地震や大雨などの災害に備えて、食料の備蓄が重要視されています。何をどのくらい準備すればよいのか、目安がわかると準備もしやすくなります。この記事は、食料の備蓄をはじめたいと検討している人に向け、備蓄食料について解説します。備蓄方法や不足しがちな栄養素、おすすめの食材、防災グッズも紹介していますので、参考にしてください。
非常時にこそ摂りたい「たんぱく質」。鈴廣かまぼこ開発の「非常用サカナのちから」
魚たんぱくをペプチド状で素早く摂取できます。
備蓄食料は、3日〜1週間分を目安に揃えるとよいでしょう。ここでは具体的な日数と食料の例を解説します。
家庭での備蓄食料は、最低3日〜1週間分が目安といわれています。災害時は電気、水道、ガスといったライフラインの停止に加え、物流機能の停止により食料の供給も滞ります。
一般的には、災害支援物資は災害が起きてから3日ほどで到着することが多いです。しかし、大地震などの大規模な災害の場合には、1週間以上かかるケースも少なくありません。コンビニエンスストアやスーパーマーケットで食べ物が入手困難になるため、ライフラインが復旧するまでの3日〜1週間分が、備蓄食料の目安です。
農林水産省によると、大人2人の1週間分の備蓄食料の例は以下のとおりです。
水は1人あたり1日3リットルが目安です。乳幼児、高齢者、アレルギーがある人は、症状に配慮した備蓄食料を準備しましょう。
備蓄食料は、ローリングストックという備蓄方法がおすすめです。ここではその概要とメリット、ポイントを解説します。
ローリングストックとは、循環させながら(ローリング)、備蓄(ストック)するという意味です。いつも使う食材を多めに購入し、賞味期限が近づいたら消費して、また新しいものを追加する、といった備蓄方法です。備蓄したくても保管場所がない、保存期間が長い食品に安心していつの間にか賞味期限が切れそうになる、といった備蓄食料への不安を解消できます。
食べた分だけを買い足すローリングストックは、買い物が楽で、特別な知識は必要ありません。災害時は生活が一変することもありますが、食べ慣れたいつもの味を食べることができれば、ストレスの軽減にもつながります。好みの味・おいしい食品などを見つけたら、買い足していきましょう。食べた分だけ補充するため、賞味期限切れを防げます。
収納場所は、キッチンの引き出しなどに専用の場所を作ると、管理しやすくなります。物置やクローゼットにしまい込まずに、目につくところに保存します。賞味期限が1年ほどの食材を準備し、順番が前後しないように古いものから使いましょう。缶詰、レトルト食品、乾麺などの種類ごとに仕切りを作ってまとめると、管理が簡単です。
備蓄食料は栄養素、日持ち、味、持ち出しの4点をポイントに選びましょう。ここではローリングストック向きの備蓄食料の選び方について解説します。
災害時の非常食は、お腹を満たすために、ごはん・パン・麺などの主食が多く、炭水化物が中心になりがちです。炭水化物はエネルギー源として重要であるものの、それだけでは栄養バランスが偏ります。体調不良や病気になる可能性もあるため、注意しなければなりません。不足しがちな栄養素としては、タンパク質、ビタミン・ミネラル・食物繊維があげられます。
たんぱく質は、私たちの体を作るために必要な栄養素です。筋力や活力の維持に役立つため、たんぱく質不足は、筋力や免疫力の低下を引き起こします。体調不良に陥らないように、災害時にとくに意識したい栄養素です。
肉や魚の缶詰、レトルト食品など、そのまま食べられる加工食品、豆や高野豆腐などの植物性タンパク質から摂取できます。火を使えないと不足しやすい栄養素も、缶詰やレトルト食品なら、そのままでも食べられ、変化もつけられます。
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ビタミン・ミネラル・食物繊維は健康維持に欠かせない栄養素で、野菜不足により摂取できなくなると、便秘・口内炎などの体調不良を引き起こすため注意が必要です。普段からじゃがいも、にんじん、かぼちゃ、玉ねぎといった、日持ちのする野菜を多めにストックして、野菜ジュース、ドライフルーツなどを常備しておきましょう。
常温で日持ちする食材があれば、ライフラインが停止して冷蔵庫が使えなくても、1週間は食べ続けられます。最低でも半年以上、1年ほど日持ちする食品が適しています。代表的な食材には、缶詰、インスタント食材、パスタ、調味料、乾物などがあります。それらの多くはスーパーマーケットなどで、すぐに入手できる身近な食材です。日頃から買い足しておきましょう。
非常時にはストレスが溜まるため、おいしいもの・好きなものは心の栄養になります。日常と同じものを食べると安心感につながり、食欲がなくても好きなものなら食べられるかもしれません。日頃から食べ慣れた好みの味をストックしておきましょう。チョコレート、フルーツ缶、スナック菓子などの甘いものや嗜好品、気分転換になる少量のお酒もおすすめです。
避難所で生活する場合に備えて、非常時の持ち出しについても考えておかなければなりません。持ち出す場合は、缶詰よりもかさばらない袋入りのものや、サプリメントなどがおすすめです。サプリメントは、偏った栄養バランスを効率よく補正し、整えてくれます。たとえば備蓄用のアミノ酸サプリメント「非常用サカナのちから」は、1袋30gと軽量でかさばりません。
「非常用サカナのちから」は、効率的に体内にたんぱく質補給をすることができる魚肉ペプチドのサプリメントです。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
缶詰・レトルト食品などの種類別に、おすすめの食材を具体的に解説します。補える栄養素や、食べ方のポイントなども参考にしてください。
缶詰は肉・魚・豆などがあり、不足しがちなタンパク質を多く含みます。鯖の味噌煮、ミートソース缶など、味付け調理済みのものから、ホタテ・アサリ・鯖などの水煮缶まであり、種類豊富です。そのまま食べるだけでなく、ごはんや麺類の出汁にする、野菜と一緒に炒めるなど、幅広い調理に活用できます。長期保存が可能で、ローリングストックに最適です。
レトルト食品には丼、カレー、ハヤシライス、パスタソースなどがあります。タンパク質を多く含み、食事のメインになる食材です。調理不要で温めずにそのまま食べられるレトルト商品もあり、ストックしておくと便利です。レトルトごはん、レトルトおかゆも、湯煎すれば簡単に温かいごはんが食べられるため、必要量を備蓄しておきましょう。
インスタントの味噌汁、粉末やフリーズドライなどのスープ、春雨などがあります。不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維を補います。お湯を注ぐだけで食べられるため、非常時だけではなく、普段使いにもおすすめの食材です。温かい飲み物は空腹を満たし、活力を生み出します。箸や器も忘れずに用意しておきましょう。
のり、ひじき、切り干し大根、わかめなどの食材です。野菜や海藻、魚介、肉類を長期間にわたって保存できるように乾燥させたもので、常温保存できるため、備蓄食材に適しています。生鮮食品が手に入りにくい非常時の、ビタミン・ミネラル・食物繊維不足を補います。水につけて戻せば食べられて、包丁も火も使わずに調理できるレシピが豊富です。
地域や家庭に伝わる、昔ながらの保存食も見逃せません。信州の氷もちは、そのまま食べても、水やお湯で戻しても食べられて、栄養価が高くて消化がよい保存食です。九州の干しタケノコ、各地の漬物なども、野菜不足を補うのに役立ちます。地元の乾物や保存食を見直し、備蓄食料に活用する方法は、アイディアの1つとしておすすめです。
カップ麺、即席麺、乾麺などの食材です。カップ麺や即席麺はラーメン、焼きそば、そば、うどんなどさまざまな種類があり、賞味期限も長く備蓄食料に最適です。乾麺もそうめん、うどん、そば、パスタなど麺類が豊富で、エネルギー源になります。火が使えずお湯が用意できないときも、カップ麺は水を入れて1時間ほど待てば水でも食べられます。
チョコレート、ビスケット、チーズケーキ、飴、スナック菓子、羊羹、ジュース、飲料水、コーヒーなどがあげられます。非常食は塩気があるものが多く、甘いものが食べたくなる人は多くいます。甘いものを食べる時間は、被災中の癒しとしてストレス解消にもつながります。好みの日持ちのする菓子・嗜好品をストックしておきましょう。
食料以外に、食べるために必要な防災グッズを準備しておきましょう。カセットコンロとボンベは熱源の確保に必要で、レトルト食品やカップ麺を食べるときや調理時に重宝します。アルミホイルやラップは皿の上にしいて使えば、その都度皿を洗わなくてすみ、水の節約につながります。
ろうそくや懐中電灯は灯りに、モバイルバッテリーやラジオは情報収集ツールとして使えます。そのほか必要であると想定できるものは用意しておきましょう。
備蓄食料は、最低3日〜1週間分を用意しておくと安心です。ローリングストックという備蓄方法で、いつも使う食材を多めに購入・消費・追加のサイクルを繰り返しましょう。備蓄食料を選ぶ際は、不足しがちな栄養素を補うもの・常温で日持ちするもの・非常時に持ち出せるものなどを考慮します。
「非常用 サカナのちから」は、非常時に不足しがちなタンパク質が補給できるサプリメントです。
調理不要で水で飲むだけで、筋力や活力、免疫力の維持に役立ちます。賞味期限は製造日より5年と長期保管可能で、備蓄にも最適です。