からでなく、食べ物から得られる栄養素そのものからまかなっていて、その栄養素がタンパク質を構成している20種のアミノ酸のうちの一つ、グルタミンです。
では、グルタミンだけ摂れば良いのかというとそうではなく、他に体内で必要となるグルタミンは、他のアミノ酸から体内で合成され作られることになるので、良質なタンパク質を摂ることで20種のアミノ酸をバランス良く補給することが大切なのです。
人間の体は体温が1度下がると免疫力は30%落ち、体温を1度上げると免疫力は5~6倍にもなると言われています。
体温が上がると血流が良くなって、免疫細胞が集まっている白血球が体中のすみずみを巡ることで免疫力が発揮されるから、がその理由です。
体温を維持・上げていくのに必要なことは、筋肉を維持・増やすことです。
じっとしていても筋肉は常にエネルギーを代謝して熱をつくっているからで、体温の約40%は筋肉から産出されているとも言われています。
その筋肉の主成分はタンパク質。筋肉を維持・増やしていくために、タンパク質たっぷりの食事と、ウォーキングや筋トレなど、継続できる運動を週2~3回取り入れてみましょう。
では、免疫力を高めるためにタンパク質は1日どれくらい摂取すれば良いのでしょうか。
体重1キログラムあたり、1グラムのタンパク質が必要と言われています。
▼1日のたんぱく質の推奨摂取量(成人の場合)
成長期のお子様、タンパク質の吸収力が落ちる高齢者はもう少し多めに摂取しましょう。
タンパク質を多く含む食品には肉や魚、卵、大豆、乳製品などが挙げられますが、最も効率良く摂取できるのは魚タンパクです。
肉や乳製品は脂肪分が多く、十分なタンパク質を摂取するとカロリーオーバーやコレステロール値が心配です。
その一方で、魚タンパク質は、高たんぱく、低カロリー、低脂肪となっているのが嬉しいポイント。
脂肪が体内に蓄積されにくいので、良質なたんぱく質を健康的に摂ることができるのです。
今回は、免疫力を高めるために良質なタンパク質が必要な理由をご紹介しました。
タンパク質の中でも魚肉タンパク質はアミノ酸バランスが良く、吸収効率に優れています。効率よく吸収できる魚肉タンパク質を摂取して、免疫力アップを目指しましょう。