夏になるとなんとなく体がだるい、疲れやすい、食欲が出ないといった症状が気になる人はいませんか?それは「夏バテ」かもしれません。大した症状ではないから、といって放置していると、免疫力が低下して病気にかかるリスクが高まるおそれもあります。
夏バテには、いくつかの原因があります。原因とそれぞれの対処方法を知り、夏バテを撃退して元気に夏を過ごしましょう。
一言で「夏バテ」といっても、体調を崩してしまういくつかの原因があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
夏場は炎天下の屋外と、エアコンが効いた涼しい室内で気温差が大きくなりがちです。屋外と室内を何度も行き来していると、体温調整をしている自律神経のはたらきが乱れやすくなります。
自律神経は、消化器や呼吸器など内臓の機能を調整する器官でもあります。そのため自律神経がうまくはたらかなくなると、疲れやすくなる、食欲が落ちる、胃腸の調子が悪くなる、めまいや立ちくらみがするなどの夏バテの症状が現れるのです。
屋外と室内を移動することが少ない人でも、冷房が効いた部屋で長時間すごしていると、体調を崩すことがあります。体が冷えて血行が悪くなり、肩こりやむくみが起きてしまうのです。冷えが内臓に伝わり、下痢になることもあります。冷房で冷えた部屋の中ですごしていても夏バテになる可能性があるので、注意してください。
日本の夏は年々気温が上がり、最高気温が35℃以上を記録する猛暑日も少なくはありません。加えて湿度も高く、蒸し暑くて不快感を覚える湿度75%以上になる日も。
夏の暑さでたくさん汗をかくと、体内の水分とミネラルが一緒に失われます。このときに水分とミネラルをきちんと補給しなければ、脱水症状が生じてしまうのです。重度の脱水症状になると意識障害や血圧低下などが起こりますが、ごく軽度であればめまいや立ちくらみといった症状が現れることがあります。汗のかきすぎによる水分とミネラルの不足も、夏バテの原因といえるでしょう。
汗によって体温が下がるのは、汗が蒸発する際に体の熱が奪われるためです。しかし湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体に熱がこもってしまいます。すると体温をうまく調整できなくなり、自律神経のはたらきの乱れにつながります。日本ならではの高温多湿という環境も、夏バテを引き起こす原因になるのです。
暑い季節につい手が伸びてしまうのが、冷たい食べ物や飲み物ですね。冷えたジュースやアイス、ビールなどを口にした瞬間は、涼を感じて癒されます。しかし暑いからといって冷たい食品ばかり摂っていると、内臓が冷えて胃腸のはたらきが悪くなり、下痢をまねくことがあります。
胃腸の調子が悪いと、食欲が落ちてきちんと食事が摂れず、栄養不足になって夏バテをさらに悪化させてしまうかもしれません。また下痢がひどいと、脱水症状を引き起こすおそれもあります。
夏バテには、大きく3つの原因があることがわかりました。ここではその原因別に、夏バテになってしまったときの対処法をご紹介します。
体の50〜60%が水分であるといわれるように、私たちはたくさんの水分を体内に湛えて健康を維持しています。汗をかいて水分が大量に失われると、栄養と酸素の運搬や老廃物の排出などが難しくなるため、体が正常に機能できなくなります。
汗をたくさんかいたときに、頭がぼんやりする、倦怠感があるといった症状が見られたら、早めに水分とミネラルを補給してください。汗には水分だけではなく、ナトリウム・カリウム・鉄といったミネラルも含まれるので、水分と一緒にミネラルを補給することがポイントです。汗をかいて体調不良を感じた場合は、体にすばやく吸収される経口補水液を利用しましょう。
汗をたくさんかく人は、日常の食事で水分とミネラルを意識的に摂取することも大切です。トマトやとうもろこし、なす、きゅうりといった夏野菜には水分とミネラルが豊富に含まれています。このような夏野菜を使った料理はカラフルで、食欲を刺激する効果も期待できます。
冷たいものを摂りすぎて内臓が冷えてしまったら、温かい食べ物や飲み物を摂って体温を上げましょう。冷房が効いた室内でも水分補給は大切ですが、冷たいドリンクではなく、温かいお茶や常温の水を飲むようにしてください。
体を温める食材を食事へ取り入れるのもおすすめです。唐辛子は、辛味成分「カプサイシン」がエネルギーの燃焼を促進し、血行を改善してくれます。しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールは、血管を広げて血の巡りをよくしたり、体を芯から温めたりする効果が期待できます。食事に、温かいスープや味噌汁をプラスするのもよいでしょう。
食事のあとに、体が温かくなったと感じたことはありませんか?それは食事から取り込んだ栄養素が吸収・分解される過程で、熱が生じるためです。この熱は、糖質や脂質よりもたんぱく質を摂取したときに多く発生します。たんぱく質を摂ると体温が上がりやすくなるので、たんぱく質を多く含む食材を積極的に摂取して、冷えてしまった体を温めましょう。
屋外と室内の大きな気温差で、体がだるくなったり疲れがたまったりしたときは、疲労を回復できる食べ物を摂りましょう。疲労回復にはビタミンB1がおすすめです。ビタミンB1には、ご飯などに含まれる糖質がエネルギーに変わるのを助けるはたらきがあります。ビタミンB1を十分に摂っていれば、糖質が効率よくエネルギーに変わるため、疲労がすばやく回復する効果が期待できます。
ビタミンB1は豚肉や、夏に旬をむかえる枝豆に豊富な栄養素です。玄米や胚芽米にも多く含まれるため、毎日のご飯に玄米や胚芽米を加えて炊くと、習慣的にビタミンB1を摂取できます。
ビタミンB1はにんにくやねぎ、玉ねぎ、ニラなどに含まれる「アリシン」と一緒に摂取すると、体のなかで効率よく利用される特性があります。これらの野菜が持つ強い香りには、夏バテで低下した食欲を高める作用があるため、ビタミンB1を含む食材とともに夏の食事へ積極的に取り入れてください。
夏はそうめんやうどんなど、糖質が多い食事になりがちです。栄養が偏ってしまうので、たんぱく質・ビタミン・ミネラルを意識して摂るようにしましょう。
特にタンパク質は、筋肉の疲労回復に必要な栄養素です。タンパク質が不足していると体力が低下して、夏バテを悪化させるおそれがあります。たんぱく質といえば肉を思い浮かべるかもしれませんが、食欲が落ちているときはあっさりした魚や、口当たりのよい豆腐などを食べてたんぱく質を補給するのがおすすめです。
夏バテにより食欲が低下して、栄養が偏ったり不足したりしたときは、タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。しかし、タンパク質を多く含む肉類は脂が多くこってりしていて、食欲が落ちてしまったときには食べづらいですよね。
夏バテしたときのタンパク質摂取には、魚をおすすめします。魚は肉よりも脂質が少なく、味わいがあっさりしており、食欲がないときでも食べやすい食材です。
魚肉たんぱく質は、体に必要なアミノ酸をバランスよく含んでいます。アミノ酸はタンパク質を構成する物質であるため、魚肉は効率のよいたんぱく質摂取に有効といえます。
タンパク質は疲労した筋肉の修復をサポートしたり、冷えた体を温めたりして、夏バテからの回復に役立つ栄養素です。「夏バテになったかも?」と感じたら、食事に魚肉たんぱく質を取り入れて、回復に努めてください。
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今回は夏バテの原因と回復する方法をご紹介しました。
夏バテにならないよう予防も大切ですが、バテてしまったら、無理をせず回復に努めましょう。夏バテの不調を引きずって、夏が終わってもバテ気味が続く「秋バテ」に移行しないようにしたいですね。
健康に気を付けながら、夏の季節を楽しく過ごしましょう。