2023.05.01

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タンパク質の消化は良い?悪い?知っておきたい消化の知識や消化のよい6つの食材も紹介

タンパク質の消化は良い?悪い?知っておきたい消化の知識や消化のよい6つの食材も紹介

タンパク質は、ダイエットや健康的な体づくりに必要な栄養素のため、意識的に摂取する人も増えています。しかし、摂取したタンパク質がきちんと消化されているのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか。 この記事では、タンパク質の消化について解説します。消化不良によるデメリットや、タンパク質を多く含み、消化しやすい食材なども紹介するので、役立ててください。

タンパク質のままでは消化されない

タンパク質を摂取しても、そのままの状態では消化されません。タンパク質の消化には、胃や十二指腸などから分泌される消化液が必要です。消化液に含まれるペプシンやトリプシンなどの酵素により、アミノ酸に分解されてから小腸で吸収されます。

消化とは

消化とは、摂取した食べ物が口腔内で噛み砕かれてから胃や十二指腸へ移動して、小腸で吸収されやすいように形を変えるまでの動きのことです。消化の際には、消化酵素の含まれた消化液が各臓器から分泌されて、栄養が腸で吸収されやすくなる形に分解します。タンパク質は、アミノ酸になることで、小腸に吸収されやすくなります。

消化がよい食べ物・悪い食べ物とは

消化がよいとは、小腸が食べ物を吸収するために形を変えやすい状態です。消化のよい食べ物は、脂肪と繊維質が少なく、炭水化物、たんぱく質中心の食材が該当します。消化が悪いとは、食べ物が形を変えにくい状態です。消化の悪い食べ物は、脂肪と繊維質が多く、甘味や塩味が強い刺激物も、消化される際の負担が大きくなります。

消化のよい食べ物については、後ほど紹介します。

消化には消化酵素が必要

消化に欠かせない消化酵素は、胃や十二指腸などの消化器官から分泌される消化液に含まれています。胃液の中にはペプシンという消化酵素が含まれており、食べ物に含まれるタンパク質を分解します。これをペプチド化といいます。プロテアーゼは、タンパク質を消化する酵素の総称です。体内で生成されて、タンパク質を小さなアミノ酸へ分解します。

ペプシンやプロテアーゼなどの酵素も、タンパク質でできているため、摂取量が少ない人は消化不良になりがちです。意識的に摂取しましょう。

消化不良が起こる原因

消化不良とは、食べ物が適切に形を変えられず、膨満感や胸やけ、食欲不振などの症状が生じることです。消化不良の原因には、ストレスや加齢による自律神経の乱れによる消化器官の機能低下などがあります。

また、唐辛子などの刺激物や脂肪の多い食べ物、アルコールや炭酸飲料などの暴飲暴食、早食いなどの影響により、消化液の分泌の乱れが消化不良につながることも少なくありません。また、感染症や消化器官の炎症、消化吸収する働きが低下する病気などが原因で消化不良になる場合もあります。

タンパク質の消化不良によるデメリット

タンパク質は消化されないと体内に吸収されず、タンパク質不足になります。ここでは、タンパク質不足によるデメリットについて解説します。

体の機能が維持できなくなる

タンパク質は、体のさまざまな部位を作るために必要な栄養素です。タンパク質が不足すると、骨や歯、血管、臓器などが衰えます。血管が弱くなると、高血圧や脳卒中などのリスクが高まるため、注意してください。

筋肉量が減り痩せにくくなる

タンパク質は、筋肉を作る材料の1つであるため、不足すると筋肉量が減ります。筋肉量が減ると、基礎代謝量も落ちて、脂肪が燃えにくくなります。太りやすく痩せにくい体になるため、ダイエットの効果も期待できません。

 

皮膚のハリや髪の艶がなくなる

肌・髪・爪を作るケラチンや、ハリのある肌に欠かせないコラーゲンもタンパク質が主成分です。ハリのない肌、艶のない髪、縦筋のある爪は、タンパク質の不足によって起こりがちです。

思考力が低下する

タンパク質は、意欲を上げるドーパミンや精神を安定させるセロトニンなどの材料であるため、脳にも必要な栄養素です。不足すると、脳内の神経伝達物質が作り出せず、思考力や集中力の低下などを招きます。

免疫力が低下する

ウイルスなどの体内侵入を防ぐ免疫物質も、タンパク質からできています。不足すると、免疫物質が作られず免疫力も低下するため、風邪を引く、病気が治りにくい、体調を崩すなど、体調不調を招きます。

タンパク質は体に欠かせない栄養素

タンパク質は、体を作る上で欠かせない栄養素の1つです。以下で、タンパク質の働きや、構造について解説します。

タンパク質の働き

タンパク質は、体の約20%を占めて、水分の次に多い成分です。肌や髪、筋肉、心臓や腸などの臓器、骨、血液などを作ります。また、ホルモンや消化酵素、遺伝子情報のDNAや免疫細胞などを作る際にも必要です。体の材料以外には、体を動かすためのエネルギー源でもあります。

タンパク質はアミノ酸が集まってできている

タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできていて、1つでもアミノ酸が欠けると成り立ちません。9種類の必須アミノ酸は体内では合成できないため、食事から摂取しましょう。非必須アミノ酸は体内で合成可能ですが、必要量を合成できない場合もあるため、必須アミノ酸同様に摂取することをおすすめします。

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸

必須アミノ酸 ※体内で合成できない

  • バリン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • メチオニン
  • リジン(リシン)
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • スレオニン(トレオニン)
  • ヒスチジン

非必須アミノ酸 ※体内で合成できる

  • アルギニン※小児は必須アミノ酸に含まれる
  • グリシン
  • アラニン
  • セリン
  • チロシン
  • システイン
  • アスパラギン
  • グルタミン
  • プロリン
  • アスパラギン酸
  • グルタミン酸

タンパク質が多く消化されやすい6つの食材を紹介

タンパク質が多く含まれて、脂質や食物繊維が少なく、柔らかく調理できる食材を6つ紹介します。

白身魚

青魚や赤身の魚よりも、タラやカレイ、鯛などの白身魚は、脂質が少なく消化されやすい食材です。おすすめの料理法は、油を使わない焼き魚や、柔らかく煮込む煮魚です。フライや天婦羅などは脂質が多いため、消化されにくくなります。

かまぼこ


かまぼこやはんぺん、伊達巻なども、タンパク質が豊富で消化のよい食材です。魚肉を細かくすりつぶしてから、蒸す・茹でるなどの調理方法であるため、刺身よりも消化されやすいといわれています。ただし、揚げかまぼこは脂質が多く、たくさん食べると消化する際に負担がかかる可能性があります。かまぼこの消化については、以下の記事で詳しく紹介しています。

鶏ひき肉やささみ


脂質や繊維の少ない鶏ひき肉やささみもおすすめです。鶏ひき肉は鶏胸肉であれば、より低脂質です。小さめにカットして蒸し鶏や煮込み料理にすると、さらに消化されやすいでしょう。大きな固まり肉の唐揚げなどは消化しにくいため避けてください。

半熟卵

卵は半熟卵がおすすめです。半熟卵以外では、茶碗蒸しや卵豆腐、温泉卵、オムレツなどに調理して食べるのも、消化によいです。堅ゆで卵は半熟卵よりも固いため、消化に時間がかかります。

豆乳・豆腐


大豆製品は、豆乳や豆腐で摂取すると消化されやすくなります。煮豆や納豆なども、消化がよい食品ですが、液体や柔らかい食材のほうが、より短時間で消化・吸収されます。豆腐は湯豆腐や白和えなどの調理もおすすめです。

牛乳・ヨーグルト


乳製品の中でも牛乳やヨーグルトは、豆乳や豆腐と同様に、消化されやすい食材です。クリーム煮やシチュー、アイスクリームや牛乳ゼリー(牛乳寒は食物繊維の多い寒天を使用しているため、ゼリーのほうがよい)などへの調理もおすすめです。

サプリメントはタンパク質が消化されやすい

タンパク質が日々の食事で足りない場合には、サプリメントで補助しましょう。サプリメントには、食事のタイミングに合わせなくとも必要なタイミングで、手軽に摂取できるというメリットがあります。
ただし、健康的な体づくりやダイエットの成功にはバランスのよい食事と適度な運動が大切です。上手にサプリメントを組合せていくことをおすすめします。

鈴廣かまぼこが開発した「サカナのちから」は、魚たんぱくが豊富に含まれており、消化吸収に優れたサプリメントです。

疲労感を軽減に、機能性表示食品「サカナのちからB(鈴廣かまぼこの魚からできたサプリメント)」

まとめ

健康的な体づくりをしたい人は、タンパク質の消化を意識して食材選びや調理することがおすすめです。やみくもにタンパク質を摂取してもうまく消化できず、かえってタンパク質が不足して体調を崩すこともあります。足りないタンパク質の補給には、サプリメントを利用することも検討してみましょう。

「魚肉たんぱく研究所」はお魚たんぱくで世界を健やかにすることを目的に、鈴廣が2007年に設立した研究所です。日々、魚肉たんぱくの魅力を発信していきます。健康的な体づくりやダイエットを行う人は、ぜひ参考にしてください。

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