台風や大雨の影響で、緊急避難しなければならない場面を見る事も増えてきました。
一般的に避難所に救援物質が届くのは、災害発生3日後と言われています。それまでの間に、いかに自分の体調を維持する行動をとることができるか・・・それには、非常持出しでいかに「良質なたんぱく質」を確保できるか、がポイントです。その理由を説明していきましょう。
非常時のたんぱく質の大切さを知るためには、災害後の飢餓の状況に応じた代謝の変化のメカニズムを理解しておくことが必要です。短期・長期・侵襲時に分けて説明していきましょう。
飢餓当初は、肝臓や筋肉中に蓄えている糖質(グリコーゲン)を分解したグルコースをエネルギー源として使用します。しかし貯蔵量は少なく、絶食すれば十数時間で枯渇してしまいます。
そうすると生体は筋肉を中心とした体たんぱくを分解して生じたアミノ酸を次のエネルギー源にしようとします。筋肉の分解によって生まれたアミノ酸(アラニン)が肝臓に運ばれ、糖新生によりグルコースに変換されエネルギー源として使われます。たんぱく質の補給が行われないと、急速なたんぱく質の崩壊が発生してしまいます。
飢餓が長期におよぶ場合は、体たんぱく、臓器機能の維持のため、体たんぱくの分解は抑えられます。
脂肪組織が分解されてできた、脂肪酸とケトン体がエネルギー源として使用されますが、これに災害などの侵襲の要素が加わると・・・・・
災害などの侵襲時には、生命維持が優先され、すべてのエネルギー代謝が亢進します。肝臓からはグルコースが、筋肉からはアミノ酸が、脂肪組織からは脂肪酸がエネルギー源として利用されます。 飢餓時との大きな違いは、飢餓時には体たんぱくの維持のため代謝が低下するのに対し、侵襲時は侵襲の大きさに応じて代謝が亢進することです。そのため、侵襲に応じた、たんぱく質補給が行われないと急激な体たんぱくの損失が生じてしまいます。筋肉の分解、崩壊を防ぐためには、飢餓・侵襲の初期にいかに「たんぱく質」を補給できるかが大切です!
では、たんぱく質なら何でも良いかというとそんなことはありません。身体が弱っているときは、たんぱく質の代謝も弱っているので、食べても消化・吸収されていかないことも想定されます。
食べるのが難しい場合は、サプリメントでお手軽に摂取する、というやり方もできます。おすすめはたんぱく質を吸収しやすくしたペプチドのサプリメントです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていて、どれかひとつでも少なかったり欠けたりすると、充分に体づくりに使われません。魚肉ペプチドはアミノ酸20種類をすべて含んでいる上に、人の身体で合成できず食べ物からしか摂ることのできない必須アミノ酸を理想的なバランスで含んでいます。
鈴廣かまぼこ開発「非常用 サカナのちから」は、調理不要で水で飲むだけでたんぱく質を補給できます。
また、「サカナのちから」はペプチド状であるため、非常時の弱った身体でもアミノ酸が吸収されやすいのが特長です。
今回は、被災時のたんぱく質の大切さについて説明しました。
いつやってくるか分からない災害に備え、私たちができることは、これまでの災害の教訓を活かしながら、日頃の準備をしっかりしておくことです。
被災時にたんぱく質不足に陥らないよう、「持出袋」にたんぱく質補給食の準備もお忘れなく!