40代になり、筋力や体力が低下してきたと感じていませんか?加齢によって徐々に筋力は低下しますが、筋トレを続けることで何歳からでも筋肉は増やせます。この記事では自宅でできる簡単な筋トレと、40代から続けるためのコツを解説します。
40代になり、筋力の衰えを感じている人もいるのではないでしょうか。実際に、40代では筋肉の減少が始まっていると考えられています。加齢によって筋肉量が減少する理由は大きく2つあります。
筋肉は、筋繊維と呼ばれる細胞が集まってできています。加齢によって筋繊維が減少したり萎縮したりすることで、筋肉量が低下します。
運動に関わる神経の数が減少することや、筋肉を作るのに必要なホルモンの分泌量が低下し、体内での効きも悪くなることが原因と考えられています。
全身の筋肉量が低下し始めるといわれているのは、男性では40代、女性では50代からです。特に筋肉量の多い下半身の筋肉は、20代からすでに減少が始まり、減少量も大きいことが知られています。
活動量が低下すると筋繊維の萎縮がさらに進みやすくなり、筋肉量の低下につながります。40代になり昇進して現場で動き回る仕事が減る、最近ではリモートワークで出社しなくなるなどの原因で活動量が減ると、加齢による変化に拍車がかかるでしょう。
40代から筋肉量を維持・向上させるためには、活動量を増やすことが大切です。特に筋トレを行うと筋繊維を支配する神経の働きが活発になり、筋繊維が増え筋肉量が増加するといわれています。
「40代から筋トレをしても遅い」と思われがちですが、筋トレは何歳であっても有効です。90代の高齢者でも、筋トレによって筋肉量が増加し、筋力も改善したという研究結果もあります。40代から筋トレを始めれば、筋力アップは十分期待できます。
筋トレを始めて筋肉量が増えることは、体力アップ以外にも健康面でのメリットが多くあります。筋トレは病気を予防し、将来の健康維持にもつながる運動です。ここでは、40代から筋トレを始めるメリットを5つご紹介します。
安静にしていても消費するエネルギー(カロリー)を基礎代謝といいます。基礎代謝のうち、2割は筋肉が消費するエネルギーです。基礎代謝は年齢が上がるごとに下がっていきますが、その原因のひとつが筋肉量の低下によるものといわれています。
40代からの筋トレで筋肉を増やすことは基礎代謝を上げ、太りにくい体づくりにつながります。特に下半身の大きい筋肉を鍛え、筋肉量を維持することが基礎代謝の改善に効果的です。
筋トレは高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防につながることが知られています。これらの病気は動脈硬化の引き金になり、心筋梗塞や狭心症などの心臓病の発症リスクを高めます。筋トレは、生活習慣病だけでなく心臓病の予防にも役立つのです。
骨粗鬆症とは骨がスカスカになり、強度が低下するため骨折しやすい状態になる病気です。骨量は40代から低下し始めることが知られており、特に女性は50歳前後での女性ホルモンの低下が原因となり、一気に骨量が低下します。
筋トレをして骨に刺激が加わると、骨密度が高くなり骨が強くなるといわれています。筋トレは筋肉だけでなく、骨を作るのにも役立つのです。
筋トレのように一定のリズムで動く運動をすることは、脳の幸せホルモンであるセロトニンの分泌を高めるため、メンタル面での改善にも効果的です。また、40代から筋トレを実践することで「やればできる」という自己効力感が高まり、精神的な健康度を高められるというメリットもあります。
40代から筋トレに取り組むことは、将来の「ロコモ」を予防し、健康長寿の実現につながります。
ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略称です。筋肉や関節、骨、神経などの運動器の機能が低下することが原因で歩くことが困難になり、要介護の可能性が高い状態を指します。加齢や病気によって進行し、体が思うように動かないため、外出しなくなるとさらに筋肉量が減少する負のスパイラルが起こります。
ロコモが進行すると、転倒によるケガや骨折などが起こりやすくなり、寝たきりや要介護状態になるリスクが高まります。
筋肉量が低下し始める40代から筋トレを始め、筋肉量の低下を防ぐことがロコモの予防に大切です。特に歩行機能を維持するためには、上半身より下半身の筋トレを積極的にしましょう。
ここでは、40代から始めるのにおすすめのトレーニング方法を4つ紹介します。いずれも道具は必要なく、初心者でも簡単に自宅でできる方法です。
筋トレでは、上半身より下半身を中心に鍛えるのがおすすめです。ロコモ予防に役立つのはもちろん、お尻やももの裏などの大きい筋肉を鍛えることで、40代からでも効率よく筋肉量が増やせます。ぜひ実践してみてください。
足を肩幅に広げて立ち、お尻を後ろに引きながら膝を曲げ、ゆっくりと元に戻します。
まずは5~6回を1セットとして、1日3セット行います。楽にできる場合は、回数を増やしてみましょう。
かかと(ヒール)を上げる(レイズ)運動です。両足で立った状態で、ゆっくりとかかとの上げ下げを繰り返します。
10~20回を1セットとして、3セットを目安に行ってみましょう。負荷を上げたい場合は、壁に手をついて片足で行う方法もあります。
腰に両手をつき両足で立った状態から、片足をゆっくり前に踏み出します。太ももが水平になるくらいまで腰を下げてから、踏み出した足を元に戻します。
体幹の筋肉を使い、上半身はまっすぐ起こした状態を維持しましょう。足を踏み出すと同時に上半身をひねると、腹筋も合わせて鍛えられます。1日に5~10回×3セットが目安です。
姿勢をまっすぐにして立ち、片足を床につかない程度に上げて1分キープします。転ばないよう、机や壁につかまって行いましょう。1日に左右それぞれ3回ずつが目安です。
小さい動きですが、立派な筋トレになります。また、バランス感覚や集中力アップにも役立ちます。
40代から筋トレを始めるなら、より効果的な方法で行いたいものです。ここでは、筋肉を増やすためのトレーニングのポイントを3つ解説します。
簡単な動作でも大きな効果を得るためには、ゆっくり動くことが大切です。筋肉の緊張状態を長時間保つことで、筋肉への刺激が強くなります。
基本の動作は3~5秒かけて動き、また3~5秒かけて元に戻しましょう。このとき完全に元に戻さずに次の動作に入ると、より負荷を高められます。スクワットなら膝を伸ばし切らずに、ヒールレイズならかかとを完全につかずに次の動作に移るとよいでしょう。
ロコモ対策のための筋トレは、1回30分×週2回の実施が目安です。また心臓病など病気の予防の観点からも、週に30~60分の実施が効果的といわれています。
筋トレ時間がそれ以上長くなると、病気のリスクを下げる効果が小さくなり、週に170分を超えると反対にリスクが上がるという研究結果が報告されています。また、筋トレによって傷ついた筋肉が回復するには24~48時間かかるため、40代の方は毎日は行わず筋肉を休ませることも大切です。
ただし、習慣化のためには毎日決まった時間に行うと日常生活に馴染みやすくなります。筋トレを毎日する場合は、種目を日によって変え、同じ部位に毎日連続で負荷をかけないようにするのがおすすめです。
筋トレと合わせて、食事改善も行うとより効果的です。筋肉を作るためには、筋肉の材料を食べ物から摂取する必要があります。また、体内で筋肉を作る過程には、タンパク質や炭水化物、ビタミンなどさまざまな栄養素が関わっています。
必要な栄養素をまんべんなく摂取できるよう、食事は1日3食バランスよくとることが大切です。特にタンパク質は、筋肉の材料として必要な栄養素です。主なタンパク質源となる食材は魚や肉、卵、大豆製品や乳製品です。
タンパク質が不足しがちな40代の人は、魚の缶詰や魚肉ソーセージ、豆腐や納豆、ヨーグルトなど手軽にとれる食品で補うのがおすすめです。普段の食事にプラスするか、筋トレ後に間食として取り入れるとよいでしょう。
食事からとりきれない場合は、サプリで補う方法もあります。鈴廣かまぼこの「サカナのちから」は、魚のタンパク質から作られた魚肉ペプチドを簡単にとれるサプリです。
吸収率が高く、体内で筋肉などの合成に効率よく使われる魚肉ペプチドが、健康で若々しい40代の日々をサポートします。
「サカナのちから」は、お手軽なサプリメントタイプなので、毎日サッとタンパク質の摂取が可能です。
筋トレの効果を上げるために魚肉たんぱくを取り入れて、40代からの筋力アップを目指しましょう。
筋トレをしたいけれど、ついつい続かず三日坊主になってしまった経験はありませんか?そんな40代の方へ筋トレを続けるための習慣化のコツを紹介します。40代の今の自分に合ったものを取り入れてみましょう。
ただ「筋トレをしなければ」という気持ちだけでは、やる気が起きにくいものです。筋トレをしてどうなりたいのか、目標を決めると続けやすくなります。
1年後に体脂肪率〇〇%にしたい、憧れの芸能人の〇〇さんのような体になりたい、体力に自信をつけて〇〇にチャレンジしたいなど、目標が明確であるほどモチベーションは高まります。達成している未来の自分を具体的に思い浮かべてみましょう。
目標を決めたら紙に書き、目につくところに貼っておくことが忘れないようにするコツです。
筋トレをやろうと決めても「気が向いたらやろう」では、ずるずると後回しになってしまいます。起きてすぐや夕食の前など、取り組む時間帯を具体的に決めるのがおすすめです。
また、すでに習慣になっていることとセットにすると習慣化しやすいといわれています。歯磨きしながら片足立ち、洗い物をしながらヒールレイズなど、生活の中に組み込めるタイミングを探してみましょう。
筋トレすることをつい忘れないための工夫も大切です。スマートフォンでアラームをかける、筋トレ記録用のカレンダーを目につくところに置くなど、思い出すきっかけを作りましょう。また、全身鏡や体重計を置くと意識づけだけでなく、体型チェックにも役立ちます。
最初はあれもこれもやろう、回数もたくさんやろうと意気込んでしまいがちですが、これが実は挫折につながります。体も心も急激な変化にはついていけません。できるだけハードルを下げ、簡単なことを少ない回数から始めるのがおすすめです。
まずは1種類、1回だけでもやろうという気持ちで始めるのがよいでしょう。たいていの場合、一度始めると1回で終わらずに10回くらいはできるものです。まずは「やる」ことを習慣化し、種類や回数は少しずつ増やしていきましょう。
ひとりではついサボってしまう人でも、報告する相手がいると続けやすくなります。家族や友人など、同じ目的を持った仲間を作るのがおすすめです。最近では40代の同年代で仲間を探せる習慣化アプリもあるため、活用するのもよいでしょう。
40代は筋肉の減少が始まり、基礎代謝も低下しやすい年代です。しかし、今からでも筋トレで改善することは可能です。体力がつく、痩せやすくなるだけでなく、将来の病気やロコモの予防にもつながるというメリットがあります。
上半身よりも下半身を中心に、週2回の筋トレ習慣を40歳から身につけましょう。筋トレを続けることは「やればできる」という自信にもつながります。三日坊主にならないために、目標やタイミングを決める、仲間を作るなど、工夫して継続していけるとよいですね。