最近は、タンパク質を摂取するためにプロテインを飲んでいる人が多くなっています。筋肉を作るイメージが強いタンパク質ですが、筋トレやスポーツをしない人にとっても、血液中のタンパク質量が不足すると体に様々なデメリットがあるのです。 今回は、タンパク質の役割や食事での上手な摂り方についてご紹介します。
全身を巡る血液中のタンパク質
タンパク質は体を構成する重要な栄養素
タンパク質は3大栄養素のひとつであり、体をつくる栄養素と言われています。筋肉はもちろん、臓器や皮膚・髪の毛などの構成成分であり、人間が生きていく上では必須の栄養素です。
さらに、血液中のタンパク質は体の中で分解と合成を繰り返し、約180日ですべての血液中のタンパク質が入れ替わると言われています。そのため、毎日タンパク質を摂取することが大切です。
タンパク質は、厚生労働省で策定されている「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」で1日の推奨量が定められています。
成人のタンパク質の推奨量
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18~29歳 | 65g | 50g |
30~49歳 | 65g | 50g |
50~64歳 | 65g | 50g |
まずは、血液中のタンパク質不足を引き起こさないために、この推奨量を確実に摂ることが重要です。
しかし、激しい運動をする人や活動量の多い人は推奨量以上にタンパク質が必要な場合もあります。生活習慣によって個人差もあるため、注意が必要です。
※引用
○推奨量(recommended dietary allowance: RDA)ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。
※引用元 : 日本人の食事摂取基準(2020年度版)の概要
栄養状態を示す指標「アルブミン」
血液中のタンパク質を総蛋白といい、 その6割がタンパク質の一種であるアルブミンです。
アルブミンは体の栄養状態を示す指標のひとつであるため、タンパク質をしっかり摂ることで良好な栄養状態を保つことができます。ただ、アルブミンは「長期の」栄養状態を示す指標であり、「現在」ではなく約3週間前の栄養状態を表していると言われているため、注意が必要です。
アルブミンには、「血液を正常に循環させる浸透圧維持」と、「ミネラルや酵素などを運搬する」という主に2つの働きがあります。アルブミンが不足すると、血液循環が悪くなって代謝が落ちたり、必要な栄養素が上手く全身に運搬できなくなったりするなど、栄養状態に影響が出る可能性が高くなります。
血液中のタンパク質不足がもたらす全身の不調
1)冷え性
血液中のタンパク質が不足すると体の代謝が落ちてしまい、全身への血液循環が悪くなってしまいます。そのため、体の隅々まで血液が巡りにくくなり、冷え性につながる可能性があります。
2)髪の毛や肌のトラブル
血液中のタンパク質不足が原因で、髪のツヤが失われたり、シワやたるみ・肌荒れを引き起こしたりする可能性があります。肌のハリに必要なコラーゲンや髪の毛の要素であるケラチンもタンパク質からできているので、血液中のタンパク質不足には注意が必要です。
3)むくみ
タンパク質の1種であるアルブミンには、血液の浸透圧を維持する役割があります。そのため、血液中のタンパク質が不足すると体の水分量のバランスが崩れ、むくみの原因になりやすいです。むくみは水分やミネラル不足が原因かと思いがちですが、血液中のタンパク質不足も原因のひとつになりますので、注意しましょう。
4)免疫力の低下
タンパク質は、全身の細胞を構成する主要な成分です。免疫細胞の材料にもなるため、血液中のタンパク質が不足すると免疫力の低下や不調につながります。他にも、血液中のタンパク質が不足すると血管や皮膚の弾力が低下し、体のバリア機能が低下します。その結果、ウイルスが体の外から侵入しやすくなるので、風邪の原因になります。風邪やウイルス予防にもタンパク質は重要です。
血液中に限らず、体内のタンパク質が不足すると起こる不調もあるので、詳しく知りたい方はタンパク質不足で起こる不調をまとめた記事をご覧ください。
血液中のタンパク質が不足する原因
過度な食事制限
最近、置き換えダイエットや食事制限ダイエットが流行っていますが、過度な食事制限や食事バランスの偏りは血液中のタンパク質不足を招きます。また、食事が偏るとタンパク質だけでなく他の栄養素も不足しやすくなるため、せっかくタンパク質を意識して摂っていても、効果が出にくくなる可能性もあるため注意が必要です。ダイエットを成功させたい方は、ダイエット時のタンパク質摂取の重要性についてまとめた記事があるので、ぜひご覧ください。
筋肉量を増やすためにタンパク質を摂っていたとしても、糖質が不足すると代謝や筋肉量の低下につながるため、結果的に筋肉がつきにくくなります。血液中のタンパク質量だけでなく、他の栄養素とのバランスを意識することも大切です。
制限しているつもりはなくても、欠食があると栄養素も偏る原因になるため、3食しっかり食べることが重要といえます。
消化吸収力の低下
加齢によって胃の機能が低下すると、エネルギーやタンパク質を活用するために必要なビタミンやミネラルの吸収能力も落ちてしまいます。小腸も消化液の分泌力が低下して消化吸収が悪くなり、タンパク質の吸収量が落ちてしまうので、タンパク質不足につながりやすいです。
他にも、そもそも食が細くなりタンパク質の量をしっかり摂れない場合もあるので、意識してタンパク質を摂るようにしましょう。食事で摂るのが難しい場合は、健康食品やサプリメントで補うこともおすすめです。 魚肉ペプチドを配合した「サカナのちから」は、タンパク質よりも吸収しやすいレベルのペプチドを配合しているため、必要なタイミングでより効率よくタンパク質を摂取できます。ぜひ利用してみてください。
肝臓や腎臓の不調
タンパク質をしっかり摂れる食事をしていても、肝臓や腎臓が不調になると血液中のタンパク質の吸収がうまくできなくなります。肝臓は代謝に関わる臓器と言われていて、肝臓で作られる胆汁は血液中のタンパク質を分解するために必要です。肝臓が不調になることで胆汁が分泌されにくくなり、血液中のタンパク質の吸収が低下してしまいます。
また、腎臓はタンパク質を代謝する働きもあるため、腎臓が不調になることで血液中のタンパク質がそのまま尿に出てしまい、「低たんぱく血症」などの疾患の原因になります。
食事をしっかり摂っているのに痩せていったり、体の不調を感じたりする場合は一度医療機関にかかって診察や治療をしてもらいましょう。
血液中のタンパク質を増やす方法
栄養バランスの整った食事を心がける
偏った食事はタンパク質が不足するだけでなく、栄養バランスの偏りにつながるので、バランスの良い食事を1日3食摂ることが大切です。特にタンパク質を多く含む魚・肉・卵・大豆製品などの主菜は、少ない量でも良いので必ず食事の際に食べるようにすることが大切です。
また、タンパク質を体で上手に使うためにはビタミンやミネラルの働きも重要です。主菜ばかり食べるのではなく、主食や副菜もしっかり摂ることが血液中のタンパク質不足の予防になります。
栄養バランスの良い食べ物【かまぼこ】
かまぼこは魚のすり身を半円形に蒸したもので、魚が原料なため、タンパク質が豊富です。和え物や煮物など、副菜の彩りなどにも使用できるため、料理にも活用しやすい食材といえます。
しかし、塩分の量が多いので高血圧や腎臓病などの疾患があり、塩分の制限などの治療食が必要な人は注意が必要です。
かまぼこ1本(145g)の栄養価
(鈴廣かまぼこ「小田原っ子」の栄養成分)
かまぼこ1本(145g) | |
---|---|
エネルギー | 90kcal |
タンパク質 | 15.7g |
脂質 | 1.16g |
炭水化物 | 14.4g |
食塩相当量 | 2.9g |
栄養バランスの良い食べ物【魚】
魚は主菜としてメイン料理で使用されることが多く、タンパク質が豊富です。
魚には脂質が低い白身魚やオメガ3系脂肪酸であるEPAやDHAなど、良質な油を含む青魚など、様々な種類があります。それぞれ特徴が異なるため、自分の体の状況に合わせて食事に取り入れることが良いでしょう。
しかし、塩鮭や塩サバは塩分濃度が高いため、高血圧などの疾患がある人は注意が必要です。
魚1切れ(80g)の栄養価
鮭(80g) | タラ(80g) | サバ(80g) | |
---|---|---|---|
エネルギー | 110kcal | 62kcal | 162kcal |
タンパク質 | 18.0g | 14.1g | 16.6g |
脂質 | 3.6g | 0.2g | 9.7g |
炭水化物 | 0.1g | 0.1g | 0.2g |
食塩相当量 | 0.1g | 0.2g | 0.3g |
栄養バランスの良い食べ物【卵】
卵は手軽にタンパク質を補給できる食べ物の1つです。ゆで卵や目玉焼き、オムレツなど単品でも美味しく食べられるうえ、他の食材と組み合わせても使い勝手が良いため、料理のレパートリーも豊富です。
卵には体内で合成されないと言われている必須アミノ酸が豊富で、高いアミノ酸スコアが特徴です。必須アミノ酸は、たんぱく質が体内で上手に使われるのに必要な栄養素となります。
卵1個(60g)の栄養価
卵1個(60g) | |
---|---|
エネルギー | 91kcal |
タンパク質 | 7.4g |
脂質 | 6.2g |
炭水化物 | 0.2g |
食塩相当量 | 0.2g |
サプリメントやプロテインで補う
タンパク質の摂取量が食事だけでは推奨量や必要量に満たない場合は、サプリメントでの摂取もおすすめです。魚肉ペプチドを配合した「サカナのちから」は、必要なタイミングでより効率よくタンパク質を摂取できるので、サプリメントを購入予定の方はぜひ検討してみてください。
また、プロテインもタンパク質を手軽に補える健康食品の1つで、1食あたり大体15~30gほどのタンパク質が摂れるものが多く、効率よくタンパク質が摂れます。
プロテインには様々な種類があり、糖質が控えめなものやビタミン・ミネラルが強化されているものなど、ダイエットや美容にも嬉しいタイプが多く販売されています。
定期的な検査で早期発見
血液検査で血液中のタンパク質量がわかる
血液中のタンパク質量は、血液検査の総蛋白とアルブミンの項目が指標になります。
総蛋白の正常値は3.5~7.9㎎/dl、アルブミンは3.9㎎/dl以上と言われているので、血液検査をした際には血液中のタンパク質量にも注目してみましょう。
基準より少ない数値の場合は低栄養の可能性があり、場合によっては治療が必要なため、注意が必要です。
不調を感じたら早めの治療を
血液検査の結果が正常値以下の数値の場合や、今回ご紹介した体の不調を感じることがあれば、血液中のタンパク質が不足している可能性があります。
安易に自分自身で判断せずに、不調を感じたら医療機関の受診・検査をしましょう。早期発見や早期治療が健康的な生活のためには大切です。
血液中のタンパク質に気をつけて健康な生活を送ろう
タンパク質は全身の筋肉だけでなく、体を作ることや代謝にも大きく関わっている重要な栄養素です。血液中のタンパク質が不足してしまうと、様々なデメリットが生じてしまいます。
血液中のタンパク質が不足しないように、バランスの良い食事を意識したり健康食品を活用したりして、必要量をしっかり補給しましょう。サプリメントの利用を考えている方は、「サカナのちから」がおすすめなのでぜひ検討してみてください。