御幸の浜と小田原城のほど近く、黄色の看板が目を引く「そろりと小田原」は「染付豆皿づくり」や「香り袋づくり」が体験できるワークショップだ。ゆったりとした時間を楽しめるこの場所の魅力と、訪れる人々が笑顔になる秘密とは。
世界にひとつのお気に入りをつくるワークショップ体験
小田原城から海に向かい、御幸の浜交差点から歩いてすぐの「そろりと小田原」は、主に2つのワークショップ体験ができるお店。
ひとつめは数種類ある形から選んだ素焼きの器に、青の呉須で下絵を施す「染付け豆皿づくり」体験だ。絵を描くだけではなく、「和紙染め」や「吹き墨」などのさまざまな技法で作品をつくることができる。
もうひとつは「香り袋づくり」体験。お気に入りの柄の袋を選んで、古来から伝わる8種類の天然香料から自分だけの香りを調合する。どちらも世界にひとつのお気に入りをつくることができる。
作品が完成したあとは、オーナーの関敦子さんがセレクトしたお茶とお菓子でゆっくりくつろげるのも魅力の一つ。
関さんはプロの陶芸家でもあり、世界中のいろいろな文化や芸術を見てまわるのが好きな旅人でもある。そんな関さんと楽しくおしゃべりしていると、あっという間に時間が過ぎていく。
オーナーである関敦子さんと楽しくおしゃべりをしながら行うワークショップ。「そろりと小田原」は豊かな時間を過ごすのにぴったりな場所だ。
「できた!」という喜びを味わえる場所
「そろりと小田原」はワークショップカフェとうたっているように、教室ではない。
ワークショップでつくるものには「こうでなくてはいけない」という決まりや正解はなく、体験する人それぞれが表現したいものを思うがままにつくる。
そこにはオーナー関さんの想いが込められている。「『できた!』という達成感や喜び、そのようなポジティブな経験が、ワークショップに訪れた人の未来を少しでも豊かにすると思っています。そのお手伝いができれば嬉しいなって」(関さん)。
上手に作ることよりもつくる喜びを大切に。時間が経っても、自分がつくった香り袋や染付豆皿がそんな楽しいひとときを思い出させてくれるだろう。
手のひらの上の魅力をたくさんの人へ
「これからもずっと続けたいけれど、でももしかしたら将来は全然違うことをしているかも」と話す関さんが思い描く未来の「そろりと小田原」には、これから先、挑戦したい2つのことがある。
ひとつめは香りの思い出を届けること。いまワークショップで扱っているかおり袋を、ギフトとして展開していきたいと語る。香りはその時の情景や気持ちを思い出すことができる。香り袋は、自然の原料のままの香りを、そのときの思い出を閉じ込めた贈り物として届けることができるのではないかと考えているそうだ。
ふたつめは、こうしたワークショップを海外にも展開していきたいということ。手のひらにのる小さいものの魅力を、日本のよきものとして海外に伝えたいのだそうだ。
小田原は可能性がつまったちょうどいいサイズ感の街
小田原でワークショップを開く関さんは、この町のサイズ感がとても気に入っているという。気軽にいろんなひとに知り合うことのできる規模感と、いろんな背景をもった人が集まる多様性のあるコミュニティ。自然も歴史も、都心までの交通の便利さもあって、様々な人が集まってくるのだろう。小田原の町は関さんが自分がやりたいことを表現するのにとても適しているのだという。
忙しい毎日を送る中で、久しぶりに何かを手作りしてみると心がワクワクするものだ。そんな気持ちを楽しみに「そろりと小田原」へ行ってみてほしい。
そろりと小田原
〒250-0012
神奈川県小田原市4-1-21
電話:090-4055-1543
営業時間:11:00-18:00
定休日:不定休(※詳しくは下記HPをご確認ください)