登山はとてもハードなスポーツです。事前の準備を疎かにすると、体力が続かなくなり楽しめなかったり、体調を崩して途中でリタイアしたり・・・ということになりかねません。
そんな登山の重要な事前準備の1つが「食事」
この記事では登山時の食事選びのポイントとおススメの食事を5つ紹介します。
充実した登山ライフを送るために、是非最後までお読みください。
どのスポーツでも食事は大切ですが、なぜ登山時の食事選びは特に重要かというと
という3つの理由が挙げられます。それぞれの理由を具体的に見ていきましょう。
登山は強度が高いうえに登りきるために必要な時間も長いため、消費カロリーがとても多いです。
例えば、富士登山で消費するカロリーは約3,000~4,000kcalと言われています。フルマラソンの消費カロリーが2,500kcal~3,500kcalと言われているので、登山はフルマラソン級もしくはそれ以上にカロリーを消費するのです。
それゆえ、エネルギーになるものを途中でしっかり補給をしないとエネルギー切れを起こしてしまいます。
登山は登りも下りも下半身を中心とした筋肉に大きな負荷がかかります。疲労がたまりすぎて途中で脚が動かなくなってしまうことがないように、疲労回復効果のある栄養素を登山の最中に摂れると良いでしょう。
疲労回復効果やパフォーマンスアップ効果の高い栄養素を下記にあげてみます。
タンパク質は筋肉の材料です。登山では筋肉が大きく疲労し分解が進みます。分解された筋肉を素早く回復させるためにタンパク質は普段以上に意識して摂取する必要があります。
また、肉や魚などの動物性たんぱく質に多く含まれるトリプトファンの「セロトニン」というホルモンを分泌させ精神的な疲れを軽減させてくれます。肉体的、精神的に大きく疲労する登山ではタンパク質の摂取は欠かせません。
糖質はエネルギー源になる栄養素の中で最も早くエネルギーに変換されるため、こまめに摂取することでエネルギー切れを防ぐことができます。また、脳へのエネルギー源となるため正しい判断力を維持しやすくなります。山は危険と隣り合わせのため、判断力は事故や遭難の予防のためにも重要です。
ビタミンB群は先ほど紹介した糖質、タンパク質の働きを最大限に引き出す役割があります。
ミネラルは身体の働きを調整する役割があります。登山では特に汗でナトリウムやカリウム、マグネシウムが流出します。これらは不足すると体内の水分バランスの乱れや筋肉の収縮に影響を及ぼしパフォーマンスが低下、足がつるなどの影響が出るため発汗した分をしっかり補給する必要があります。
以上の理由から、登山時に持っていく食事は特にこれらの栄養素が含まれているかがポイントです。
当然ですが、登山時の荷物は自分で背負って運ばなくてはなりません。食事の重量が重いとそれが負荷になってしまい余計エネルギーを消費し疲労もたまりやすくなってしまいます。また、食事以外にも持っていくべきものは多いため、スペースを取らないに越したことはありません。そのため、できる限り軽くて小さいものがおススメです。
行動食とはその名の通り、登山の最中や小休憩中に食べる食料のことです。その行動食選びのポイントは下記の3つです。
これらがポイントになる理由を確認しましょう。
登山はエネルギーを多く消費し、疲労の蓄積も大きいです。行動食で消費したエネルギーを補給し、そして疲労の回復を促進させることで長丁場の登山を攻略することができます。
これらを特に豊富に含む食料を選ぶようにしましょう。
登山ではたくさんのエネルギー、栄養素を必要としますが、消化のしにくいものを摂りすぎると胃もたれを起こし歩けなくなってしまいます。特にタンパク質を含む食品はバラ肉やベーコンなど脂質を多く含み消化しにくいものもあります。脂質もエネルギー源となるため適量は必要ですが脂質の割合が高いものには注意が必要です。
「脂身のあるお肉のほうが美味しくてテンション上がるのだけどな・・・」という場合は、量を摂りすぎないようにして不足するたんぱく質をサプリメントで補うと脂質の摂りすぎによる胃もたれを防ぎやすくなります。
登山は行動食以外にも荷物が多いです。そのため、サイズが大きいと他の荷物の収納に影響を及ぼします。また、重いとその分歩くときの負荷となりエネルギー消費や疲労に影響を及ぼします。もちろん必要な栄養素を摂れることが大切ですが、その中で小さくて軽いに越したことはありません。
行動食選びの重要性やポイントを踏まえて、実際におススメの行動食を5つに絞って紹介します。
魚肉ソーセージや鶏胸肉、ささみ系の加工食品はタンパク質を豊富に含むため登山中の筋肉疲労を助ける効果が期待できます。また、トリプトファンを多く含むため精神的な疲労の緩和にもつながります。脂質も比較的少ないため消化の際に胃腸に負担をかけないという点でも優れています。
ゼリー飲料は歩きながら素早く摂取できる行動食です。しかも糖質、タンパク質、ビタミンB群のそれぞれを中心に摂取できるもの、全体的にバランスよく摂取できるものと自分の好みで選ぶことができるオールマイティ性を持ちます。その他の行動食で足りないものを補うこともできるので利便性がとても高いです。
ようかんはサイズの小ささのわりに糖質の含有量が多く、かつすぐにエネルギーに変換される糖質(マルトデキストリン)と持続的にエネルギーに変換される糖質(パラチノース)を含むため登山時のエネルギー補給としてとても優れています。サイズが小さいため場所も取らず軽量なため、ゼリー飲料と比較して複数持ち込みやすいという特徴もあります。
スポーツようかんは通常のようかんよりも甘さが抑えられていたり片手で開けられたりといった運動中(登山中)にありがたい特徴があります。
スポーツドリンクは汗で流れ出た水分やミネラルを同時に補給できます。ポカリスエットやアクエリアスなどの一般的なスポーツドリンクは糖質も一緒に補給できるという特徴があります。
経口補水液は体内のミネラルのバランスに近い成分でつくられているため吸収速度が速く、効率よく水分やミネラルを摂取できるためけいれんや脱水症状の予防、対策に効果的です。
サプリメント系は場所を取らず、効率的に栄養を補給できるので登山の行動食としてもおススメです。ゼリー飲料と同様に不足している栄養素を補うことができますが、ゼリー飲料よりもサイズが小さく含まれる栄養素が多いため摂取効率が良いです。
サプリメントの中でもオススメしたいのが、疲労回復が期待できそうなタンパク質を補給できるサプリメントです。魚肉タンパク質を予めペプチド状に分解し、素早くタンパク質をチャージできるのが、「サカナのちから」です。
ペプチドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化され吸収されるまでに3~4時間かかりますが、ペプチドでは、既に分解された状態ですので30~40分で吸収されていきます。
「サカナのちから」は軽量で荷物の負担にならず、ベタつきもない粒状なので、登山途中にも気軽にタンパク質補給が可能です。
「サカナのちからA for アスリート」は、アミノ酸のスピーディーな吸収を狙い、「サカナのちからB」の分解を進め、低分子化しました。スタミナアップのための、アミノ酸を素早く補給したい登山家に最適なサプリメントです。
この記事では、下記の3点を紹介しました。
例では取り上げられませんでしたが、行動食はお菓子やおやつ系、でもポイントに合ったものも多く、好みに合っているものから選ぶことができます。
登山は道も険しく心身ともに疲れるもの。途中で辛くて心が折れそうな瞬間もあることでしょう。そんなときに自分の好きな食べ物が待っていると「あと少しで食事、おやつだから頑張ろう」と背中を後押ししてくれる効果もあります。ポイントを参考に自分の食べたいものを選べると登山の楽しさもまた1つ増えるのではないでしょうか。