1994年から9回のパラリンピックに出場、日本人史上初の夏・冬パラリンピック金メダリストという偉業を達成した車いすアスリートの土田和歌子選手。一児の母として子育てにも奮闘しながら、パリ大会を終えた今も競技活動を継続中だ。「一戦一戦しっかり戦った先に、4年後のパラリンピックが見えれば」と未来を見据える土田選手に、競技活動の近況から食生活の心がけまでを尋ねた。
1974年、東京都出身。
高校生の時に交通事故に遭い、車いす生活となる。1993年、アイススレッジの講習会に参加したことがきっかけで、日本で最初にアイススレッジスピードレースを始める。
1994年リレハンメル冬季大会出場、1998年長野冬季大会では4つのメダルを獲得。1999年からは陸上競技に転向する。2000年シドニーから夏季4大会に連続出場、金を含む3つのメダルを獲得し、日本人史上初の夏・冬パラリンピック金メダリストという偉業を達成。2017年からトライアスロンに取り組み、2021年東京大会では車いすマラソンとトライアスロンの2競技で出場した。車いすマラソンに競技を絞って出場した2024年パリ大会では6位入賞を果たしている。
メダル獲得を目指して臨んだパリ大会で6位という結果に終わり、現在は4年後というよりも目の前の一戦一戦を大事に戦っています。
というのも、パラリンピックという舞台に夏冬合わせて9回出場させていただいて、当初はパリが最後になるかなと考えていました。それだけの覚悟で挑んだ大会だったのですが、実際のレースに出てみると、タイヤがパンクするような石畳の多いコースで、苦戦をした印象が強く残って。私自身は車椅子マラソンのスピードが出る部分に魅力を感じてきたので、これで終わるよりももう少し一線でやりたいと、そういう思いが募っていきました。
もちろん4年に一回の世界最高峰の大会がそんなに簡単に行かないのも承知ですが、一戦一戦、一年一年、まずは世界の競技レベルを見ながら挑戦していこうという心意気で、現在も競技に取り組んでいます。
はい、東京レガシーハーフマラソンや、大分の国際車いすマラソン、12月にはホノルルマラソンにも出場してきました。
トレーニングはこれまでの競技生活で習慣化してきているので、今もほぼ毎日続けています。ただ、あえて1日トレーニングをお休みするような日もつくっていますね。以前は練習はもちろん、合宿で二部練習を行うなどハードな環境で身体を強化してきたのですが、年齢というものも重ねてきているので、最近はリカバリーにも重きを置いているんです。例えば最近は少しお休みをつくって回復に集中するなど、年齢に合った取り組み方・楽しみ方みたいなものもあるのかなと感じつつあります。
そうですね、自分が目指しているものに対して、それが達成できた時には納得感や“やり切った”という気持ちが出てくると思うのですが、私の場合はまだまだ自分自身の伸びしろを感じることが多くあって、それが一番の原動力になっているのかなと思います。
あとはこの競技人生の中で複数のメダルを獲得してきて、有難いことに評価いただいてきたわけですけれど、反面、大変な思いをしたパラリンピックというのもありまして。それが次の4年後に向けて再び動き出す理由になっているように感じます。
私自身、小さい頃から母親がすごく健康志向な中で育って、栄養バランスに対する考え方は自ずと刷り込まれてきたように感じます。なので、一人暮らしをしながら競技活動をしていた時も、自宅に食材を買ってきて小分けで冷凍保存して、忙しくてもバランスよく食べられるようにするとか、朝昼晩きちんと摂る習慣とか、そういうのは自然と身についていたように感じるんです。
ただ、2005年に結婚して2006年には一児の母親になって、そこからは家族の健康も考えなければいけなくなりました。自分のことだけでなく、子どもの食生活、成長段階を意識した作り分けみたいなところでは、大変さというのも痛感しましたね。
今は子どもも高校生になったので、ある程度自立心が芽生えて、任せるところみたいなものも生まれてきたのですが、それでもやっぱり現実は時間が足りなくて、理想の食事には至らないこともあって…そういうときはサプリメントなどを使って補うこともしています。
正直なところ、鈴廣には「良質な素材を使ったかまぼこ」というイメージが強くて、そこと“魚肉たんぱく”というところがうまく結びついていなかったんですけれど…。
ただ元々、私自身も本当は魚からタンパク質を摂れるといいなとは思っていて、一方で手軽なのはどうしてもお肉。簡単に取り入れられるという点でお肉を選んでしまうことも多いので、「魚肉たんぱく」の摂り方として色々な商品をご紹介いただいてからは、すごく心強い存在に感じています。
身体づくりのために強度の高いトレーニングをするような時は、練習後にプロテインを欠かさず飲むようにしています。
色々なものを摂りすぎてしまうと、身体に何らかの反応があった時に「何から出た反応なのか」というのがわかりにくくなってしまうので、私の場合はわりとシンプルに…もちろん色々試した時期はあったのですが、今は身体づくりの時期にプロテインの量を増やす、とか、就寝時にリカバリーを意識して「サカナのちから」を飲むとか、そういった流れを意識しています。
海外に行くとどうしても食生活に偏りが出てしまうので、遠征時は日本から持参したものが3分の2くらいになるように、残りの3分の1を現地で調達するようなイメージで準備しています。なるべくコンパクトにしようとしても、結局荷物がとても多くなってしまうのですが(笑)
それでも環境が変わったときに体調を維持できることは重要ですから、例えば発酵食品であるお味噌汁もフリーズドライタイプのものを持参して。レースの日も決まってお餅を食べるということを続けています。お味噌汁の中にお餅を浮かべたものが、私のレース当日の朝食ですね。
私の場合は脊髄損傷という障害を持っていて、健常な方とはエネルギーの消費などで違う部分があるので、パッケージに書かれている量が果たして自分に合っているのか、と最初は量を減らしたり増やしたりと、試した時期がありました。
今はハードなトレーニングをするときに10粒程度飲んで、あとはリカバリーとして就寝前に15粒ほどを毎日飲んでいます。
「サカナのちから」のように食事以外から得る栄養も、50歳という年齢を迎えてより大切に感じるようになりました。そういった意味でも「サカナのちから」は強い味方ですね。
私自身、リラックスする時間を重要視していて、副交感神経を優位にするために呼吸法やストレッチなど、色々取り入れてきました。その中で入浴とサプリメントの摂取というのを合わせたときほど、すごく深い睡眠が得られます。ですから、やっぱりこれは合っているんだと実感しているところです。
車椅子のレースの場合、一般のマラソンと違って両手が塞がってしまいます。ですから途中で何かを口にするということがなかなか難しいんです。もちろん過去に色々やってはみたのですが、両手が塞がってしまうだけでなく、姿勢も前傾になるので、飲み込みにくいという支障も生まれてしまって、固形物のようなものは特に難しいなと。
それで私の場合は、数日前からカーボローディング的な、蓄える工夫を取り入れるようになりました。炭水化物系のものを数日前から意識的に入れて、レース中に枯渇しないような身体作りを行うんです。そうすることで、レースではドリンクだけ飲めれば最後まで元気に走り切れる、という状態を築くことができています。
はい、翌日もすっきり起きられる感じがしますし、疲れた日の翌日もどよんとせずに起きられるイメージがあります。
どうしてそれがわかるかと言えば、飲み忘れたときの翌日の状態が違うんです。もうかなり長く飲み続けていますが、明らかに自分には合っているな、合ってきているなというのは実感しています。
今のタイプは飲み込みにくさを一切感じませんし、匂いも感じにくく飲みやすいです。幅広い世代におすすめしたいですね。
お子さんの身体づくりという面でも、魚肉ペプチド、たんぱく源というのはすごく大切だと思いますし、あとは高齢者の方にもぜひおすすめしたいです。やはり骨粗鬆症のような問題と隣り合わせですし、年を重ねてきた方ほど必要になってくるアイテムかなと思います。
特にこの年齢の人に、というよりも、多くの方にそれぞれ上手に取り入れていただいて、食事だけでは難しいたんぱく源の摂取に役立てていただきたいですね。
やはり私は車椅子マラソンやトライアスロンという競技が好きで取り組んでいて、自分自身にまだ可能性を感じるので、戦えるうちは戦っていきたい、競技生活を続けていきたいと思っています。
ここからの一戦一戦、一年一年というものにしっかり向き合いながら、その中で最終的なゴール地点がロサンゼルスという舞台であればすごく嬉しいなと、最終的にはそういう場所にたどり着けるイメージを持ってこれからも競技に臨んでいきたいです。
それと自分自身の競技活動を通じて、パラアスリートの普及というところまでは仮に難しくても、より多くの人に競技の魅力というのを感じていただきたいです。あとは一般の方にも、まだ車椅子マラソンを見たことが無いという方も多いと思いますから、より広く知っていただけるよう発信を続けて、昨今言われているような共生社会というものにも繋げていけたら嬉しいですね。