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ミツバチが喜ぶ柑橘の町・小田原から発信する蜂蜜の魅力

あさみどり

2025.03.20
ミツバチが喜ぶ柑橘の町・小田原から発信する蜂蜜の魅力

JR東海道線「早川駅」より徒歩約7分の場所にある、国産蜂蜜専門店「あさみどり」。近くには駅名にもなっている早川が流れ、周囲に香る磯の香りは港が近いことを伝えている。

のどかな住宅街の中にたたずむ古民家は、蜂蜜を扱うショップ兼カフェになっている。常連客も多く、「いらっしゃい」が「おかえりなさい」に聞こえるようなアットホームな空間だ。

ミツバチが冬を越せるよう北海道から小田原へ移住

「あさみどり」は大正8年(1919年)創業。当時、北海道で養蜂家をしていた創業者が、ハチが寒い冬を乗り越えられる場所を探して北海道から小田原へ越してきた。創業から100年以上、小田原をはじめ日本各地の蜂蜜の魅力を伝えている。

「小田原は柑橘の町。いろいろな花々が咲くこの地はミツバチがすごしやすいと思います」こう語るのは、現在の代表を務める4代目・杉本真理子さん。

小田原は山も多く海からの潮風も吹くことからさまざまな柑橘の花が咲き、養蜂に最適な場所。ちなみに、昔は小田原は柑橘が育つ最北端とされ、みかん、甘夏、ネイビー、湘南ゴールド、日向夏など多種多様な柑橘が育てられてきたことでも知られている。

ミツバチは暖かくなってくると、花の蜜を採りに出かける準備をする。春から始まり夏にかけて、そのタイミングにどの花が咲いているかによって、採れる蜂蜜の種類が変わるという。花も、年によって開花の時期も咲き具合も変わる。それゆえ、蜂蜜の味わいや採蜜量は毎年異なるのだ。

ミツバチと対話しながら旅をする養蜂家の仕事

「あさみどり」では自ら養蜂・採蜜をした小田原産の蜂蜜だけではなく、代々ご縁が続いている養蜂家さんが日本中で採る蜂蜜も販売している。

養蜂は大まかに「定置養蜂」と「転地養蜂」に分けられる。養蜂場を一か所にとどめて、そこで咲く花の蜜を集めるのが「定置養蜂」。一方で、「転地養蜂」は、ミツバチとともに季節の花々を求めて各地を移動しながら採蜜する方法だ。転地養蜂家たちは、4トントラックに100群あまりの巣箱を積み込み、開花の時期に合わせて移動する。最後は北海道にて1年の採蜜がおわる。

「ミツバチは環境にとても敏感。土地の空気感やそこに通ってくる人の雰囲気を繊細にキャッチして、調子が変わってしまうんです。なので、ハチにとっていい環境を整えることが、おいしい蜂蜜をつくる上で欠かせません」

ミツバチが元気に蜂蜜を作れるようサポートするのも養蜂家の大事な仕事。ハチの体調に合わせて餌を与え、ハチが疲れているときは移動を控え、天敵のスズメバチが来たら養蜂家が先頭に立ち戦って捕獲する。

「ベテランの養蜂家さんは五感・感性が鋭く、感覚が研ぎ澄まされていて。例えば、スズメバチの姿も羽音も聞こえないのに、『スズメバチが来るぞ』と分かってしまうんです」

多種多様な味わいが魅力の国産蜂蜜

「あさみどり」の店頭に並ぶ蜂蜜を見ると、小田原・和歌山・愛媛の「みかん」や秋田の「アカシア」、愛媛の「カラスザンショウ」や北海道の「キハダ」「ボダイジュ」まで地域も花も多種多様で見ているだけでもわくわくする。

「日本は四季があり南北で気温の差があるので、いろんな花の蜂蜜ができるんですよね。国産の混じりけなしの繊細な味わいをぜひ楽しんでいただきたいです」

店頭ではこれらの蜂蜜のテイスティングも可能。同じ小田原のみかんの蜂蜜でも、早川、風祭、江之浦と場所が違うだけで蜂蜜の味わいが全く違うことに驚かされる。全国各地の地域や花の種類が変わればなおさらで、香り、甘味、酸味、苦味など、細かな味わいの違いを感じるほど、蜂蜜のおもしろさに引き込まれていく。

それぞれ栄養分やおすすめの食べ方も異なるので、スタッフのアドバイスを聞きながらお気に入りの一品を見つけてみてほしい。特に、希少な小田原産の蜂蜜は、おみやげにもぴったりだ。

味だけでなく体にもやさしい蜂蜜の効果

カフェでは、地元小田原の新鮮な食材を使ったランチやデザートをラインナップ。地魚フリットと蜂蜜を使って味つけしたサラダたっぷりのプレートや、果物を蜂蜜に漬けた季節の蜂蜜ドリンクなどが人気だ。どのメニューにも蜂蜜が使われており、蜂蜜の意外な利用法が知れるのも新鮮だ。

「同等の甘さで比べると砂糖より20%もカロリーが低いという蜂蜜。またこの甘さは果糖やブドウ糖なので、優先的に運動エネルギーとして使われて体内に蓄積されにくいというのも魅力のひとつです。しかも、ビタミンやミネラルも豊富で体にいいことずくめ。抗酸化作用もあるため、歯磨きのあとに舐めれば口内ケアにも役立ちますよ」

多彩なおいしさと栄養で日々の生活に彩りを添えてくれる蜂蜜。「あさみどり」の愛情と自然の恵みたっぷりの蜂蜜の世界を体験しにお出かけしてはいかがだろうか。

あさみどり養蜂販売

〒250-0021
神奈川県小田原市早川2-4-19
電話:0465-22-7137
営業時間:ショップ 10:00-17:00/カフェ 10:30-16:00(ランチ:11:00-14:00)
定休日:ショップ 日曜、祝日の月曜火曜/カフェ 日曜、月曜、火曜

https://www.asamidori-honey.jp