「得意先との商談でだらだら鼻水が…」
「かゆくてイライラ、家族にきつくあたってしまう…」
「くしゃみがとまらず勉強どころではない…」
完治が難しいといわれる花粉症。
私たちは症状に苦しみ続けるしかないのでしょうか。
しかし、花粉症にならない人もいます。
花粉症になる人とならない人、いったい何が違うのでしょう。
花粉症の人でも症状を軽くする工夫があるならなら、参考にしたいですね。
春は、つらいスギ花粉の時期ですが、本来は気分が高揚して新しいことにチャレンジしたくなる季節です。快活な春を過ごせるよう、花粉症の特徴やならない人のセルフケアをお伝えします。
花粉症は、花粉によってひきおこされるアレルギー疾患の総称です。
原因はスギやヒノキ、シラカバなどの花粉です。
日本では、スギ花粉症が7〜8割を占めています。
毎年2月〜3月はじめごろに症状があらわれます。
主な症状はこちらです。
さらに、関連症状があります。
鼻水がのどに流れて刺激になり、のどの痛みや咳がでます。
鼻づまりは呼吸がしにくいため、頭痛やだるさをひきおこします。
花粉症は「免疫」に関わります。
免疫は、菌やウイルスなど異物から体を守るしくみです。
「自然免疫」と「獲得免疫」で成り立ちます。
自然免疫は、生まれつき体にそなわっています。
自分ではないもの「異物」を認識して除去するのです。
例えば、菌が人間の体に侵入したとします。
免疫細胞が、菌を攻撃します。
免疫細胞は、体を守る兵士のような存在です。
菌を攻撃したり応援を頼んだり、さまざまな種類がいます。
一方、獲得免疫は生きていく過程で新たに身につきます。
異物専用の対応をする免疫です。
自然免疫で対処しきれないときは、獲得免疫の出番です。
最初に対応した免疫細胞は、菌の情報を別の免疫細胞に伝えます。
情報をもとに、この菌専用の武器がつくられます。
この武器を「抗体」といいます。
抗体は、他の免疫細胞と協働して異物を除去します。
花粉も同じです。
花粉が侵入すると、まず自然免疫がはたらきます。
免疫細胞は、花粉を異物と認識して攻撃します。
花粉が少なければ、初動部隊の免疫細胞だけで対処できます。
しかし、花粉が大量に侵入すると、自然免疫だけでは追いつかなくなります。
こうして花粉情報をもとに抗体をつくるのです。
これは「IgE抗体」といいます。
IgE抗体は「マスト細胞」という免疫細胞に付着します。
IgE抗体と合体したマスト細胞は、花粉に触れると化学物質を出すのです。
放出される物質は、ヒスタミンやロイコトリエンです。
ロイコトリエンは、鼻の血管に作用して鼻づまりを起こします。
ヒスタミンは鼻や目の神経を刺激して、涙や鼻水、くしゃみを起こします。
これが、花粉症を発症した状態です。
症状は、体を守るための反応です。
鼻づまりは鼻の通りを狭くして花粉の侵入を防ぐため。
くしゃみや鼻水は花粉を外に出すためです。
本来は体を守る免疫が、過剰反応することを「アレルギー」といいます。
花粉症は、花粉によるアレルギーなのです。
なぜ花粉症にならない人がいるのでしょうか。
違いをみていきましょう。
花粉症にならない人となる人の違いは3つです。
花粉専用の武器、IgE抗体は症状をひきおこす要因でした。
IgE抗体のつくりやすさは、遺伝の影響を受けるといわれています。
遺伝の影響を受けず、IgE抗体をつくらない人は花粉症になりません。
住んでいる地域によって花粉症にならない人がいます。
花粉が少ない地域だからです。
例えば、沖縄に住む人は花粉症にまったくなりません。
花粉症の原因で最も多いスギが生息していないからです。
「遺伝や環境など自分ではどうにもならない」
そう思う方もいるでしょう。
花粉症にならない人の特徴はまだあります。
花粉症に悩む私たちがまねできることは、ここからです。
自分で体を守るケア「セルフケア」を実践していきましょう。
3つ目の違いは、生活習慣です。
生活習慣をととのえると、粘膜などの防御機構を強化できます。
免疫のバランスも保たれ、発症を遅らせたり症状を緩和できるのです。
花粉症にならない人は、免疫バランスが崩れる生活習慣を見直します。
加えて、日常に「花粉を避ける生活行動」を取り入れています。
「こんなにいろいろいわれても難しい」
という方もいると思います。
まずは「花粉を避ける生活行動」と「毎日の食事の見直し」からはじめてみましょう。
食事は免疫に大きく貢献します。
花粉を物理的に避けることは、症状をおさえるのに効果的です。
次から、花粉を寄せつけない具体的な対策や食事面で気を付けたいことをお伝えします。
花粉を避けるための、具体的な対策を説明します。
インターネットなどで、花粉の飛散予測情報を確認できます。
花粉が多い時間帯は、外出を控えるのが理想です。
羊毛のセーターなど毛足の長い服は、花粉がつきやすいため避けてください。
ナイロンなど、化学繊維のつるつるした服がよいでしょう。
帽子も、頭部への付着を防げます。
花粉は、目や口、鼻の穴から侵入します。
マスクやメガネで、侵入経路をふさぎましょう。
マスクは、装着の仕方が重要です。
装着が甘いと、すきまから花粉を吸い込んでしまいます。
内側に湿らせたガーゼを挟むのも効果的です。
ドアの前で、帽子や衣服の花粉をはらいましょう。
うがいや洗顔で、顔やのどの花粉を洗い流してください。
全身についた花粉を流すため、毎日入浴するとよいでしょう。
花粉の多い日は、窓を閉めきります。
換気するときは、網戸とレースカーテン越しに、風上の窓をすこしだけあけましょう。
洗濯物の外干しは避けます。
部屋を加湿すると、浮遊している花粉を落とせます。
拭き掃除で床に落ちた花粉をとりのぞきましょう。
花粉症対策の視点から、食事のポイントを説明します。
お酒と野菜、果物は注意してください。
飲酒は鼻の粘膜が充血し、鼻づまりを悪化させます。
りんごやもも、セロリなどを食べると口内がかゆくなることがあります。
花粉症のときになりやすい「口腔アレルギー症候群」かもしれません。
詳しい診察を受けましょう。
アレルギー症状がなければ、野菜や果物は積極的にとりたい食材です。
炎症を抑えるビタミンCや、腸に良い食物繊維を摂取できます。
全免疫細胞のうち、約70%が腸に集約されています。
腸の状態がよいと、免疫力が高まるのです。
納豆や味噌などの発酵食品、きのこや野菜などの食物繊維は、腸機能を高めます。
タンパク質は、体内でアミノ酸に分解されます。
アミノ酸は、体に必要な材料につくりかえられます。
骨や筋肉など体づくりのもとになるのです。
でも、それだけではありません。
免疫や体の調子をととのえるのにも必要です。
異物排除を助ける免疫グロブリンは、タンパク質でできています。
免疫を担うリンパ球や、免疫細胞が多い腸粘膜細胞のエネルギー源は、グルタミンというアミノ酸です。
皮膚や粘膜の材料でもあるため、異物の侵入を防ぐバリア機能にもかかわります。
代謝に不可欠な酵素も、タンパク質です。
代謝は、生命維持にかかわります。
食べものからエネルギーを取りだしたり、必要なものにつくり変えたりする機能です。
いろいろなホルモンも、タンパク質を分解したアミノ酸からつくられます。
例えば、睡眠にかかわるメラトニンや幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなどは、アミノ酸のトリプトファンが材料です。
このように、さまざまな場面でタンパク質が活躍します。
タンパク質を構成するアミノ酸は、全部で20種類。
このうち9種類は、体内で合成できない「必須アミノ酸」です。
肉や魚など動物性タンパク質は、植物性タンパク質よりも体への吸収率が高く、必須アミノ酸を豊富に含んでいます。
肉は優秀なタンパク質ですが、動物性脂肪も多く含みます。
動物性脂肪は、消化吸収に時間がかかるため胃腸に負担をかけるのです。
茹でて油を落とす、脂身の少ない部位を選ぶなど工夫すると良いでしょう。
一方、魚は低脂質で良質なタンパク質がとれます。
また、肉よりも消化しやすい特徴があるため、胃腸への負担も軽減できます。
魚なら煮たり焼いたりするだけでなく、刺身で生のまま食べることもできます。
ちくわやかまぼこ、缶詰でも簡単に取り入れられます。
毎度の食事からタンパク質を摂るのが難しい場合は、たんぱく質を補給できるサプリなどを活用すると手軽でよいでしょう。
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ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
花粉症には、免疫がかかわります。
ならない人の特徴は、遺伝や環境などどうしようもないこともありました。
しかし「生活習慣」は努力で変えられます。
免疫に大きく貢献する「毎日の食事」から見直してみるのもいいでしょう。
「花粉を避ける生活行動」もすぐに実践でき、症状をおさえる効果が期待できます。
快活な春を過ごすために、花粉症にならない人のセルフケアをまねしてみてください。