2023.03.15

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タンパク質の手軽なとり方とは。1日に必要な量と無理なく摂取できる食品もご紹介

タンパク質の手軽なとり方とは。1日に必要な量と無理なく摂取できる食品もご紹介

近年、タンパク質の重要性が注目されていますが、何をどのくらい食べたら必要量を満たせるのか知っていますか?
この記事では、タンパク質をとり健康的に過ごしたい人に向けて、1日の必要量と手軽なとり方をご紹介します。日々の食生活に役立ててみてください。

そもそもタンパク質とは?

タンパク質は、アミノ酸が50個以上つながった化合物で、プロテインとも呼ばれ、人の体を作る材料となります。タンパク質はそのままで吸収されることがなく、一度、ペプチド・アミノ酸に分解されてから吸収されます。ここでは、タンパク質の体内での働きと良質なタンパク質の指標について解説します。

タンパク質の働き

体内でのタンパク質の働きは、大きく2つあります。

体を作る

タンパク質は、体を構成する主な成分です。筋肉や内臓、骨、髪、爪などに含まれ、体重の約20%を占めています。タンパク質は分解と合成を繰り返しており、分解されたものの一部は排泄されていきます。そのため、この分を補うために食事からの摂取が必要です。
摂取したタンパク質はアミノ酸に分解され、筋肉や臓器などを作るために使われます。特に、筋肉量を増やすためにはタンパク質の摂取が重要です。

体の働きを整える

体内には、体の機能に関わるタンパク質も多数あります。例えば代謝を助ける酵素やホルモン、免疫を司る抗体などが挙げられます。また神経伝達物質の一部や、全身に酸素を運ぶのに必要な赤血球のヘモグロビンなどもタンパク質が主な原料です。

良質なタンパク質とは

タンパク質の質を表す指標の一つが「アミノ酸スコア」です。タンパク質を構成するアミノ酸のうち、9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」です。

アミノ酸スコアは必須アミノ酸のバランスを表した指標で、アミノ酸スコアが高いほど体内のタンパク質合成に効率よく使用できる良質なタンパク質といえます。魚や肉、卵、牛乳、大豆はいずれもアミノ酸スコアが満点の100です。

最近では、新しいタンパク質の評価指標として「DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)」が用いられています。DIAASは必須アミノ酸の消化吸収率を考慮して求められているため、アミノ酸スコアより正確にタンパク質の栄養価を比較できます。

DIAASについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

1日に必要なタンパク質量

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に必要なタンパク質の摂取量として2つの基準が定められています。ここでは、それぞれの基準値を紹介します。

タンパク質不足を避けるための推奨量

まず紹介する基準は「推奨量」です。この量は、日々排泄されるタンパク質を十分に補給し、タンパク質不足を避けるために設定された値です。
タンパク質の1日当たりの推奨量は、18~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は50gです。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

生活習慣病予防のための目標量

もう一つの基準は「目標量」です。目標量とは、「生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量」として設定された値です。
タンパク質の目標量は、1日に必要なエネルギー(カロリー)の量に対する割合として、下限値と上限値が定められています。必要なエネルギー量は性別や身体活動の量によって異なるため、以下の表ではそれぞれのタンパク質の目標量を示します。

年代 目標量
摂取
エネルギー量
に対する割合
男性
身体活動
レベルⅠ
の目標量
(g)
男性
身体活動
レベルⅡ
の目標量
(g)
男性
身体活動
レベルⅢ
の目標量
(g)
女性
身体活動
レベルⅠ
の目標量
(g)
女性
身体活動
レベルⅡ
の目標量
(g)
女性
身体活動
レベルⅢ
の目標量
(g)
18~29歳 13~20% 75~115 86~113 99~153 57~88 65~100 75~115
30~49歳 13~20% 75~115 88~135 99~153 57~88 67~103 76~118
50~64歳 14~20% 77~110 91~130 103~148 58~83 68~98 79~113
65~74歳 15~20% 77~103 90~120 103~138 58~78 69~93 79~105
75歳以上 15~20% 68~90 79~105 53~70 62~83

※身体活動レベル
Ⅰ:低い(生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合)
Ⅱ:ふつう(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合)
Ⅲ:高い(移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合)
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

タンパク質が不足するとどうなる?

タンパク質が不足すると、筋肉量の減少を招き、体力や運動能力の低下につながります。筋肉が減ると基礎代謝も下がるため、ダイエットにも逆効果です。また免疫力など、体全体の機能も衰えやすくなります。

タンパク質をとり過ぎるとどうなる?

一方で、タンパク質を必要以上にとり過ぎると、体外への排泄量も増え、その過程で腎臓に負担がかかります。また、タンパク質にもカロリーがあるため、とり過ぎはカロリーオーバーにつながります。

肉などのタンパク質源には脂質も含まれているため、脂質によるカロリー過多にも注意が必要です。

タンパク質のとり方のポイント

1日に必要なタンパク質を摂取し、さらに体内で効率よく使用するには、とり方の工夫が大切です。食事だけでなく、間食や飲み物からもタンパク質をとることができます。ここでは、タンパク質のとり方のポイントを紹介します。

食事でのとり方

まずは、基本となる食事でのとり方について説明します。

3食とる

1日に必要なタンパク質量は、3食に分けてとりましょう。タンパク質は体内に蓄えられないため、一度にとり過ぎると体外に排泄されてしまいます。1食に偏らず、できるだけ均等に分けてとるのが理想です。

特に朝食でのタンパク質摂取は、夕食での摂取より筋肉がつきやすいといわれています。しかし、一般的には朝食でタンパク質が少なく、夕食で多くなりがちです。夕食のおかずを少し残して翌朝に食べる、手軽にとれる食品を常備しておくなどの工夫がおすすめです。

主食・主菜・副菜を揃えた食事をとる

体内で効率よくタンパク質を合成するには、ビタミンやミネラルが必要です。タンパク質源だけでなく、野菜なども合わせてとる必要があります。

また、炭水化物の適度な摂取も大切です。炭水化物からのエネルギー量が不足すると、体内のタンパク質を分解することでエネルギーが作られるため、タンパク質の合成量が不足してしまいます。

食事のバランスを整えるには、主食・主菜・副菜を揃えてとりましょう。主食はご飯やパン、麺など、炭水化物を主にとれる食品です。主菜はタンパク質源となる魚・肉・卵・大豆製品の料理、副菜は野菜や海藻・きのこを主な材料とした料理です。

さまざまなタンパク質源を取り入れる

タンパク質源によって含まれるアミノ酸の種類は異なります。またタンパク質以外に含まれる栄養素も食品によって異なるため、食事ごとにタンパク質源の種類を変えることで栄養バランスが整いやすくなります。

間食でのとり方

食事からタンパク質を十分に摂取できない場合は、間食で補うのもおすすめです。

間食にぴったりなタンパク質の多い食品

タンパク質の多い食品の中で、間食として活用できるものを紹介します。どれも手軽に食べられる食品です。好みに合わせて取り入れてみましょう。

  • プロテインバー
  • 魚肉ソーセージ
  • かまぼこ、伊達巻
  • ゆで卵
  • チーズ
  • ヨーグルト

間食でタンパク質をとるなら、FPB(フィッシュプロテインバー)もおすすめです。1本当たり7~8gのタンパク質が含まれており、良質な魚肉たんぱくを手軽にとれます。

間食のカロリーの目安

間食はとり過ぎるとカロリーオーバーにつながります。1日の間食で摂取するカロリーの目安は200kcalといわれているため、タンパク質をとりたいからといって食べ過ぎないよう、特にダイエット中には気をつけましょう。

飲み物からのとり方

より手軽にタンパク質を摂取するには、飲み物からとる方法があります。ここでは飲み物からのタンパク質のとり方を紹介します。

タンパク質の多い飲み物

  • プロテイン
  • 牛乳
  • 豆乳
  • 飲むヨーグルト

これらの飲み物は手軽にタンパク質を補給するのに役立ちます。特にプロテインドリンクには、1本当たり10~15gと多くのタンパク質が含まれています。商品によってはビタミンやミネラルが配合され、タンパク質が体内で効率よく使われるよう工夫されているものもあります。

ただし、飲み過ぎはカロリーオーバーにつながります。タンパク質だけでなく、飲み物に配合された砂糖や、含まれている脂質にもカロリーがあります。間食と合わせて200kcal以内に抑えておくのがおすすめです。

可能な限り食事からタンパク質をとり、足りない分を補給するために飲み物を活用しましょう。

タンパク質の多い食品と含有量

ここでは、タンパク質の多い食品と含有量を示します。食事からタンパク質をとる際の参考にしてみてください。

魚肉たんぱくは、先ほど紹介したアミノ酸の評価指標である「DIAAS」が大豆や乳のタンパク質よりも高い値を示しています。魚肉たんぱくは消化されやすく、体内で効率よく使える良質なタンパク質といえます。

魚の種類によってタンパク質の含有量には差がありますが、100g当たり15~20g程度と覚えておくとよいでしょう。
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魚に含まれるタンパク質(可食部100g当たり)

  • めばちまぐろ(赤身):21.9g
  • かつお(春獲り):20.6g
  • かつお(秋獲り):20.5g
  • さけ:18.9g
  • ぶり:18.6g
  • さば:17.8g
  • あじ:16.8g
  • たら:14.2g

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魚料理を取り入れるだけでなく、魚肉ソーセージやかまぼこ、ツナ缶やサバ缶など、手軽にとれる食品を活用するのもおすすめです。
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魚製品に含まれるタンパク質

  • 魚肉ソーセージ(1本70g):7.2g
  • かまぼこ(100g):11.2g
  • ツナ缶(1缶70g):10.1g
  • サバ缶(1缶180g):31.3g

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出典:文部科学省「食品成分データベース」

肉にもタンパク質が豊富に含まれます。種類や部位によって含有量は異なりますが、100g当たり約15~20gのタンパク質が含まれています。但し、脂質が多い場合がありますので注意しましょう。
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肉に含まれるタンパク質(可食部100g当たり)

  • 鶏ささみ:19.7g
  • 鶏むね肉(皮なし):19.2g
  • 鶏もも肉(皮なし):16.3g
  • 豚ヒレ肉:18.5g
  • 豚ロース:18.4g
  • 豚もも肉:18.0g
  • 牛ヒレ肉:16.8g
  • 牛もも肉:16.2g

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出典:文部科学省「食品成分データベース」

卵1個(可食部50g)には、5.7gのタンパク質が含まれています。その他にも食物繊維とビタミンC以外の栄養素が含まれており、栄養豊富な食品といえます。
出典:文部科学省「食品成分データベース」

大豆・大豆製品

大豆には植物性タンパク質のほか、女性に不足しがちな鉄や腸内環境を整える食物繊維も含まれます。
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大豆・大豆製品に含まれるタンパク質

  • 乾燥大豆(100g):32.9g
  • 木綿豆腐(1丁300g):20.1g
  • 絹ごし豆腐(1丁300g):15.9g
  • 厚揚げ(1個150g):15.5g
  • 糸引き納豆(1パック40g):5.8g
  • 油揚げ(1枚20g):4.6g
  • きな粉(大さじ1 7g):2.4g

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出典:文部科学省「食品成分データベース」

牛乳・乳製品

牛乳や乳製品からもタンパク質がとれ、朝食や間食などに手軽に活用できます。
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牛乳・乳製品に含まれるタンパク質

  • 牛乳(コップ1杯200g):6.0g
  • 低脂肪乳(コップ1杯200g):6.8g
  • 飲むヨーグルト(1本200g):5.2g
  • ヨーグルト(小パック1個80g):2.6g
  • プロセスチーズ(1枚20g):4.3g

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出典:文部科学省「食品成分データベース」

生活スタイルに合ったタンパク質のとり方を身につけ、健康的な毎日を!

タンパク質は筋肉など体を作るだけでなく、体を正常に働かせるためにも重要な栄養素です。魚や肉、卵、大豆製品、乳製品などから良質なタンパク質を十分にとることが大切です。
また、とり方を工夫することで、さらに体内で効率よくタンパク質を合成できます。1日3回の食事にタンパク質を取り入れ、間食や飲み物も活用しながら、必要量の摂取を目指しましょう。

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