体重計に乗って一喜一憂していませんか?運動しているのに体重が落ちない…、細いはずなのに重い…という方は、「体組成計(たいそせいけい)」で自分を測ってみてはいかがでしょうか。
実は、体重の多くは「脂肪」より「筋肉」によるところが大きいので、身長から導いた標準体重=BMIだけを比較して、重いの軽いの言っていても目安にしかならないということ。まずはご自身の筋肉量と脂肪量を計測することから始めてみましょう。
人の体は主に筋肉と脂肪からなっていて、その割合は標準型で筋肉8:脂肪2くらいです。やせ型やアスリートのひとで9.5:0.5であったり、肥満型の人で6:4などひとによりかなり幅が広いのが特徴です。
ですから、同じ身長と体重でも、その組成によって見た目がだいぶ違うのです。また、見た目が同じようであっても、組成がずいぶん違う、ということもあり得ます。まず、そのひとつの指標となるのが、「体脂肪率」です。
全体重における脂肪の割合を示した指標です。男女でもその比率は大きく異なります。おおまかな目安としては、
これに、筋肉が多い人、少ない人によって、見た目や体型が違ってくるのです。
では、筋肉と脂肪の付き方の違いによって、どのような体型タイプに分類されるのでしょうか。体脂肪率をやせ型/標準型/肥満型の3タイプに分けて、それぞれの筋肉の付き方別にまとめてみました。
1.標準中の標準
脂肪量:標準、筋肉量:標準 筋肉も脂肪も適度に付いた、標準的な体型です。
2.運動不足型
脂肪量:標準、筋肉量:少ない 見た目はいたって普通ですが、筋肉が少ない体型です。
3.筋肉質(標準)
脂肪量:標準、筋肉量:多い しっかりした筋肉の鎧のうえに脂肪をまとった水泳選手のような体型です。
1.肥満型
脂肪量:多い、筋肉量:標準 太って見える人に多い体型です
2.かくれ肥満
脂肪量:多い、筋肉量:少ない 見た目は普通なのに、実は肥満という体型です。
3.かた太り
脂肪量:多い、筋肉量:多い 力士やラガーマンに多い体型です。見た目は結構がっしりしています。
1.やせ型
脂肪量:少ない、筋肉量:少ない ガリガリに痩せちゃって…に見えてしまう体型です。
2.細身筋肉質
脂肪量:少ない、筋肉量:標準 いわゆる”細マッチョ”体型。
3.筋肉質(やせ形)
脂肪量:少ない、筋肉量:多い 体重をきっちり絞る軽量級ボクサーなどに多い体型です。
脂肪は燃やして減らします。脂肪を燃やすには有酸素運動が有効とされています。一方、筋肉は鍛えて増やします。運動→休息→栄養を繰り返すことで、徐々に筋肉が付いていきます。過剰な栄養(カロリー)摂取を控えた上で、適度な運動を行なうことで脂肪を減らし筋肉を増やすことができるのです。
筋肉が増えれば、基礎代謝量も増やすことができます。基礎代謝量とは、特に何もしなくても消費するエネルギー量のことで、それが増えることで、より痩せやすくなるので、一石二鳥でもあります。
そしてより効率的に筋肉をつけるには、材料となる栄養素「たんぱく質」を摂ることが大切です。
私たちのカラダは水分が60~70%、たんぱく質が約20%、糖質・脂質・その他が約20%を占めます。
筋肉や胃腸などの臓器、皮膚といった組織から酵素やホルモン、血液まで、そのほとんどを作る上でたんぱく質が必要です。水分以外は、たんぱく質でできていると言っても過言ではありません。
特に運動後30分後と就寝後1~2時間後は”体づくりのゴールデンタイム”と呼ばれる時間帯で、体が筋肉の修復にたんぱく質を欲しています。
その時間帯に合わせてたんぱく質を補給するには、運動し終わったらすぐに、あるいは就寝前に水分補給と共にアミノ酸・ペプチドサプリを摂るのが有効です。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
なかでも、魚肉ペプチドは、人の体をつくる20種のアミノ酸をバランス良く含み、ペプチド状にしているので吸収効率に優れています。
さらに、摂取したたんぱく質がどれだけ体を構成するたんぱく質に利用されたかという値を示す正味たんぱく質利用率では、魚肉ペプチドの利用率は97%、大豆や牛乳、牛肉、魚肉さえも上回る値です。
運動の30分後と就寝の1~3時間後は「筋肉づくりのゴールデンタイム」といわれ、この時間になると成長ホルモンの分泌が盛んになり、筋肉の修復が行われます。
そのタイミングで筋肉の原料となるアミノ酸が豊富にあると筋肉の修復がうまくいき、筋肉づくり・疲労回復につながるのです。
だから運動直後や就寝前にアミノ酸サプリメントを摂取することで効率良くリカバリーができるのです。
体組成計は、市販されている機器も多いですが、腕や脚、体幹など部位別に測ったりするには専門の上位機器が必要です。フィットネスジムやスイミングスクール、整体やクリニック等に置いてあることもありますので、入会されている方は問い合わせてみてもいいかもしれません。
また自治体が開催する健康フェアやイベントでも「測定コーナー」が設けられることがありますので、血圧や血管年齢などとあわせて参加してみてください。
出典:老年医学界雑誌第47巻1号「日本人筋肉量の加齢による特徴」より
高齢者の間で「低栄養」や「ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)」が問題になっているように、筋肉量低下による運動障害や転倒事故が増えています。
高齢になるにつれて運動習慣が減ったり、たんぱく摂取量が低下したりして、筋肉量が徐々に減少してしまう事例が増えています。実際に20代の方と80代の方では、全身の筋肉量が男性で16.8%、女性で11.0%も減少してしまうというデータもあります。
これは急になるものではないので、まだまだ元気!と感じている60代、70代のうちから運動習慣とたんぱく摂取を心がけて、現在の筋力を維持し続けることが大切です。
そのためにも、ご自身の現在の筋肉量を測定し、確認しておくことが大切です。今はまだ充分にあるのか、既に減少が始まっているのか、もう増やさなくてはいけないのか。さらにどこの筋肉が少ないのかが分かれば、そこを重点的に鍛えることで対策がとれます。
機会があったらぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか。