2022.04.13

魚肉たんぱく研究所魚肉たんぱくコラム > タンパク質100gの目安|食品・食材ごとの含有量や効率的な摂取方法を紹介

タンパク質100gの目安|食品・食材ごとの含有量や効率的な摂取方法を紹介

タンパク質100gの目安|食品・食材ごとの含有量や効率的な摂取方法を紹介

健康的な生活や体作りのために、意識してタンパク質を摂取している人も多いのではないでしょうか。思っていたよりタンパク質の必要量が多く、十分な量を摂るのが難しいと感じる場合もあります。今回はどんな食材にタンパク質が多く含まれるのか、タンパク質100gを目安に紹介します。

タンパク質の1日の摂取推奨量

タンパク質は性別や生活習慣によって、1日の必要量が異なります。65g程度で良い場合もあれば、100g以上必要な場合もあるため、自分の必要量を知ることが大切です。ここでは、タンパク質の役割や目標・推奨量について解説します。

そもそもタンパク質とは何か

タンパク質はエネルギー産生栄養素(三大栄養素)のひとつで、体を作る栄養素といわれています。人体の組成は15-20%がタンパク質であり、筋肉や臓器など体の重要な器官の材料になるのはもちろん、髪や爪の材料にもなるため、全ての人にとって欠かせない栄養素です。

不足すると体力や免疫力・筋力の低下につながる可能性もあるため、1日のタンパク質の必要量をしっかり把握して摂取することが大切です。

1日のカロリーの13~20%が目標量

エネルギー産生栄養素(三大栄養素)は1日のカロリーを元に必要量が決まります。1日の必要カロリーのうち、タンパク質は15%程、脂質は25%程、炭水化物は60%程の割合で摂取すると良いとされており、これをPFCバランスといいます。

また、「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」(※) でも、タンパク質は1日に必要なカロリーの約13~20%が目標量とされています。

<p一般的な成人男性は1日2650kcal、成人女性は1日2000kcalが1日のカロリーの目安です。

そのうちの約13~20%のカロリーをタンパク質で摂ることになるため、一般成人男性では約340~530kcal(2650*13%kcal〜2650*20%kcal)、一般成人女性では約260~400(2000*13%kcal〜2000*20%kcal)kcal分のタンパク質が必要ということです。

タンパク質は1gあたり4kcalといわれているため、一般成人男性だと約85g~132g(340/4g〜530/4g)、一般成人女性だと約65g~100g(260/4g〜400/4g)のタンパク質が必要ということがわかります。つまり、男性でも女性でも100g近いタンパク質量を摂ることが大切です。

ただし、これは生活習慣が「座位中心の仕事と軽いスポーツを楽しんでいる、一般的な生活をしている人」の活動量で計算しているため、激しい筋トレや運動をしている人は100g以上のタンパク質が必要な場合もあります。

また、反対に運動を全くしていない人では必要なカロリー量も低くなるため、タンパク質の目標量も少なくなります。

※日本人の食事摂取基準(2020年度版)

引用

○目標量(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases: DG) 生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)である。

引用元 :日本人の食事摂取基準(概要)

 

一般成人男性・女性の1日に必要な栄養素

カロリー タンパク質
(推奨量)
タンパク質
(目標量)
男性 2650kcal 65g 85~132g
女性 2000kcal 50g 65~100g

※身体活動レベルⅡと仮定して

1日の推奨量は男性65g、女性50g

前述した目標量はできるだけ摂取したほうが良い量ですが、最低限摂取しなければいけない必要量も存在します。

日本人の食事摂取基準(2020年度版)」では、タンパク質の推奨量が一般成人男性で65g、一般成人女性で50gと定められています。
推奨量は年齢によって変化しますが、基本的にどのような生活をしている人でも最低限1日に必要な量ですので、満たすようにしましょう。

引用

○推奨量(recommended dietary allowance: RDA)  ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。

引用元 :日本人の食事摂取基準(概要)

食品ごとのタンパク質含有量

個人差はありますが、一般男性・女性のタンパク質の目標量がおよそ100gであるため、まずは100gを目安に食事から取り入れるように工夫が必要です。ここからは各食品に含まれるタンパク質量や、100g摂るとしたらどのくらいの摂取が必要なのか、具体的に紹介します。

ごはん、パン、麺のタンパク質

ごはんやパン、麺は主食に分類され、主に炭水化物を多く含みます。体を動かすエネルギー源になることは多いですが、タンパク質の含有量は少ないです。

ごはん・パン・麺のタンパク質含有量

食品名 タンパク質量
ごはん(茶碗中盛り1杯) 3.0g
食パン(1枚) 4.4g
うどん(1人前) 7.3g
そば(1人前) 10.7g

仮にごはんだけで100gのタンパク質を摂取しようとすると、約33杯も食べなければなりません。主食だけで目標量を満たすことは難しいので、他の食材と組み合わせて100gを目指す必要があります。

肉、魚、卵、大豆製品のタンパク質

肉・魚・卵・大豆製品は主菜に分類され、主食に比べてタンパク質の含有量が多いです。そのためタンパク質を100g摂取するためには、これらの食材を積極的に食事に取り入れることで効率良く摂取できるでしょう。

肉・魚・卵・大豆製品のタンパク質含有量

食品名 タンパク質量
ささみ(1枚) 7.9g
豚もも肉(薄切り1枚) 4.8g
鮭(1切れ) 18.9g
マグロ(刺身1人前) 11.2g
卵(1個) 6.8g
納豆(1パック) 5.8g
絹豆腐(1丁) 15.9g

ごはんなどの主食よりも少量で多くのタンパク質を摂れるため、手軽に効率良くタンパク質を摂取することができます。また、タンパク質には種類があり、動物性タンパク質と植物性タンパク質に分けられます。

動物性タンパク質の多くは、体内で合成することが出来ない9種類の必須アミノ酸を含んでいます。タンパク質の含有量も多い傾向にあり、吸収速度が速いのが特徴です。タンパク質を効率良く100g摂取するために、動物性タンパク質を含む食材を積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

また、一般的に肉は脂質が多いため、脂質が少ない魚など吸収の効率の良い食材を選ぶなど工夫すると良いでしょう。

野菜、果物のタンパク質

野菜は副菜に分類され、主にビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、タンパク質の含有量は少ないです。タンパク質を体の中で上手に活用するサポート役を担うためのビタミン類が豊富なため、しっかり食事に取り入れましょう。

果物は1日に100g~200gを目安に食べるのが良いといわれています。ビタミンや食物繊維が多く含まれますが、野菜より糖分も多いため食べ過ぎには注意が必要です。

野菜・果物のタンパク質含有量

食品名 タンパク質量
トマト(中1個) 1.0g
にんじん(中1本) 0.8g
たまねぎ(中1個) 1.4g
バナナ(1本) 0.6g
りんご(1個) 0.3g

野菜や果物はタンパク質の供給源にはなりませんが、ビタミンや食物繊維などのうれしい栄養素が豊富です。さらに食事だけではなく、果物は栄養補給ができてカロリーも抑えられるため、ダイエット中の間食にも良いでしょう。

乳製品のタンパク質

乳製品は牛乳からできているものが多いため、動物性タンパク質の含有量が多いです。乳製品には低脂肪のものなど種類があるので、なるべく脂肪分が低いものを選ぶと吸収の効率も良くなります。

乳製品は牛乳やヨーグルトなど手軽に食べられるものが多く、好きなタイミングで食べられるので効率的なタンパク質の摂取が期待できます。

乳製品のタンパク質含有量

食品名 タンパク質量
牛乳(1杯) 6.3g
ヨーグルト(200g) 6.6g
チーズ(1切れ) 4.3g

最近はタンパク質や鉄・カルシウムが強化された種類の乳製品も、スーパーやドラッグストアで見かけるようになりました。手軽に美味しく必要な栄養素が摂れるので、活用してみてください。

上記食品を組み合わせたタンパク質100gの目安

ここまで様々な種類の食品や食材を紹介してきましたが、実際にどのように組み合わせると1日に100gのタンパク質を摂取することができるのでしょうか。上記で紹介した食品や食材を組み合わせた献立例をご紹介します。

1日でタンパク質を100g摂取できるモデル献立

メニュー タンパク質量
朝食 ごはん(3.0g)
納豆(5.8g)
鮭(18.9g)
玉ねぎと豆腐の味噌汁(5.0g)
おひたし(微量)
32.7g
昼食 月見そば(17.5g)
マグロの刺身(11.2g)
冷ややっこ(5.0g)
酢の物(微量)
33.7g
夕食 ごはん(3.0g)
豚の生姜焼き(24.0g)
トマトサラダ(1.0g)
わかめの味噌汁(微量)
28.0g
間食 バナナヨーグルト(6.9g) 6.9g

上記の献立例は、101.3gのタンパク質量です。食事だけで100g以上摂るためには、タンパク質の含有量が多い食品の摂取を意識することが大切です。

メインのおかずだけはなく、サブのおかずにもタンパク質の含有量が多い食材を使用することや、間食で食べる食材の種類を考慮しましょう。

普段の生活でできる効率の良いタンパク質の摂り方

100gを目安にタンパク質を摂ることも大切ですが、食事だけでなく食べ方やタイミングなどを工夫することも大切です。ここからは、生活の中で実践できるタンパク質の摂り方をご紹介します。

 

朝食からタンパク質の多い食品を摂る

朝食は特に欠食しがちですが、欠食するとせっかくタンパク質が摂れるチャンスを逃してしまうことに繋がります。

100gのタンパク質を摂りきるためにも、3食バランス良く食べる習慣を身につけましょう。

しっかりとした食事を摂るのが難しい場合は、簡単な食材だけでも食べるようにするのが良いでしょう。例えば調理が不要で切るだけで食べられるかまぼこや、魚肉ソーセージなどがおすすめです。

朝食は特に欠食しがちですので、100gのタンパク質を摂りきるためにも3食バランス良く食べる習慣を身につけましょう。

 

一気にタンパク質を摂らない

タンパク質は一度に40g~50gほどしか吸収できないといわれています。一気に100gのタンパク質を摂っても、体の中でしっかり活用されない可能性が高いです。

1回の食事で100g摂るのではなく、前述したようにタンパク質を3食バランス良く摂ることで、100g全てを有効的に活用できるでしょう。

 

健康食品やサプリメントを活用する

100gのタンパク質を食事から補うのは難しいと感じる場合は、プロテインの活用も良いでしょう。プロテインは1食あたり20g前後のタンパク質を含むものが多く、プロテインを食事と併用すると簡単に100gを摂ることができます。

また、サプリメントの活用もおすすめです。「サカナのちから」には、10錠(3.3g)あたりにタンパク質が2.7g含まれています。プロテインよりも摂取が簡単なので、手軽にタンパク質が摂取可能です。サプリメントも組み合わせることで、効率良く100gを摂取することができるでしょう。

100gを目安にしっかりとタンパク質を意識しよう!

100gのタンパク質を摂るためには、しっかりとタンパク質量を意識することが大切です。なんとなくで食材を選択するのではなく、どんな食材にタンパク質が多く含まれるのかを考えうまく食事に取り入れられると、目安である100gをしっかりと補給できるでしょう。

こちらの記事もおすすめ

コラム一覧へ
かまぼこのある暮らし 鈴廣オンラインショップ サカナのチカラ 鈴廣かまぼこ開発 魚のアミノ酸サプリ