梅雨が明けていよいよ夏本番!
ニュースでは「熱中症対策には、こまめな水分補給を」と言われますが、私はしっかり飲んでいるから大丈夫!と思っていませんか?
実は熱中症予防には、お水を飲むだけでは万全とは言えないのです。
それは「たんぱく質」が関係しています。夏場になると食欲も衰えて充分摂れていない・・・なんてことも。
今回は、熱中症対策として「たんぱく質」の効果について、ご紹介します。
熱中症は体温調節がうまくできなることでおこります。
血液は体のすみずみまで流れています。その役割は、酸素や栄養を運ぶほかに、体内で発生した熱を皮膚表面近くまで運んで外に逃がす体温の調整機能の役割も果たしています。
汗をかくことによって体から水分が失われます。すると血液量が減って脳、筋肉、皮膚などに十分な血液が行き渡らず、体温の調整がうまくできなくなって熱中症にいたってしまうのです。
その結果、めまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗または汗が出にくくなるなどの症状がでるのはこのためです。
熱中症を防ぐためには、血液の流れを良くしてあげること。
血液は体のすみずみまで流れて酸素や栄養を補給していますが、体内で発生した熱を皮膚表面近くまで運んで外に逃がす体温の調整機能の役割も果たしています。
したがって、汗や尿、呼吸などで失った水分をしっかり補給してあげることが重要です。
しかし、ただ水分を飲んだだけでは血液の流れがよくなるわけではありません。飲んだ水分は、血管内にしっかり取り込まれてはじめて、有効になるのです。
血管は浸透圧を利用して水分を引き込んでいます。
血管内の成分が、内側が濃くて外側が薄いとき、両者が均等になろうとして薄い外側から濃い内側にむかって水分が移動するしくみです。
つまり、血液内の成分が濃ければ水分を引き込みやすくなり、薄いと水分を引き込みにくくなるということです。
では、血液の成分とはなんでしょうか。
実は、血液中の総たんぱくの67%を占めているのがアルブミンというタンパク質。
タンパク質を含む食品を食べることによってアルブミンが増えると、浸透圧の影響で血管内に水分が引き込まれ、血液量が増えます。
血液量が増えることで皮膚近くまで血液がめぐるようになり、体外へと熱を放出しやすくなります。
また血液は汗の材料でもあるので汗をかきやすくなり、体温の調整機能がうまく働くようになって熱中症になるリスクを下げることができるのです。
夏場は食欲も落ち、体の消化吸収力も衰えていますので、こうした時はタンパク質を補給できるサプリメントもオススメです。
最近では、タンパク質の消化吸収を良くしたアミノ酸のサプリメントが数多く販売されていますので、積極的に取り入れてみるのもよいでしょう。
特に、タンパク質を分解したペプチドのサプリメントは、アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。
肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
図は、消化吸収力の落ちた高齢者20名に、たんぱく質(魚肉ペプチド)を普段の食事に加え1日6gを約2ヵ月間、摂取いただいた結果です。
(介入群=魚肉ペプチドを摂取したグループ、対照群=摂取しなかったグループ)
結果は、一般群(BMIが通常の高齢者/グラフ左側2群)では魚肉ペプチドの摂取でアルブミン値を改善することができました。
またやせすぎ群(BMIが低い高齢者/グラフ右側2群)では、アルブミン値の低下を抑制することができました。
いかがでしたか?タンパク質には、血液を増やすことによって熱中症を予防する効果が期待できますが、筋肉や体の材料となり、疲労回復や夏バテを防ぐ効果も期待できます。
良質なタンパク質は、魚や大豆、鶏肉で摂ることができます。
そうめん+ハムや錦糸卵、ごはん+納豆、海苔の佃煮。暑い日は肉などのこってりメニューは食欲が湧きませんが、ツナ缶やかまぼこなどさっぱり高たんぱくの食材を取り入れて、タンパク不足にならないように気をつけましょう。
さらに具体的にはこちらを参照ください→シニアのタンパク不足解消!良質なたんぱく質の選び方
しかし食欲不振や体調不良で食べれないときは、ペプチドやアミノ酸のサプリメントを上手に取り入れて、熱中症を防ぎましょう。