「毎日使っている階段がきつい……」
「朝起きた瞬間から、疲労感が残っている……」
「もう一踏ん張りしたいのに、力が出ない……」
働き盛りのサラリーマンや日々家事に追われる主婦、多忙な毎日を送る私たちにとって体力的な疲労を感じる瞬間は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな疲労感の軽減に効果的な栄養素や食べ物、おすすめレシピについて紹介していきます。
食事習慣を見直して、シャキッとした毎日を目指しましょう!
こちらでは疲労軽減に役立つ栄養素を5つご紹介します。
疲れをとるには、まずはエネルギーを補給することが大切です。
糖質は、摂取すると素早くエネルギーに変わり、体や脳を動かすパワーとなります。
逆に言うと、糖質が不足すると、エネルギー不足による集中力低下や疲労感を招くことになります。
肉体労働や運動では、主に筋肉に蓄えられたエネルギー源(筋グリコーゲンという糖の一種)が使われるため、使った分の糖質をしっかりと補給することで疲労軽減に繋がります。
運動などで感じる肉体的な疲れには、運動後なるべく早く砂糖などの吸収の早い糖質を摂取すると良いでしょう。
糖質は、ご飯・麺類・いも・果物などに多く含まれています。
疲れを感じにくくするには、エネルギー代謝を落とさないことが大切です。
エネルギー代謝とは、食べ物の栄養素をエネルギーに変換することを言います。
いくら栄養のある食事を摂っても、エネルギーに変換されなければうまく働きません。
ビタミンB群は、エネルギー代謝を高める働きがあるため、疲労感を軽減することができます。
ビタミンB群は、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・パントテン酸・ナイアシン・ビオチン・葉酸の8種類があります。
その中でも、疲れている時におすすめしたいビタミンBは次の3つです。
(1) ビタミンB1
肉体労働や運動後の疲れにアプローチするビタミンです。
玄米・豚肉・大豆などに多く含まれます。
(2) ビタミンB2
精神的なストレスを感じたときに摂りたいビタミンです。
卵黄・レバー・納豆などに多く含まれます。
(3) ビタミンB6
だるさを感じたときに摂りたいビタミンです.
カツオ・レバー・マグロなどに多く含まれます。
ビタミンと聞いてまず思い浮かぶのは柑橘系の果物という方も多いでしょう。
柑橘類は、ビタミン以外にクエン酸・カリウム・酵素などが豊富で、疲労の軽減はもちろん、塩分の排泄・若々しさの維持などの効果もあります。
柑橘系に関わらず果物は、1日200g(正味)の摂取が健康増進に良いとされています。(ミカンなら2つ程度)
デザートとして楽しむのはもちろん、カボスやゆず・レモン・すだちなどを薬味や調味料として料理に使うのもおすすめです。
タンパク質は、肉体的・精神的な疲労にアプローチする栄養素です。
私たちの骨や筋肉・髪の毛・皮膚・爪・内臓などの主成分はタンパク質であり、体のあらゆるところで使われています。
中でも筋肉は水分を除くと80%がタンパク質でできているのです。
私たちが仕事や通勤・買い物などで体を動かすたびに、筋肉はダメージを受けています。
その疲労した筋肉を補修するのがタンパク質といえます。
また、デスクワークや職場の人間関係など、精神的な疲れを感じたときにもタンパク質が役立ちます。なぜなら、幸福感を覚えたときに分泌される「セロトニン」というホルモンを作る材料となるのがタンパク質だからです。つまり、タンパク質を摂ることは心の安定にもつながります。
タンパク質は、魚・肉・大豆製品・卵などに多く含まれています。
一般的に動物性たんぱく質の方が植物性たんぱく質よりもアミノ酸バランスが優れており、効率良く身体にタンパク質を吸収することができます。
アミノ酸はバランス良く含まれていることが大切で、図の小麦たんぱくの様に一つでも欠けているものがあると、その値までしか次のたんぱく質合成が行われず、他は体外に排出されてしまいます。
図の魚肉たんぱくの様に全てのアミノ酸がバランス良く含まれていると、効率良くたんぱく質の合成が行われるのです。
中でも、魚は疲れにアプローチする良質なタンパク質が豊富です。加えて、畜肉や鶏卵と比較して、低脂質・低エネルギーで消化に良いのが特徴です。
一般的にアミノ酸バランスは、植物系より動物系たんぱくの方が優れていますが、動物系たんぱくの中でも肉や卵、乳製品は脂肪分が多いのがカロリーを気にされる方には心配なこと。
その点、魚のたんぱく質は、低カロリーで高たんぱく。
魚肉たんぱく質を摂ることで、カロリーも抑えられ、効率よく身体づくりに活かすことができます。
魚の栄養成分を手軽に摂るには、切ってそのまま食べられるかまぼこや練り製品もおすすめです。
ニンニクなどを刻んだり、つぶしたりして細胞を壊すことにより、食品に含まれているアリインと呼ばれる成分が変成し、アリシンになります。
アリシンは糖の代謝を促進する効果があったり、豚肉などに多く含まれるビタミンB1と一緒に摂取することで、アリアチミンという物質になり、ビタミンB1の疲労感軽減の効果を持続化する働きがあります。。
アリシンは、ニンニクの他にニラ・ねぎ・玉ねぎ・生姜などにも多く含まれています。
クエン酸は、筋肉疲労や肩こりなどの素である乳酸を分解して、疲れを軽減する働きがあります。また、カルシウム・マグネシウム・鉄の吸収を助ける働きもあります。
クエン酸には食欲を増す効果あり、さらにさっぱりとした酸味が特徴的なので、食欲がない
ときにも摂りやすい栄養素です。
クエン酸は、レモン・グレープフルーツ・梅干し・キウイ・お酢などに多く含まれています。
疲労感を軽減するには、バランスよく色々な食材を食べることが大切です。食材を選ぶときは、「旬」を意識すると良いでしょう。生鮮食品は季節によって栄養価が変化しますが、「旬」の食材は栄養価が高くなり、値段は安くなるので健康にもお財布にも優しいのです。
こちらでは、疲れている時におすすめのレシピを3つご紹介します。
◆お疲れ時もカンタン!鮭の塩こうじホイル焼き◆
【材料】(2人分)
・鮭(切り身) 2切れ
・玉ねぎ 1/2玉
・えのき茸 1/2パック
・酒 大さじ2
・塩こうじ 大さじ2
・レモン 適量
【作り方】(2人分)
① バットに鮭を入れ、塩こうじの半量(大さじ1)を塗り、ラップをして冷蔵庫で1時間以上おく。
② 玉ねぎはスライス、えのき茸は根元を切り落とし、食べやすい大きさにほぐす。
③ アルミホイルを敷き、玉ねぎ、鮭、えのき茸の順にのせる。酒をふり、残りの塩こうじ(大さじ1)をかけ、アルミホイルで包む。同様に2個作る。
④ オーブントースターで10~15分焼く。
⑤ くし形切りにしたレモンを添えたらできあがり。
★料理のポイント★
鮭(タンパク質・ビタミンB群)・玉ねぎ(アリシン)・こうじ(糖質)・レモン(クエン酸)の組み合わせで疲労感にアプローチ!誰でも簡単に作れるメニューです。
◆スタミナ&さっぱり!豚の生姜鍋◆
【材料】(2人分)
・豚肉の薄切り 200g
・長ネギ 1本
・生姜 1かけ
・大根おろし 5cm分
・酒 少々
・酢醤油 適量(酢の代わりにカボスやゆずなどもおすすめです。)
【作り方】
① 長ネギは、5cm長さに切り、繊維に添って千切りに、生姜も千切りにします。
② 鍋に水を入れて火にかけ、酒・生姜を加え豚肉と長ネギを煮ながら、大根おろしと酢醤油でいただく。
★料理のポイント★
豚肉(タンパク質・ビタミンB群)と長ネギ(アリシン)の相乗効果で疲労回復!さらに、消化を高める大根おろしと酢(クエン酸)を組み合わせて、胃腸にも優しい一品に仕上がっています。
◆疲れぶっ飛ぶ!具沢山酸辣湯◆
【材料】(2人分)
・豆腐 1/2丁
・卵 (溶き卵) 2個
・ニラ 1/4束
●水 400cc
●鶏がらスープの素 大さじ1
●塩 少々
・水溶き片栗粉 (片栗粉大さじ1+水大さじ1)
・酢 お好みで
・おろし生姜 お好みで
・ラー油 お好みで
【作り方】
① ニラは3㎝幅に切る。
② 鍋に●を入れ火にかけ、煮立ったら豆腐を一口大に手でちぎりながら入れる。
③ 水溶き片栗粉を加え混ぜ、再沸騰したら1を加える。グツグツしてきたら溶き卵をゆっくりと円を描くように回し入れる。
④ 一煮立ちしたらお皿に盛って、お好みで酢・おろし生姜・ラー油をかけていただく。
★料理のポイント★
豆腐(タンパク質・ビタミンB群)と卵(タンパク質・ビタミンB群)・ニラ(アリシン)の相乗効果で疲労にアプローチ!さらに酢(クエン酸)とおろし生姜(アリシン)で疲労軽減効果を後押しします!
疲れをためない体をつくるには、食事をはじめとした生活習慣を整え、毎日積み重ねていくことが肝心です。
しかし、毎食栄養バランスを意識した食事を用意するのは楽なことではありません。
日頃から足りていないと思う栄養素は、サプリメントなどで手軽に補うのもよいでしょう。
何事も頑張りすぎは疲れの素になってしまいます。無理をせず“継続できるように”自分に合った方法を見つけて、疲れに負けない体づくりをしましょう!