健康な体を維持するには「良質なタンパク質を摂取しましょう。」と耳にすることが多くないでしょうか?日頃の食事で摂取するタンパク質の"質"に目を向けてみてください。
この記事では、 「良質なタンパク質の意味」「 タンパク質の効果的な摂取方法」「必要な摂取量」などをご紹介していきます。最後までじっくりお読みください。
「タンパク質」は筋肉、臓器、髪、皮膚、爪などを構成したり、代謝や体の機能の調整や免疫力にも関与するなど、私たちの生命を維持するのに大変重要な栄養素です。
タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、アミノ酸の組み合わせ・種類・量などの違いによって数万種類のタンパク質が存在し、それぞれ異なる役割を果たしています。タンパク質を摂取するとアミノ酸に分解されて、吸収され、体に必要なタンパク質に再合成されていきます。
20種のアミノ酸は、体内でつくれない「必須アミノ酸」と体内で合成できる「非必須アミノ酸」に分類され、必須アミノ酸は体内でつくれないため、必要な分を食品から摂取しなければなりません。
「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」には次の通りです。
「良質なタンパク質」とは、必須アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク質のことを言います。
必須アミノ酸はバランス良く含まれていることが大切で、図右の小麦タンパクの様に一つでも欠けているものがあると、その値までしか次のタンパク質合成が行われず、他は体外に排出されてしまいます。(実際には、他のタンパク質素材との組み合わせで合成されるので、全て排出されてしまうことはありませんが。)
図の魚肉タンパクの様に全てのアミノ酸がバランス良く含まれていると、効率良くタンパク質の合成が行われるのです。
アミノ酸の含有バランスは「アミノ酸スコア」と呼ばれ、魚肉タンパクの様に理想量全て満たしているものが「アミノ酸スコア100」で良質なタンパク質と言えます。
「アミノ酸スコア100」の食品には以下の様なものがあります。
大豆以外の植物性食品もタンパク質を含みますが、必須アミノ酸のバランスが良くなく、アミノ酸スコアは、米65、小麦67、いも68です。
動物性タンパク質の多い食品としては、牛・豚の赤身、まぐろ赤身、かつお、たまごなどが挙げられます。
減量中や肉体づくりには、鶏ささみ・豆腐といった低カロリーで高タンパク質の食品が適しています。
ただし、同じ食品ばかり食べると、貧血になるリスクも出てくるので注意が必要です。
鉄分が豊富に含まれている赤身の肉・魚も積極的に摂取するようにしましょう。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」には、年齢と性別に応じて、栄養素の摂取基準値を定めています。
▽一日に必要なタンパク質
●摂取エネルギーの13~20%
▽一日に必要なタンパク質の推奨量
●成人男性は一日60g
●成人女性は一日50g
タンパク質は筋肉だけではなく臓器の材料にも必要なため、1日に摂るエネルギーのうち13~20%は必要です。
普段の食事は栄養素のバランスを考慮して、良質なタンパク質を摂取すると、筋肉量を保ちながら新しい細胞を作ることができます。
目安として、体重1kgあたりタンパク質1gとも言われますが、タンパク質は自分に合った最適な量を把握して摂取することが大切です。ハードなトレーニングで筋肉を酷使することも多いアスリートは体重1kgあたり2g摂るなど、運動の多少によって調整することがおすすめです。
健康な体を維持するには、筋肉の材料となる良質なタンパク質を定期的に摂取することが大切です。
必須アミノ酸をバランス良く含む良質なタンパク質には、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品が挙げられます。
同じ食材に頼るのではなく、栄養バランスを考えて幅広い食材を取り入れていきましょう。
タンパク質を摂取するタイミングは1日数回に分けて摂るのが効果的です。
朝の食事量は少なく、タンパク質の摂取量も少なくなりがちになるため、タンパク質の多い食材を意識的に摂取するよう心掛けてください。
普段の生活に加え、特に運動や筋トレをした際にはタンパク質を多く摂取するよう心がけましょう。
一般的にアミノ酸バランスは、植物系より動物系たんぱくの方が優れていますが、動物系たんぱくの中でも肉や卵、乳製品は脂肪分が多いのがカロリーを気にされる方には心配なこと。
その点、魚のたんぱく質は、低カロリーで高たんぱく。
魚肉たんぱく質を摂ることで、カロリーも抑えられ、効率よく身体づくりに活かすことができます。
普段の食事から良質なタンパク質を摂取することで健康・美容に大きくプラスに働いてくれますよ。
三度三度の食事で万遍なく摂ることや、運動の加減によって摂取量を調整するなどして、健康的な体づくり・維持を目指しましょう!