台風は毎年7月~10月頃をピークに日本に接近・上陸しています。
特に、近年は台風が大型化、強大化している印象があります。
IPCCによると、「地球の平均気温が2℃上昇すると、台風発生数に対する強い台風の発生割合は13%増加する」と言われています(引用:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6))。
「台風なんか来ても、すぐに復旧するから大丈夫」と思い、家の外だけ片付けて、家の中のことはほとんど何も準備しない方が多いと耳にします。
しかし実際に台風が直撃し、深刻な被害を受けると、「準備しておけばよかった」と後悔するでしょう。
ここでは、台風の直撃で3日間の停電生活を経験した筆者が、自身の失敗談も踏まえて困ったことと、その対策についてお伝えします。
屋上に貯水タンクがある住宅では、タンクの水を使い切るまで水は出ますが、屋上に貯水タンクがない住宅では、停電とほぼ同時に水道が止まってしまいます。
1階からモーターでポンプアップする構造のため、停電になるとポンプが作動せず、送水されなくなるのです。
《補足》直圧直結給水方式の住宅(ポンプによる増圧をせずに送水する給水方式。主に一軒家や低層階住宅に繋がれています)は、ポンプアップする必要がないため、停電による断水はありません。
運転中に停電した場合、機種によっては扉がロックされたまま、停電が復旧するまで洗濯物を取り出すことができなくなります。
ガス乾燥機も電気で動いているので、停止します。
電源の切れた冷蔵庫が保冷できる時間は、条件にもよりますが、2~3時間と言われています。
庫内に食品を沢山保管していると、特に生鮮食品の場合は、食べきれずに処分することになるかもしれません。
ガスコンロ(都市ガス、プロパンガス)は使えますが、換気扇が動かないため、コンロの熱が室内にこもりやすくなります。
外が暴風の場合、窓も開けられないため、室内温度・湿度は上昇して不快感が上がってしまうかもしれません。
IHクッキングヒーターは電化製品のため、停電中は使えません。
リモートワークの仕事など、スマホやPCが無いと仕事ができない人にとって、充電できないのは死活問題とも言えます。
筆者の場合、100%充電して、ケチケチ使っても2日目に電池切れになりました。
台風が停滞して停電復旧が遅れると、食品の流通も滞り、スーパー、コンビニが閉店もしくは開店しても品薄状態が続きます。
特に、野菜や肉などの生鮮食品が極端な品薄になる傾向があります(特に離島)。
家庭での食事は、乾麺やご飯、レトルトパック、缶詰のような賞味期限が長い非常食を食べる傾向にあります。
これらの食品は、米や小麦粉などの炭水化物を主体とした物が多く、栄養バランスが偏ってしまいがちです。
偏った食生活を続けていると、免疫力の低下などで、体調を壊してしまうことがあります。
浴槽(トイレや食器洗い用として)や水缶・ペットボトル(飲料水用として)に水をためておきましょう。
一日に最低限必要な水の量は、飲料用と調理用として1人あたり3リットルと言われています。
3日分を用意しておくと安心です。生活人数にあわせて準備しておきましょう。
アイスピックのような先端の尖った金属で2Lペットボトルの底近くの側面に、小さい穴を開けます。
ペットボトルに水を満たし、蓋を閉めると、穴から水が出なくなります。
台所や洗面所のシンクの脇にペットボトルを立たせ、必要な時にフタを緩めると開けた穴から水が出てきます。
これで簡易蛇口の完成です。
便利で水の節約にも繋がります。
洗濯機の扉がロックされたまま、状況によっては何日も洗濯物が取り出せなくなる事を想像すると、台風時の洗濯機は運転させない方が良さそうです。
洗濯と乾燥は、台風が近づく前に済ませてしまいましょう。
普段から、冷蔵庫には隙間を空けて食材を保存しましょう。
ぎっしりと詰め込むと、庫内全体に冷気が十分に行き渡らず、食品の鮮度を悪化させてしまうためです。
冷凍庫は、冷蔵庫とは反対に隙間があれば、埋めていきましょう。
おすすめは、水を入れたペットボトル等をぎっしり詰めて冷凍することです。
冷凍庫に食品や飲料がぎっしりと詰まっていることで、それ自体が保冷剤の役割となります。
ペットボトルの氷は、溶けたら冷たい飲料水にもなるので、一石二鳥です。
冷蔵庫のものをなるべく長く保存したい場合は、庫内の温度が上がりはじめる前に、冷凍庫へ移動させる方法もあります。
ただし、その場合は、冷凍庫の温度上昇は早められてしまうこともお忘れなく。
停電後の冷蔵庫の開閉は最低限にして、庫内の温度上昇を防ぎましょう。
いずれにせよ、2日足らずで冷蔵庫の温度は室温に近づいてしまうため、それまでに食品を無駄なく消費出来るように工夫しましょう。
IHクッキングヒーターのご家庭では、カセットコンロとガスボンベも準備しておきましょう。
ガスボンベは25℃の環境下で大人2人のレトルトを朝昼晩の3回(1日分)加熱調理すると、およそ0.6本消費します(引用:岩谷産業株式会社http://www.i-cg.jp/support/faq/gas/)。
最低でも3日分のガスボンベは備蓄しておきましょう。
換気扇が使用できない状態で加熱料理をすると、熱気がリビングまで広がってしまい、ムシムシと不快な思いをする場合があります。
長時間加熱が必要な煮込み料理や、煙の出やすい焼き物料理などは避け、短時間で調理できる料理を想定しておきましょう。
モバイルバッテリーを台風が近づく前に充電しておきましょう。
停電中は、モバイルバッテリーがあるだけで、安心感が違います。
機種によっては、ノートPCなどにも充電できるタイプもあります。
停電の復旧情報などはラジオからも流れます。携帯ラジオを常備しておくと、スマホの電源が切れた後でも外部の情報を入手することが出来ます。
免疫力を活性化させる主要な栄養素はタンパク質です。
災害時において、タンパク質は主に魚や肉の加工食品(主に缶詰など)から摂取することが出来るため、常備しておきましょう。
ただし、一度体調不良になってしまうと、食欲も減退する傾向にあります。
そんな時のために、水と一緒に飲むだけで摂取できるタンパク質のサプリメントの常備もおすすめします。
効率よくタンパク質を摂取できるサプリメントが「非常用 さかなのチカラ」です。
タンパク質を体内で吸収されやすい「魚肉ペプチド」にしているので、体調不良のときでも効率よく体内に取り込むことが出来ます。
「非常用さかなのチカラ」は、賞味期限が製造日より5年間あります。非常食の中に常備しておくだけで、もしもの時に安心です。
ぜひ、この機会に、「非常用 さかなのチカラ」を常備されることをおすすめします。
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