新しい環境や立場になじめずに、スランプに陥ってしまう「五月病」が話題になる時期になりました。変化について行けないあせりやストレスが原因と言われていますが、必要な栄養素が不足しているとストレスを感じやすくなったり、ストレスに弱くなるなど、食とストレスには密接な関係があります。ここでは、ストレスに負けないカラダをつくる食べ物をご紹介します。
慌ただしく過ぎていく毎日。計画的に物事が進まなかったり、頑張りが裏目に出たりすることは、年齢や職業にかかわらず多くの人が日々体験していることでしょう。
そんな時「ストレスが溜まる・・・」と口にしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そもそも私たちはどうしてストレスを感じるのでしょうか。まずはストレスを感じる原因について理解しておきましょう。
ストレスとは、日常生活で起こる「変化」を刺激と感じることで引き起こされる緊張状態のことです。
人間関係や仕事などの悩みや不安、健康状態や睡眠不足も変化であり、ストレスの要因になります。大小様々な「変化」がストレスに繋がるといえますが、その時のコンディションによってストレスの大きさも変わってきます。
大方のことがうまくいっている時には気にもならないようなことが、ミスが続いている時には物を落としただけで泣きたくなることもあります。
また、ストレスという言葉を耳にするとネガティブな印象を受けがちですが、日常生活で起こる「変化」は悪いことばかりでなく、就職や結婚など喜ばしいことも「変化」であり、ストレスの原因になることがあります。
つまり、どんな生活スタイルを送っていても「変化」を避けることはできず、ストレスをまったく感じずに生きていくことは難しいといえます。
多かれ少なかれ、ストレスは誰にでもあるものですが、周囲からはどれだけストレスが溜まっているかは見えにくいもの。
新しく任された仕事で悩んでいたり、人間関係に溶け込めず悩んでいたとしても、周囲に遠慮して打ち明けることができず、五月病に陥る。そんな人の多くは、責任感が強く真面目な方です。
「これまで興味があったことに関心を持てない」「よく眠れない」「腹痛になりやすい」などのストレスサインがあれば、まずは自分を労ることを意識しましょう。
ストレスを発散する、ケアするといった方法は様々ですが、今回は栄養素にフォーカスして説明します。
体はストレスを感じると、体内環境を一定に保とうとして副腎皮質ホルモンを分泌します。この時にタンパク質の分解もなされてしまい、免疫力も低下してしまいます。抵抗力や免疫力を高めるために、良質なタンパク質を肉、魚、大豆、乳製品などから摂りましょう。
カルシウムは、神経のいらだちを鎮め、精神を安定させる作用のあることから「心の安定剤」と言われています。また、心臓の機能を正常に保ち、血圧を安定させる作用もあります。
干しえびやしらす干しなどの小魚類、豆腐や納豆などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品に多く含まれます。
マグネシウムは、カルシウムの働きを調整する作用があります。精神を安定に保ち、筋肉や心臓の健康を維持してくれます。
マグネシウムを多く含む食材には、ゴマ・アーモンド・クルミなどの果実類、油揚げ・納豆などの大豆類、バナナ・プルーンなどがあります。
ビタミンB・Cは、ストレスと戦う副腎皮質ホルモンの合成のために大量に消費されます。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫力の強化につながります。
ビタミンBは、豚肉・鶏レバー・ゴマ・ピーナッツなど、ビタミンCは、レモン・いちご・みかんなどの柑橘類やピーマンなどに多く含まれます。
これらの栄養素を摂ることと、バランスの良い食事をすることで、しっかり身体づくりをしておきましょう。
また、3食きちんと食べる、暴飲暴食をしない、家族や友人と食べるなど、おいしいものを楽しくリラックスして食べること自体が、ストレス解消には何より大切です。