あなたは日頃から「疲れやすいな」と感じていませんか? もしそうなら、あなたは「休養するのが下手な人」なのかもしれません。
仕事や家事、育児など、日常の中でどうしても身体的・精神的ストレスは積み重なっていきます。仮に1日で積み上がるストレスが+100あっても、休養により-100できれば翌日は疲労感なく元気に活動できますが、休養が足りなくて-50しかできなければ、翌日にストレスを+50持ち越すことになってしまいます(図1)。
身体的・精神的ストレスを休養でうまくリセットできないと「疲れた…」と疲労を自覚するようになります。これが続くと、ちょっとしたことで疲れやすいと感じるようになります。
つまり、疲れやすい人は、日々の身体的・精神的ストレスを休養によってうまく解消できない人ということになります。
こういう人は日本では少なくありません。勤勉で生真面目な人が多く、休みなく活動・努力し続けることを良しとし、休むことを悪とする価値観が社会全体に広がっていますから、休養を軽視してしまうのは仕方ないことかもしれません。こうして日本人の多くが「休養するのが下手な人」になっていると思われます。
あなたが疲れやすさを感じて悩んでいるのなら、それは身体からのSOSサインです。自分に合った十分な休養が取れるように生活を改善したり、環境を整えたりして、毎日の身体的・精神的ストレスを解消することが必要です。
では、上手に休養して疲れにくい身体になるためにはどうすればいいでしょうか。
日本体育大学の杉田正明氏と片野秀樹氏が提唱している「休養モデル」では、休養を①生理的休養、②心理的休養、③社会的休養の3つに分類しています(表1)。ここでは主に①生理的休養(休息、運動、栄養)についてポイントを解説します。
毎日の身体的・精神的ストレスを解消するために、「睡眠」はとても良い方法です。
睡眠はただ電源OFFになっている無駄な時間ではなく、自動的に脳・心・身体のメンテナンスを行っている時間です。寝ることで日中に蓄積した疲労を回復させるだけでなく、記憶の整理や脳の老廃物除去などにも役立ちます。脳はエネルギーをたくさん消費する臓器ですから、どうしてもその過程で活性酸素が発生し、酸化して使えなくなった老廃物や、アルツハイマー病との関連が指摘されているアミロイドβなどの老廃物が出てきてしまいます。これらを掃除することで、次の日から脳が働きやすくなります。さらに、記憶が整理されれば、覚えたことを思い出しやすくなります。
ですから、疲れやすいと感じている人は、できるだけ質の高い眠り(入眠がスムーズで、十分に深い眠りの時間がある)を取れるように意識して睡眠環境を整えましょう。
睡眠を良くするためのポイントをいくつか表2に示しますので、参考にしてください。
なお、長く寝れば寝るだけ休養ができるわけではありません。適切な睡眠時間は人それぞれ(多くの人は6~8時間ほど)なので、日中に眠気が出て困らない程度の自然な睡眠を取り、毎日の睡眠・覚醒リズムを良い状態に保つことが大切です。
身体的ストレスが蓄積すると疲労につながることから、「疲れにくくするためには、なるべく身体を動かさない、運動しない方がいい」と考える人がいるかもしれません。
でも、スポーツや運動などで適度にかかる身体的なストレスは、爽やかで気持ちの良い疲労感をもたらしますよね。このことは「快ストレス」と呼ばれます。快ストレスは交感神経を活性化し、適度な緊張感のある中で、最高のパフォーマンスを発揮するように働きます。
日中に適度に運動することは、夜の寝つきを良くします。また、体内の新陳代謝が高まることで、各種ストレスにより傷ついた細胞などを新調することにもつながります。つまり、より効率的に身体を回復でき、疲れが残らない状態で翌朝を迎えることができます。
ですから、疲れにくい身体になるためには、適度に運動をした方がいいのです。ごく軽い・短時間の運動でも良い効果があることが分かっています。
例えば、1日中座ってパソコン作業をしている運動不足の人が、階段昇降をゆっくり10分間行うだけで、心の活力が高まったという研究5)や、週に合計1時間以上、ウォーキングやサイクリングなどで軽く身体を動かすだけでも心の健康を維持できる可能性を示したノルウェーの研究6)があります。この他にも、短時間の軽い運動で記憶力や幸福度がUPするという報告も出ています。
疲れにくい身体を目指している人にとって、負担のない範囲で運動をすることはむしろ必要なことだと言えます。
疲れにくい身体をつくるために欠かせない要素が「栄養」です。
当たり前ですが、エネルギーがなければ身体は動きませんし、バランスよく栄養素が揃っていなければ、新陳代謝がうまくできません。エネルギーや栄養不足で無理に身体を動かしたら、すぐに疲れてしまうはずですよね。
ですから、五大栄養素(たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、糖質・食物繊維)がバランス良く含まれる食事をしっかり摂ることが休養の基本となります。
栄養バランスを良くするための簡単な方法は、1食ごとに主食(糖質)・主菜(たんぱく質、脂質)・副菜(食物繊維、ビタミン、ミネラル)の揃った定食タイプの献立を意識することです。
外食するときは、ランチセットにサラダや小鉢を追加したり、野菜をトッピングしたりすることでバランスが良くなります。コンビニで買うときは主食(おにぎり、パン)が多くなりがちなので、サラダやスープを副菜に、サラダチキンなどの肉、魚・豆腐などの総菜を主菜として選ぶといいですよ。
とはいえ、忙しいときには思ったようにバランスの良い食事が摂れないときもありますよね。このところバランスが悪い食事が続いているなと思ったら、サプリメントで不足分を補ってもよいでしょう。
ここまで、睡眠・運動・栄養にフォーカスして、疲れない身体づくりのための休養法について解説してきました。
運動するために栄養、特にたんぱく質が必要であることは言うまでもないですが、実は睡眠に対してもたんぱく質は関係しています。例えば、睡眠・覚醒リズムを整える役割のあるメラトニン(別名:睡眠ホルモン)は、たんぱく質に含まれるトリプトファンというアミノ酸から作られるのですが、トリプトファン自体は体内で合成することができないので、食事から摂る必要があります。寝るために必要なホルモンを作るためにも、寝ている間に筋肉などの組織を作る/修理するのにもたんぱく質は重要なのです。
最近、たんぱく質を積極的に摂ることの重要性がよく知られるようになりました。筋トレやダイエットに興味がある人に向けて宣伝していることが多いですが、疲れやすい人にとってもたんぱく質を十分に摂ることは大切です。
たんぱく質は筋肉をつくるだけではなく、全身の細胞や組織を作る材料になります。元気に活動すれば、そのぶん酸化ストレスなどによるダメージを受けてしまうのですが、たんぱく質が十分に摂れていれば身体を回復させやすくなります。ですから、普段からたんぱく質を積極的に摂るようにしましょう。たんぱく質を多く含む食品(卵・肉・魚・大豆製品)を毎食、手のひら1杯分(約100g)摂るのが目安です。
特に魚肉は牛肉や豚肉よりも脂質が少なく、体内で消化しやすいのが利点です。
魚肉のたんぱく質はアミノ酸バランスがよく、消化性にも優れている上、低脂肪である点に注目です。
魚肉たんぱくで効率良く質のよいたんぱく質を摂りたいです。
魚肉たんぱく質をより効率的に補給したい方におすすめなのが魚肉ペプチドです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
食べた分がどれだけ身体を作るのに使われたかを示す「正味たんぱく質利用率」は魚肉ペプチドは97%で、大豆(61%)や牛肉(67%)、牛乳(82%)を上回ります。
疲れにくい身体づくりを目指し、たんぱく質をサプリメントで補充したい方のために、魚肉タンパクを効率よく吸収できるサプリメント「サカナのちから」をご用意しています。もしよろしければ活用をご検討ください。
今回は、疲れにくい身体を目指すための休養のうち、睡眠・運動・栄養法についてご紹介しました。これらを適切に行うことで、疲れを翌日まで持ち越すことがなくなれば、疲れにくい身体を手に入れることができます。ぜひ今回ご紹介した内容に取り組んでみてください。
特に、たんぱく質は睡眠・運動・栄養のいずれにおいても大切なものです。たんぱく質を意識して摂ることは、次の食事からすぐ取り組めることですよね。たんぱく質を多く含む食品やサプリメントをうまく活用してみてくださいね。