マラソン大会を控えており、当日に向けてコンディションを整えるために、食事に気を付けたいと思っている方に向けて、マラソン前日までの食事について解説します。万全の体調で結果を出すために当日に食べるものや飲み物ついてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
マラソン大会を控えている方は、トレーニングの最終調整やコンディションを整えて、当日を万全な体調で迎えるための準備をしていると思います。
マラソン大会に向けての準備として、食事は特に重要です。前日までの食事によって、マラソン当日のコンディションに良くも悪くも影響するためです。ここでは、万全なコンディションでマラソン大会を迎えるために知っておきたい食事のポイントをご紹介します。
マラソンを控えている場合、長期的に食事を調整する必要はありません。マラソン本番の1週間~4日前は普段通りの食事でOKです。というのも、「グリコーゲンローディング」という食事方法がポイントとなるためです。
グリコーゲンローディングとは、エネルギーのもととなる糖質をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に多く貯蔵し、運動の際のエネルギーとして利用する食事方法のことです。特に、マラソンをはじめとした持久力を必要とする競技において有効とされています。
普段通りの食事の目安として、一日あたり糖質50~60%、タンパク質10~15%、脂質25~30%程度の比率です。グリコーゲンを身体に多く貯蔵しておくための食事方法なので、せっかく貯めたグリコーゲンを消費しないよう、1週間前からは過度なトレーニングを控えるのが一般的です。
グリコーゲンローディングでは、マラソン本番の3日前~前日あたりから糖質多めの食事に切り替えます。3日前から高糖質食にすることで、体内のグリコーゲンの量を増やせます。
グリコーゲンローディングでは、24時間で体重1kgあたり10gを目安に糖質を摂るので、体重50kgであれば、糖質500gを摂る計算です。ごはん1杯150gあたりの糖質量は約54gですので、9~10杯分のごはんを食べることになります。いかに多くの糖質を摂取するかが分かるのではないでしょうか?
糖質の割合を増やす必要があるため、普段の食事の脂質量を減らし、おにぎりをプラスするなどごはんの量を増やしましょう。ただし、菓子パンや甘いお菓子は脂質が含まれるため避けた方がベターです。
マラソン大会当日に向けてグリコーゲン量を増やすことを目的としているため、高糖質食にすることとあわせて、グリコーゲンを消費しないよう運動量を減らす、休息をするといった過ごし方をするようにしましょう。
マラソン前日の食事では、糖質だけでなくタンパク質もしっかり摂取するようにしましょう。
マラソンは長時間にわたる競技であるため、エネルギー不足になりがちです。そのため、体内の筋肉を分解してエネルギーとして利用しようとします。筋肉の分解をできるだけ抑えるためにも、前日はもちろん、日頃からタンパク質摂取をしっかりと行うことが重要です。
食事にタンパク質を含む食材を取り入れるのがよいですが、食事を多く食べられない場合は、プロテインドリンクやプロテインサプリなどで補ってもよいでしょう。
マラソン大会前日は消化がよい糖質中心の食事を摂るようにしましょう。前日に消化がよいものを食べることで、胃腸に負担がかかることなく当日も快適に走ることができるためです。
特にマラソン前日は緊張やストレスで胃腸のはたらきもあまりよくありません。消化がよい食事としては、雑炊や温かいうどんなどがおすすめです。当日気持ちよく走るためにも、前日は消化がよいものを食べることをおすすめします。
マラソン前日の食事のポイントを紹介しましたが、具体的にどのようなメニューがよいのでしょうか?食事の具体例を以下から見ていきましょう。
朝食の例として、上記のメニューを挙げてみました。糖質源であるおにぎりを中心とした献立とし、タンパク質を含むゆで鶏・ブロッコリー・牛乳を組み合わせます。
牛乳はタンパク質やカルシウムが豊富なため、献立に組み合わせることが多い食品ですが、「牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる」という方は、マラソン前は避けるようにしましょう。
グリコーテンローディングのためとはいえ「ごはんを多く食べるのは少しつらい」というアスリートもいるかと思います。その際は、ごはんに味がついて食べやすくなる丼物がおすすめです。
また、親子丼に使う鶏もも肉に皮がついている場合は、脂質カットのために取り除くことをおすすめします。
ごはん中心の献立で、メインのおかずは鮭のちゃんちゃん焼きです。ちゃんちゃん焼きはみそ味で仕上げるため、ごはんも進みやすいでしょう。
マラソン前日の食事で気を付けるべきこともあります。特に心配なのは胃腸障害です。胃腸の具合が良くない状態で当日を迎えると、マラソンのコンディションに悪影響を与えることもあります。そのため、前日に避けるべきものも知っておきましょう。
火が通っていない生ものを食べるのは避けるようにしましょう。生ものは加熱されていないことから、最悪の場合、食中毒を起こしてしまう危険性があるためです。
マラソン本番前は緊張やストレスなどによって、免疫力が低下しやすい状態にあります。お腹の調子が良くない場合も考えられるため、生ものはマラソンが終わってから食べるようにしましょう。
脂質が多い食事もマラソン前日は避けましょう。脂質が多く含まれるものは消化に時間を要し、胃腸に負担がかかるためです。焼肉や揚げ物などの料理は避けるようにしてください。
「とんかつを食べる」というゲン担ぎもありますが、とんかつ自体も脂質を多く含む料理ですので、マラソン前はおすすめしません。
食物繊維が多い食材も適度に摂る分にはよいですが、マラソン前に摂り過ぎは禁物です。
食物繊維を摂り過ぎてしまうと消化に時間がかかり、胃腸に負担になってしまいます。特に豆類や根菜類といった不溶性食物繊維を含むものは摂り過ぎると便秘の原因になるおそれもあります。
繊維質が多いものは食べ過ぎには注意しましょう。
アルコールを含むお酒も前日の食事では避けてください。前日にお酒を飲むと尿量が増えて、脱水症状になる危険性があるためです。
アルコールには利尿作用があり、体内の水分を体外に排出しやすくするはたらきがあります。また、アルコールは睡眠の質を低下させる恐れもあります。マラソン当日に向けて質のよい睡眠をとり、疲労回復するためにもお酒は控えましょう。
マラソンをコンディションのよい状態で走るためには、前日の食事だけでなく、当日に何を食べるかも重要です。
そこで、マラソン当日の食事やエネルギー補給のポイントについて見ていきましょう。
マラソンスタートの3~4時間前には、食事を済ませておきましょう。マラソンは午前中にスタートし、夕方ごろにゴールというスケジュールが一般的です。そのため、朝ごはんがスタート前の食事となります。
朝ごはんはレース開始の3~4時間前に消化のよい糖質中心の食事を摂るのがおすすめです。レースの直前に食事を摂ると、消化が完了していない状態で走ることになるため、快適に走ることができません。
朝ごはんでは、おにぎりやうどん、カステラ、バナナ、ゆで卵を食べるのがおすすめです。また、ゆっくりよく噛んで食べることで、唾液分泌が促進されるため、より消化が良くなります。
もし3~4時間前に十分に食事がとれずエネルギー不足が心配な場合は、レース1時間前にもエネルギー補給を行いましょう。
できるだけ、エネルギーに素早く変換される高糖質の食品を摂取しましょう。例えば、エネルギーゼリーやバナナ、ブドウ糖などがおすすめです。
また、試合前のエネルギーチャージにおすすめなのが「サカナのちから アスリート」です。白身魚の魚肉のみを主原料として使い、タンパク質を酵素で分解し、ペプチドにするという製法で製造しています。ペプチドはタンパク質が分解されて断片化された状態、かつ、アミノ酸が2、3個つながった状態で一気に細胞内に取り込まれるため効率よく吸収することができます。
運動時のエネルギーとなる分岐鎖アミノ酸(BCAA)を含むため、試合前に10~15粒飲むのがおすすめの摂取方法です。帝京大学駅伝競走部をはじめ、多くのアスリートに愛されているサプリをぜひマラソンのお守りとして活用してはいかがでしょうか?
マラソン当日のスタート前は水分補給も欠かさずに行いましょう。
レース中は発汗によって体内の水分が失われて、脱水症状になるおそれがあります。また、脱水はパフォーマンスが低下する原因にもなります。
さらに、発汗によって水分だけでなく塩分も失われることも忘れてはいけません。塩分が不足している状態で水分だけを摂っていては、身体が水分を蓄えられない「低ナトリウム血症」になるおそれがあります。そのため、水分だけでなく塩分も補えるように水分補給をすることがポイントです。
スポーツドリンクであれば、水分・塩分のほか糖分も補えるためおすすめです。
マラソン前日までの食事は当日のパフォーマンスに大きな影響を与えます。特にグリコーゲンローディングを行うと、エネルギーを十分に蓄えた状態でマラソン本番に臨むことができます。
また、マラソン当日の食事やエネルギー補給もコンディションを整えるためには重要ですので、前日までの食事と同じくらい意識しましょう。
日頃のトレーニングの成果を十分に発揮するためには、食事によるコンディション調整が必須。食事が原因で、せっかくの練習の成果を発揮できないということもあります。万全な体調で挑むためにも、日々の食事を意識してみてください。