健康的な体作りのためには欠かせないタンパク質ですが、忙しい日々ではなかなか必要量を補給することが難しい場合もあります。なるべく簡単に効率よくタンパク質を摂ることが大切です。今回は手軽にタンパク質を摂取できる食品や最適なタイミングについてご紹介します。
タンパク質の働きや役割は
三大栄養素のひとつであるタンパク質は、人の体の構成成分です。筋肉だけでなく、皮膚や臓器の材料にもなるので、健康な体作りや健康の維持のためには欠かせない栄養素です。
不足してしまうと、代謝の低下や免疫力の低下などを引き起こす可能性があります。代謝が落ちると痩せにくくなるため、ダイエット中にもタンパク質は必要です。
タンパク質は肉や魚、卵や大豆製品などいわゆる主菜に分類される食材に多く含まれます。手軽にタンパク質を補給するためには、そういった主菜を食事に取り入れるように心がけましょう。
タンパク質の必要量について
タンパク質の必要量は性別・年齢によって異なります。まずは推奨量をしっかりと補給することが大切です。推奨量とは簡単に言い換えると、1日に最低限必要なタンパク質量のことを指します。まずは、この量を手軽に補える食品などを用いてしっかり補給しましょう。
成人のタンパク質推奨量
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18~29歳 | 65g | 50g |
30~49歳 | 65g | 50g |
50~64歳 | 65g | 50g |
ただし、推奨量はあくまで最低限必要な量なので、本来の必要量とは異なります。必要量は1日の必要エネルギーから算出でき、必要エネルギーのうち、約13~20%のエネルギー量をタンパク質から摂取することが必要です。
1日の必要エネルギーは年齢・性別・1日の身体活動量で変化します。下記に一般成人男性と一般成人女性に必要なエネルギー量やタンパク質量についてまとめたので、参考にしてみてください。
一般成人男性・女性に必要な1日のエネルギー量とタンパク質量
※20代・身体活動 レベルⅡと仮定 |
エネルギー量 (kcal) |
タンパク質量 (g) |
目標量 (%) |
---|---|---|---|
男性 | 2650kcal | 約85~132g | 13~20% |
女性 | 2000kcal | 約65g~100g | 13~20% |
この表をもとに考えると、推奨量の約1.3~2倍のタンパク質量が必要になります。まずは推奨量を不足しないように摂取し、手軽に摂れる食材や市販食品などを活用して、必要量をできる限り摂取できるようにするのが理想的です。
※引用
○推奨量(recommended dietary allowance: RDA) ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。
※引用元 : 日本人の食事摂取基準(概要)
タンパク質を手軽に摂る方法
推奨量だけであれば手軽に食事から摂りやすいですが、タンパク質の必要量をしっかり摂るのは意外と難しいです。普段から手軽なタンパク質の摂取方法を意識できると良いでしょう。ここでは手軽にタンパク質が摂れる方法をご紹介します。
主菜以外にも手軽にタンパク質が摂れる食品を使用する
主菜に分類される肉・魚・卵・大豆製品は手軽にタンパク質が摂れる高タンパクな食品ですが、それらを摂取しているだけでは必要量が不足する可能性があります。そのため、主菜以外でも手軽に使用できるタンパク質製品を豊富に使用することが大切です。
例えば、サラダのトッピングにサラダチキンをプラスする、白菜の煮びたしにかまぼこをプラスするなどの方法があります。手軽にタンパク質が摂れる食品を意識して献立に組み込んでみましょう。
タンパク質が豊富に含まれる食品を意識する
同じ肉や魚でも、部位や種類でタンパク質量が異なります。手軽にタンパク質が摂れる高タンパクな部位や種類もあれば、思ったよりタンパク質が含まれない場合もあります。
豚肉であれば、バラ肉やロース肉よりヒレ肉やもも肉などのほうが高タンパクです。
鶏肉であれば、もも肉よりも胸肉やササミのほうが高タンパクなので部位を意識するのが良いでしょう。特に鶏肉は、低脂質な食品で手軽に摂ることができるため、ダイエットや筋トレ中で低カロリーな食事を目指している方が多く活用しています。
魚でいうと、タラやサバよりもマグロや鮭などの方が高タンパクです。また、魚はタンパク質を手軽に補給できるだけでなく、カルシウムや血液サラサラ効果のある不飽和脂肪酸などが豊富なので、健康志向な食事を目指すタイプの人が多く活用しています。
プロテインなど手軽にタンパク質を摂れる健康食品を活用する
手軽にタンパク質を補給するためにプロテインを活用している人も多いです。特にプロテインは低糖質で高タンパクなものが多く、ダイエットや筋トレをしている人が愛用しています。
プロテインには大きく分けて2つのタイプがあります。1つは植物性タンパク質を使用したソイプロテイン、もう1つは動物性タンパク質を使用したホエイプロテインです。
ソイプロテインは消化・吸収が緩やかなため、ダイエットをしている人のタンパク質補給に向いています。ホエイプロテインは消化・吸収が速いため、筋トレをしている人や運動後のタンパク質補給に最適です。
他にも、プロテインバーやヨーグルトやお菓子にタンパク質を強化したタイプの食品も最近は多く販売されているので、そのような手軽にタンパク質が摂れる食品を活用するのも良いでしょう。
手軽にタンパク質が摂れるおすすめ食材
手軽にタンパク質が摂れる加工品
加工食品は調理が要らず、手軽に食べられる食品の一つです。特にもともと高タンパクである肉や魚を使用した加工品だと手軽にタンパク質が摂れて活用しやすいでしょう。
例えば、かまぼこや魚肉ソーセージ、ツナ缶、サラダチキンなどが挙げられます。かまぼこや魚肉ソーセージであればそのまま食べられるので、忙しいときでも手軽にタンパク質が摂れます。また消化も良く、体への負担も少ないです。
ツナ缶やサラダチキンはトッピングや副菜に混ぜて、手軽にタンパク質補給ができるため、上手に活用しましょう。
卵
卵は安価で手軽に手に入るうえ、和風料理にも洋風料理にも幅広く使用できます。生卵のままでも、調理しても、美味しく食べることができます。卵は良質なタンパク質を含むと言われ、タンパク質も1個あたり約6.8g(Lサイズ)含まれるので、効率的かつ手軽にタンパク質を補給できる食材の一つです。アミノ酸スコアも高いため、筋トレや運動をしている人にも手軽に良質なタンパク質を摂れるおすすめの食材です。
大豆製品
大豆製品に含まれるタンパク質量は肉や魚に比べると少なめですが、ローカロリーで調理が不要なものが多く、手軽に摂ることができます。そのため、ダイエットにも活用しやすいでしょう。また、豆腐やあげなどの大豆製品は料理に組み込みやすい食材であるため、お味噌汁や煮物などにプラスで手軽に取り入れることができます。
タンパク質を摂る際のタイミングや注意点について
タンパク質を摂るうえで、注意が必要なこともあります。効率良く摂取できるタイミングや方法を知ることで、タンパク質をより効果的に摂取することができます。ここでは、手軽にタンパク質を摂る際のタイミングや注意点についてご紹介します。
朝食のタイミングでタンパク質を摂ろう
朝食は体のスイッチを入れる役割があります。その朝食時にタンパク質を摂取すると、体温を上昇させてくれるため、体や脳を目覚めさせてくれます。朝は忙しく、なかなか朝食をゆっくり食べられない方も多くいるでしょう。その場合は、先ほどご紹介した手軽にタンパク質を摂れる食材を活用してみてはいかがでしょうか。
欠食をしてしまうと、1日のタンパク質の必要量を摂るのは難しくなってしまいます。朝食は特に欠食をする人が多いので、手軽に摂れる食材の他にも、夕食の残りを取っておいて朝食に食べるようにするなどの方法を取ると、準備の時間も時短につながります。
一度に大量のタンパク質を摂らない
タンパク質は一度に摂取出来る量が限られています。大体40~50gが一度に吸収できる量と言われています。
筋トレや運動をしている人は手軽にタンパク質が摂れるプロテインなどを活用していることも多いのですが、一度に大量のタンパク質を摂取することはおすすめできません。
食事や間食は間隔をあけ、こまめなタンパク質補給を心がけると良いでしょう。特にプロテインはタンパク質を手軽に摂取できるので、活用方法を意識すればより効率良くタンパク質が吸収できます。
ビタミン類を一緒に摂る
タンパク質だけでなく、タンパク質の代謝をサポートするビタミンを一緒に摂ることを意識しましょう。例えば、ビタミンB群がタンパク質の代謝には必要であり、特にビタミンB6は重要な働きをします。
ビタミンB6はタンパク質の分解や合成を助ける栄養素のため、摂ったタンパク質がしっかり体の中で活用されるために必須の栄養素となっています。
他にも、ビタミンB2はタンパク質の分解を助ける働きがあるので、B6と同様、しっかりと補給することが大切です。
食材だとサンマやバナナなどにビタミンB6は多く含まれ、ビタミンB2は卵や納豆に多く含まれます。
他にも、サプリメントを使用すると手軽にビタミンB群が補給できます。マルチビタミン系のサプリメントであれば、ビタミンB群以外のビタミンも手軽に補給できるので、おすすめです。
他の栄養素もバランス良く摂る
タンパク質だけでなく、糖質や脂質なども体を健康に保つためには必要です。
糖質が不足すると体を動かすエネルギーが不足し、結果的に筋肉を分解してエネルギーを作り出します。筋トレのために食事制限をしている人は、必要最低限の糖質は摂取するようにしましょう。
脂質が不足すると乾燥肌や肌荒れなどの原因になります。ダイエットをしている人は美容を気にかける人も多いですが、脂質を制限しすぎてしまう場合もあるので、必要量はしっかり摂取することが必要です。
三食バランス良く食べることを心がけることで、タンパク質以外の栄養素も不足なく摂ることができるので、欠食をすることは避けるようにしましょう。難しい場合は栄養補助食品など手軽に摂れるもので補うと良いでしょう。